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ゴールデンウィーク明けも好調です。
みなさんご存じの通り、
この世は宇宙のジョークに満ちています。
政治関連の領域では、とくにその傾向が強い。
なぜ、そうなるか。
政治なんてものに深入りすると
えてしてクソ真面目になってしまうんですな。
何でもかんでも、やたらと真剣深刻に考えるようになる。
しかるにそういう者ほど
「真剣深刻に物事を考える自分の主体性」については
絶対視して疑おうとしない。
よって自分でも気づかないうちに
壮大な勘違いをやらかすハメになる。
けれども
「主観的には大真面目なまま、壮大な勘違いをやらかす」ことこそ
優れた喜劇の王道。
よって宇宙のジョークまっしぐらとなるのであります。
し・か・し。
ここまでの宇宙のジョークは、ちと珍しいかも知れない!
フォーブス(英語版)が3日に配信した記事です。
The Senate Resolution To Condemn MMT:
Here Are Some Better Candidates For Condemnation
(上院のMMT非難決議案
〜どうせなら、これらの学説を先に非難しろ)
ハイ、そうです。
アメリカ上院には目下、
現代貨幣理論ことMMTへの非難決議案が出ているのです。
マジだぜ、おい。
「どんな英知にも限界があるが、愚かさときた日には底なしだ」(※)小デュマの言葉です。
決議案を提出したのは
デヴィッド・パデュー(ジョージア州選出、共和党)
マイク・ブラウン(インディアナ州選出、共和党)
ジョニ・エルンスト(アイオワ州選出、共和党)
ジェリー・モラン(カンザス州選出、共和党)
トム・ティリス(ノースカロライナ州選出、共和党)
の5名の議員。
まだ自分の目が信じられないという人のために
決議案文書の画像を出しておきます。
パデュー議員のサイトで公表されたもの。
サイトのトップページはこちら(アメリカの政府債務総額がカウントされるバーあり!!)
なにせ、記事を書いたジョン・T・ハーベイさんも
「タイプしていて、まだ信じられない」と述懐しているくらいですからね。
議会が経済学説を(学説ですぞ、学説)を非難するという発想からして
素晴らしくシュールですが
決議案の文面はさらにクール。
現代貨幣理論を非難し、
同理論に基づく政策の実践が
政府負債の増加、
およびインフレの進行をもたらすと認識することは
上院の義務であると考える。
といって始まり、
政治的立場によらず、
多くの著名な経済学者が
MMTの実践はアメリカ経済に
明らかな危険をもたらすと述べている。
と続く。
で、
ローレンス・サマーズ
ジェローム・パウエル
ジャネット・イエレン
スコット・サムナーとパトリック・ホラン
スタン・ヴューガー
ジョージ・セルギン
によるMMT批判の主張が紹介される。
(※)ちなみに全員、新古典派。
で、こう締めくくられるのですよ。
よって上院は、以下を決議すべきである。
1)財政赤字を抱え続けることはできない。
それは無責任であり、危険であることをわれわれは自覚する。
2)われわれは以下の二点についても確認する。
(A)MMTの実践は、財政赤字の増加とインフレの促進をもたらす。
(B)MMTを非難することは、上院の義務である。
自身のブログで「日刊MMT」を展開、
緊縮財政論者は絶対にMMTを受け入れないだろう
と論じる三橋貴明さんでも
これは想像していなかったのではないでしょうか。
ジョン・T・ハーベイさんも呆れ返って、こう主張。
まあ、ポスト・ケインズ派の経済学説の存在が
上院で認識されたというだけで
喜ぶべきなのかも知れない。
だがMMTが過激、ないし危険な学説であり
上院の公式な非難決議に値するという発想は
要するに異常である。
どうせ非難するなら
これらの学説も非難したらどうだ?
ハーベイさんのいう「これらの学説」は次の通り。
1)ミルトン・フリードマンのマネタリズム。
1970年代末〜1980年代のアメリカでは
この学説に基づいた高金利政策が(インフレ抑制のため)取られたせいで
失業率が大恐慌以来の数字(10%超)に達した。
2)トリクルダウン経済学。
富裕層が潤えば貧困層もいずれ潤うという話だったが
富裕層が潤っても富裕層しか潤わないという顛末になった。
3)新古典派のマクロ経済理論。
経済は放っておいても完全雇用状態で均衡するという
間違った前提のもとで議論しているため。
4)リアルビジネスサイクル理論。
新古典派の理論の一つだが
非自発的失業は一切存在しない
とか
経済に対する財政的、金融的介入は常に無益である
といった「壮大な仮定」(ウィキペディアより)に基づいて
議論しているため。
で、ハーベイさんの結論こちら。
上記の学説はアメリカ経済にたいし、
すでに重大かつ深刻なダメージを与えた。
非難するなら、こちらから始めたらどうだ?
MMTのような理論は
現実の経済のあり方を踏まえたモデルによって
一般的なアメリカ人の経世済民をめざしているのだぞ。
そちらを非難するとはどういうことなのだ?
とはいえ、
政治的な非難決議の対象にしなければならないとまで
思い詰める議員が出てくるということは
いかにMMTが強烈なインパクトを持っているかの
何よりの証拠かも知れませんよ・・・
5月17日のトークライブもお忘れなく!
満席になりそうな勢いです!!
宇宙のジョークを見抜くには、この4冊も!
