経営科学出版からのオンライン講座
『痛快! 戦後ニッポンの正体』
おかげさまで大好評です。
そして『右翼左翼のカラクリ』につづく第二巻
『貧国弱兵のカラクリ』が
特別価格で予約受付開始となりました!
富国強兵、
ないし富国と強兵という
国を発展させる正しい路線を
わが国は敗戦このかた、
一度として歩んでこなかった。
貧国無兵を美化するところから始まり、
それが富国弱兵にピボット(転換)されたあとも
どんな転換が行われたかという点すら
ろくに自覚できない始末。
このため平成以後、
例によってそうと自覚しないまま
貧国弱兵へのピボット(転換)という
しょうもないことをやらかしてしまった。
ピボットというやつ、
「令和の政策ピボット」のごとく
自覚的・主体的に試みられる場合もありますが
つねにそうとは限らない。
無自覚なまま、なりゆきでなされるピボットというのも
厳然として存在するのであります。
よって、
令和のピボットを成功させたければ
戦後の「無自覚なりゆきピボット」が
いかなるメカニズムで生じてきたか、
きっちり押さえておくことが不可欠。
というわけで、ぜひご覧下さい!
講座の構成は以下の通り。
【第一章】崩壊した富国強兵〜敗戦は「国家への信頼」を奪った
講義1:「日本再生への障壁」なぜ、緊縮財政+グローバリズムの亡国路線にこだわるのか?
講義2:「富国強兵と経世済民」国を安定させ、みんなを豊かにする王道
講義3:「魚雷誘導からWi-fiへ」正露丸も日露戦争をきっかけに生まれた
講義4:「天皇陛下がお前の面倒を見る」徴兵制という有給の専門教育システム
講義5:「軍隊と茶碗12杯の銀シャリ」兵役は本当に辛いだけだったのか?
講義6:「教育勅語という社会契約」左翼の批判も、保守の擁護もナンセンス
講義7:「勝ち目なしなら降伏しろ!」戦争の悲劇は最後の1年に集中している
講義8:「やらずぶったくりの日本政府」玉音放送のシビアな現実認識
【第二章】戦後の原点は「貧国無兵」だ〜寛大な占領と恐るべき錯覚
講義9:「日本人に支持されねばならぬ」マッカーサーの壮大な野心
講義10:「勝手になされた寛大な占領」元帥に日本を丸投げしたワシントン
講義11:「“へそ“は朕の上にあり」日本人、マッカーサーの赤子(せきし)になる
講義12:「甘い占領とアメリカ万歳」GHQによる洗脳は必要だったか?
講義13:「理想化される貧国無兵」政府を見限った国民は平和主義を信奉した
講義14:「日本政府など信用するな!」憲法前文と財政法第4条の真意
講義15:「財政法第5条のトンデモ結論」均衡財政期こそ破綻のリスクが高かった!
講義16:「平和のために貧困に耐えろ」大蔵官僚・平井平治の告白
【第3章】富国弱兵路線の成功〜幸運にも得られた「ごまかしの繁栄」
講義17:「アメリカこそ面倒を見てくれる」完全無力化路線はなぜ歓迎されたか
講義18:「日本を反共の防波堤にせよ」ワシントン、復興推進へと転換する
講義19:「応急手当からリハビリへ」結果的に正しくなった日本人の思い込み
講義20:「占領政策が厳しくなった!」方針転換が正反対に受け止められた理由
講義21:「超緊縮でも景気は活性化する」朝鮮特需がもたらした幸運すぎるシナリオ
講義22:「おいしい対米従属」アメリカを〈後見人〉にした富国弱兵路線
講義23:「55年体制の2つのズル」平和主義も財政均衡路線も、否定しつつ肯定された
講義24:「〈ズルの三位一体〉とは何か」国を挙げて無自覚を決め込んだ構造
講義25:「兵器から余剰農産物まで」独立回復直後に始まる対米従属の経路化
講義26:「もはや戦後ではない」若者が暴れるのは復興が進んだ証拠
講義27:「安保改定を骨抜きにしたもの」保守と左翼、平和主義のもとで馴れ合う!
