1970年前後、
わが国のSF作家グループが
東海村原発を集団見学したことがあります。
当時、原子力発電と言えば
豊かな未来をもたらす夢のエネルギーとして
バラ色のイメージを誇っていたのですが
SF作家のみなさん、
とんでもないツッコミを入れまくり、
原発関係者を卒倒させました。
なかでも星新一さんは
いきなり、こんな趣旨のことをおっしゃったそうです。
原子というものを、まず一個見せて下さい。
自分の目で見ないと、存在するのかどうか信用できない!
・・・さて。
一昨日の記事
「退院しました。」にたいする
TAMALEAHさんのコメントにもありましたが、
次世代の党が名称を変更しました。
新名称は「日本のこころを大切にする党」。
詳細は以下の通り。
次世代の党は12月21日の議員総会で、
党名を「日本のこころを大切にする党」に変更することを決めた。
中山恭子代表は総会後に会見を開き、
「穏やかさや誠実さ、良心など、日本人が誰でも持っている精神が欠けつつある」と、
党名「日本のこころ」を入れた狙いを説明した。
時事ドットコムなどが報じた。
中野正志幹事長は会見で
「国政選挙でも地方選挙でも次世代の党名が受け入れられなかった厳しい現実がある。
党名を一新して新しい気持ちで臨むしかない」と述べた。
党名変更をめぐっては江口克彦参院議員が
「独断強行に進められている事態は民主主義の党運営に反する」
と反対し、18日に離党している。
・・・星さんにならって、こう言いたくなります。
日本のこころというものを、まず見せて下さい。
自分の目で見ないと、存在するのかどうか信用できない!
いえ、
日本(人)には当然、独特の民族性がありますよ。
中山代表が述べたような点も、その特徴に含まれるでしょう。
しかし「こころ」には具体的な形がないため、
どうにでも解釈しうるのも否定しがたい事実。
ついでにわが国には
「こころ」など持ち出すまでもなく
政党として大切にすべき具体的なものが多々あります。
日本の胃袋(食料自給率向上)とか、
日本の電力(エネルギー供給確保)とか、
日本の土木(インフラ整備)とか、
日本の医療(健康保険制度の維持)とか、
日本の仕事(雇用の安定化)とか、
日本のセックス(少子化対策)とか、
日本の言葉(英語化への歯止め)とか。
これらを差し置いて
「こころ」を謳う理由いずこにありや?!
だいたい、なぜ「日本を大切にする党」ではいけないのか。
あるいは、日本のこころを大切にするとは
具体的にどのような政策に結びつくのか。
ここらへんが明確にされないかぎり
観念的な抽象論で逃げを打っている
と思われても仕方ないでしょう。
というわけで、あらためて。
日本のこころと言う前に、
その「こころ」というものを、まず見せて下さい。
自分の目で見ないと、存在するのかどうか信用できない!
ではでは♬(^_^)♬
6 comments
マゼラン星人二代目 says:
12月 23, 2015
>観念的な抽象論で逃げを打っている。
というか、「ばかには見えない議席」を求めて「こころ」の世界に遊ぶことにしたのではないでしょうか。
マゼラン星人二代目 says:
12月 23, 2015
もう一首浮ぶ。
>あるいは、日本のこころを大切にするとは
>具体的にどのような政策に結びつくのか。
「日本のこころを大切にする」ことが結びつくのは、ほかでもない、
「事大主義」
これです。(政策といえるかどうかはわかりませんが)
自民族優越の(認識)根拠を、外国(特に欧米)人による賞賛に求めずにはいられない、といういつぞや話題になっていたメンタリティ。
わかりやすい事例のひとつとして、
「メルケルさんに褒めてもらったんだぞ、凄いだろ」
というのがある。
(かくいう自分も、つい「ガンダム 海外」などと検索してしまたりするので余り他人ごとのようには言えない)
学天測 says:
12月 23, 2015
倫理の授業を思い出しますね。孔子が礼を説いた時代は古代中国は戦乱の時代で乱れておりましたと記憶しております。こう言う事を言う時代はロクな時代じゃないと言う事ですね。
老子はこういうのを批判したとか、なんとか(笑)
倭の国と蔑まれた属国から、独立を成し遂げた聖徳太子までの古代人に本気で学ぶべき時かもしれません。
特に太子が十七条憲法で何を残されたのか?そこから酷く、かい離しているかもしれない、自称保守派は。
フルート says:
12月 23, 2015
私は、「美しい国」に対してアメリカ化をそれも性急に行う安倍総理の姿を
(実際に政策として実行している形としての姿を)見たり、
そんな安倍総理の姿を見ても安倍総理支持を
変えられずにいる支持者の方の姿を見たら、
「日本のこころを大切にする」事が、
日本人のアイデンティティを大切にする事と
必ずしも同じとは言い切れないし、
信用しきれない感じをどうしても手離す事ができません。。
(政策という形になる前の段階のこころに衝き動かされて票を投じる事は、
政策をよく見ないまま票を投じてしまう事でもあるし、
今の相手の姿や自分の姿が、自分からも相手からもよく見えていない・
直視できていない状態な可能性だってある筈で、
形を見ないでこころだけから何かの判定をするのは
危険な事でもあると思います。
私的な見解で間違っている可能性も大なのですが、、
形→こころ→形・・という影響のループ?みたいなものが無視されて
どちらか一方だけから自分や相手を評価する事は
やっぱり危険な事に感じます。)
たかゆき says:
12月 23, 2015
明日の心だ♪
https://www.youtube.com/watch?v=7DVAn5rpRIs
これが 本日 もとい 日本の心だ
ゆるゆるパンツなのだ
それで いいのだ♪
akkatomo says:
12月 24, 2015
政党名からして精神論に傾いているようでは所謂保守派の滅亡は避けられんでしょうな