ではでは♬(^_^)♬
7 comments
拓三 says:
5月 7, 2019
MMT理論って女性的発想だと思っていたらスケルトン氏って女性なんですね。
未来を作る事(想像)の出来る人間と出来ない人間の思考回路の違いかな。
作る事の出来ない人間ほどインフレを恐れるんよね。己が無いから。
MMTもケインズの「穴を掘って埋める」論も己を持ってる事が前提なんよ。己の無い人間は一生理解出来らんやろな。(ちなみに私のチンチン論も一緒w)
己が「在る」とは信頼(カネ)を作る事の出来る人間です。そして信頼を作る前提は己が在る事。己の無い人間を信頼する事は出来ません。だから己が無い人間ほど信頼に飢え、信頼を欲しがる。つまりカネを集めたがる訳。媚びを売るのも同じ。
で、日本見たら解るでしょ。問題点が。
SATOKENJI says:
5月 7, 2019
>スケルトン氏って女性なんですね。
正しくは「ス」のないケルトン氏です。
ファーストネームが「ステファニー」なので、「ス・ケルトン氏」とは呼べますが。
拓三 says:
5月 7, 2019
ガハハハハ…..ほんまや ! 「ス」ケルトンになってるwww
訂正と心遣い、ありがとう御座います。
豆腐メンタル says:
5月 7, 2019
はあ。。アメリカ様ですらこの体たらくですか。。
単なる異見なら許されるものを正義を振りかざす格好になっているのが目も当てられないですね。
私としてはMMTについては「信用創造」「投資(アニマルスピリット)」「財政と金融の機能的役割」の重要性を要点とするのかな、といった理解です。
藤井先生も言っておられた通り、MMTは各国で批判されているものの誤解に基づく批判ばかりで批判になっていない。
MMTはケインズの系譜かと思われますのでケインズ批判から始めてくださいねと言いたいです。
この共和党の先生方が心配されるのは要は「正義か否か」ということかと。
(破壊と格差拡大しかもたらさなかった新古典派の邪説は正義だったのか?!と問い詰めたいところですが)
インフレで国民が苦しむのが”視える”のでしょうね。
小さい政府主義者にも困ったものだ。
もう間違いなく論点ズレてます。
しかし。。「それはバベルの塔だ。神への挑戦だ」と叫ぶ人に論理は通じるのでしょうか。
殴りつけるぐらいしか思いつかない笑
アメリカ様の信仰的反MMTという物分りの悪い主張が、お墨付きとなり日本の増税派の餓鬼どもに利用されるであろう点が心配です。
ヤン・ウェンリー命 says:
5月 8, 2019
三橋さんのブログで見て、びっくりして見にきたらマジでしたでござる( ゚Д゚)!!!
最近、佐藤健志先生が「宇宙のジョーク」といっている意味が、ようやく分かってきました。
世の中、かくも不思議なものなのですね。本当、不思議すぎて( ゚Д゚)!!! になります(笑)
麦茶 says:
5月 8, 2019
もはや思想や言論弾圧に近いものを感じますね。
非難決議ではMMTをoverestimateという単語で過剰に見積もっているなどと表現している部分が見られますが、MMTを拡大解釈しているのは非難側の人間でしょう。MMTの提唱者は事実に基づいた学説をだしただけなのにこれではまるで地動説のごとく魔女狩り。非難決議の中身は共通して2点しか述べてませんね。財政赤字の拡大とインフレの進展という問題。知識のある人からすればいやそれが何の問題なん?むしろそれ解決策じゃんて話ですが。
ただこのMMTという新パラダイムの拡大は思ったより難しいかもしれません。というのもMMTの自国通貨建ての国債発行による債務は問題ないという理論を理解するには一定の知的水準が必要だからです。一般の人々にとって借金はよくないという言葉のほうが直感的、感情的に訴えかけられて浸透しやすいでしょう。一見して突飛に見える理論が真実であるというのは物理学でいえば量子論があるわけですね。しかし量子論がなぜ真実であるかは2重スリット実験による証明があるわけですがその理屈まで分かっている人はそれほど多くないでしょう。にもかかわらず量子論が正しいという認識が世間であるのは学者間での意見の合意という権威の裏づけがあるからだとおもいます。
この点から言うとMMTを主流派経済学者がボロクソに叩くというのは効果的かもしれません。まだ知識のない人にとってはMMTの理論と主流経済学者の主張を比較検討する必要があるからです。MMTは理解が必要なのに対して借金はよくない!は感情に訴えかけ、家計を連想すれば共感してしまうのならどちらを受け入れやすいかは明白でしょう。MMTには権威の裏づけが必要です。国民がそこまで知的ではないのは平成の時代を見れば分かるとおりです。
汎損・フォード says:
5月 8, 2019
>MMTを非難することは、上院の義務である
そもそも債務上限を上げてきた(からこそデフレにならない)のは米国なんじゃないんでしょうか。そっくりそのままお返ししたいものです。
“債務上限を上げてきたことは、上院の義務である”
と、バナナの自由貿易たたき売り競定に関係無い不動産屋のトランプ大統領も200%口にしたい筈です。
(田藁屋総元帥に朝まで生鞭打垂れるワシなんかは200%口には出来やしませントン。
どうでもいいことですけれど議員の中にはトム(は略称で本名はトーマス?)さんとジェリーさんが居るんですね。♪アベコベだっ猫叩きっ!仲っ良っくっケンカしなっ!ってもんです。)