講義28:「私は落日を見たと思った」対米自立という幻の太陽
【第4章】改革路線と貧国化の道~没落を避けようとして没落した日本人
講義29:「アメリカ化の推進は義務である」安保条約が真に取り決めたもの
講義30:「富国弱兵のトリレンマ」1964年五輪と均衡財政の曲がり角
講義31:「安保は終了できる、だが・・・」石油危機で破綻した55年体制の戦略
講義32:「いつわりの路線転換」甘えから脱却して対米従属を強化せよ!
講義33:「日米同盟と市場原理」改革路線は〈やらずぶったくり〉の正当化である
講義34:「『日本の自殺』が論じたこと」歴史的視野を欠いた福祉国家批判
講義35:「経路化される改革路線」1980年代の繁栄が引き起こした錯覚
講義36:「平成の没落は必然だ」ふたたび失われた対米自立のチャンス
講義37:「貧国弱兵をめぐる佐藤健志の法則」弱く貧しく自立せず、それが日本の生きる道?
講義38:「日本再生の条件とは」戦後の繁栄は〈手違いとごまかし〉の産物だった
「みごとに充実しているわね♥」(※)お姉さまのお言葉です。
『右翼左翼のカラクリ』とあわせてご覧になると
さらに理解が深まりますよ。
他方、21日はチャンネル桜で
「FRONT JAPAN 桜」をやってきました。
共演はおなじみ佐波優子さん。
題して、
世界の真ん中で惨敗した日本外交/尖閣諸島、中国公船航行に常に危機感を!
安倍総理のイラン訪問については
大失敗ぶりがあまりに明らかなので
コメント欄を見ても
ほとんどの方が呆れかえっている模様。
認知的不協和、
ないしナントカ丸出し覚悟で
なりふりかまわぬアクロバット反論を試みる向きも
皆無ではありませんが
たいてい、返信コメントによってサカナにされています。
しかし、
浜の真砂は尽きるとも、世に思考停止の者は尽きまじ。
認知的不協和大賞を差し上げるにふさわしいコメントが
しっかり寄せられていました。
どうぞ!
SakuraSoTVのゲストスピーカーで3名
(青山、藤井、この佐藤さん達)は悪が強く、
不愉快にさせる話し方が嫌いです。
「青山」とは青山繁晴さんを指すものと思いますが
じつは私、青山さんとはお会いしたことがなく
主張についても詳しくありません。
よって青山さんへの評価については
判断を差し控えておくことを
あらかじめ、お断りしておきます。
しかしこの点を別にすれば・・・
わはは、よくここまでナントカ丸出しになれるものだ!
まずは「悪が強く、不愉快にさせる話し方」
という箇所にご注目。
どうやらこの人、
「アクが強い」のアクは
「悪」ではなく「灰汁」と書くことを知らないようなのです。
(※)記事の内容と直接の関係はありません。
まあチャンネル桜の視聴者には
「木を見て山を見ない」などという諺があると
信じ込んでいる者もいましたから、
「灰汁」と「悪」の区別がつかない者がいても
驚くには当たらない。
だとしても、
識字能力すらおぼつかない状態で
保守を名乗れると思っていたら
それは輝ける認知的不協和、
ないしナントカ丸出しというヤツであります。
逆にこの点を承知のうえで
何やら印象操作じみたことをめざして
わざわざ「悪」と表記したのであれば
それ自体が語るに落ちた話。
まあ、この手のヤカラにそこまでの知性があるとは
失礼ながら信じがたいのですがね。
「どんな英知にも限界があるが、愚かさときた日には底なしだ」(Ⓒ小デュマ)
というのも
昭和後半期の日本における最高の知性の一人と目された
かの福田恆存さんは
モスクワ芸術座の来日公演を観た際に
こう書いているのですぞ。
(キャストはみな上手だが)
一人一人に役者の魅力がない。
癖も厭味もないのだが、
強い個性がない。
ジュヴェとかオリヴィエとか、
名優と言われる者には、
誰にもそういう灰汁のようなものがあって、
嫌いなものにはそれがやりきれないものだ。
(「チェーホフの劇場見聞記」。原文旧かな)
「ジュヴェ」とは20世紀前半のフランスで活躍した
名優にして名演出家のルイ・ジュヴェ。
「オリヴィエ」はもちろん、
ローレンス・オリヴィエのことです。
灰汁が強ければ名優かどうかはともかく
名優であれば灰汁が強いのです。
そして、それが嫌いだというのは
あくまで個人の好みの問題にすぎず、
それら名優の演技力を否定するものとはなりえない。
要するにこのコメント主、
主観的な好みと客観的な評価の区別をつける能力が
みごとに皆無なのでありますよ。
まあ「灰汁」と「悪」の区別がつかないぐらいですから
そこまで要求するのはどだい無理なのですが
推測するにこの人物、
自分があまりに無個性なうえに
知性にも不自由なせいで
知的で個性も強い話を聞くと
コンプレックスを刺激されて不愉快になるのでありましょう。
ありがちなことです。
ご同情申し上げます。
そしてこのコメント主について
最も悲劇的、
いや喜劇的な点は
話し方が不愉快かどうかにばかりこだわり
私の主張が正しいかどうかについて
まるで触れようとしない点。
それはまあ、間違っているなどと言い出したら
アクロバット反論を試みた他の諸氏のごとく
返答コメントで笑われることになるので
この点についても同情の余地がなくはない。
だとしても
重要なのは現実認識が的確かどうかじゃない、
自分がコンプレックスを刺激されず
不愉快にならずにすめばそれでいい
と言わんばかりの幼児的な態度が
何に行き着くかはお分かりでしょう。
そうです、爽快な末路です!!
「助かりたければこれをお読み!」(※)お姉さまのお言葉です。
アニメから sayaさんの熱唱まで、豪華絢爛たるプロモーション動画はこちら!
現実は不愉快であろうと受け入れる。
これぞ、自覚的・主体的なピボットの第一歩なのです。
自滅的な幼稚さを脱するには、この4冊も読むべし!
ではでは♬(^_^)♬
6 comments
危惧茄子 says:
6月 22, 2019
残念ながら現政権や大阪維新支持者にありがちな傾向であるといえよう。
「戦後レジームからの脱却」
「美しい国」
「アベノミクス」
「イザナミ越え」
「力強い外交」(以上が現政権)
「大阪都構想」(大阪維新)
…etc
これらの字面だけみて、データーを一切見ない。データーを見ると失敗している面が強く出ているのにだ。
その字面の気持ちよさだけで成功していると思い込み、現政権や大阪維新を支持し、勝たせる。
そして「現実に即した改革で、伝統を守る」というような謎理論で保守を名乗る。
まさに認知的不協和。
さて、この頃の現政権を見るに日本がいかに行き詰っている国だというのがよくわかる。
経済が行き詰ると一般市民・国民にルサンチマンがたまるわけだが、それが政権に向かわないように外(隣国など近い場所)に「敵」を作り、その「敵」を攻撃し、ルサンチマンのはけ口として使う。
このような例は歴史を見返せばいくらでも例が出てくるわけだが、現政権支持者は明らかにそれに引っかかっている。
現政権も確実にその「敵」に強い言葉や耳障りの良い「美しい国を取り戻す」「戦後レジームからの脱却」などの言葉を使うことで支えられているに過ぎない。
そして裏でやっていることは日本国内の経済を弱体化させ、日本という枠組みや国土、日本人を守るための組織も弱体化させ、国内に残るべき金を外国に直接的・間接的に配布する。
もちろん、隣国には日本の正当性を公式に、断固とした言葉と態度を出すべきだとは思っているが、しかしそれの裏でまったく逆のことをやっていて、隣国へ発言のスキを与えるようなことをやっているのは笑うしかない。
あえて隣国へ発言のスキを与えるようなことを裏でやって、断固とした言葉と態度を出すことで現政権を維持するという高度な戦略をとっているなら相当高度な戦略だが果たして…。
まさにルサンチマンのはけ口政権、認知的不協和政権と言ってもいいのではないか。
…だが、ルサンチマンはある意味では「国民の目線」ではあるのだから、「国民の目線を大事」にしている政権ともいえるのか。
ああ、ヤレヤレである。
危惧茄子 says:
6月 22, 2019
なお、イザナミ越えは誤植でイザナギ越えでした。
謹んで訂正させていただきます。
Chihiro says:
6月 22, 2019
2017年でしたか故西部邁先生が日本人に向かって“ジャップ”と言ったという記事が
保守系?のまとめサイトに拡散された事があったんです。
(ダイアモンドオンラインに2017年10月3日に掲載された“安倍首相は「真の保守」では
ない!西部邁氏が迷走政治を一刀両断”という記事の一部を抜粋したスレッドでした)
その記事のコメント欄がまあ凄いこと凄いこと笑
「ジャップなんて言葉を使うのは許せん!何だこのパヨクジ●イは!」とか
「我らが安倍総理を批判するとは真の保守とは言えない!」とか
当時の私は認知的不協和大賞なる言葉を知りませんでしたがあのコメント欄は
“認知的不協和大賞”の宝庫でした笑
西部先生はこう記事の中で言ったのですよ
「残念ながら、日本は保守という言葉の意味をきちんと理解しようとしない人ばかりのよ うに思える。私はそうした人々に憤りを込めて、あえて「ジャップ」と呼んでいま
す。」
フツーの読解力があれば保守という言葉の意味さえ理解すればジャップではないと言っていると理解出来るのですが真の保守を自称する方々は何故か自分が「ジャップ」と言われたかのようにお怒りに笑(俺は保守を名乗ってますが言葉の意味は解りませんという自白だったのかな笑)
さらに大昔、丸山真男が日本人を「本来のインテリ」と「疑似インテリ」と別ける論を
展開していましたが当時の岩波文化の享受者達が現在の自称保守の方と同レベルの読解力
ならこう憤慨した事でしょう!
「俺達が「疑似インテリ」だと!丸山真男は極右の戦争主義者だ!」笑
P.S.
今日の“認知的不協和大賞”の方をアクロバット擁護するのなら
こう言いたかったのでは無いでしょうか?
(藤井さんと佐藤さんは“意地悪で”、不愉快にさせる話し方が嫌いです。)
藤井先生も佐藤先生も自信を持って「俺は意地悪ではない!」と断言は出来ませんよね?
SATOKENJI says:
6月 22, 2019
いえいえ。
藤井さんはどうか知りませんが、私は決して意地悪ではありません。
自信をもって断言します。
意地悪なのは真実です。
真実は、人間ごときに気を遣ったりしないのです。
だからこそ、それを不愉快に思う人は爽快な末路をたどるのですよ。
安治 says:
6月 23, 2019
藤井氏はかなり人の良い人だと私は印象を受けますけどね
ただ内閣官房参与の経験から政治家の腐敗を目の当たりにした絶望で言葉がきつくなっているだけだと思います
その気持ちはなんとなく分かります
ただ好きか嫌いかと言えば正直好きではありませんし、佐藤さんが指摘されていた新左翼的な考え方は個人的に賛同できません
我が国をよくしたいという思いは共通していますから印象論で悪く言うのは論外だと思います
佐藤さんはチャンネル桜の討論での現状分析で反発されても冷静に対処していた様子から意地悪な人だとは思いませんでしたし、証拠を元に客観的な分析で論理を組み立てて、なるべく主観が入らないように努力している印象を強く受けます
いろいろ引き出しがあるから自信を持っている印象を受けます
結局好き嫌いだけで語る人は都合の悪い事実から逃げているだけなんだと思いますね
保守側でも左翼だからと言って、そっちの意見を前面否定する傾向があり、確かにそれが正しい場合もありますが、佐藤さんは左翼側の意見にも耳を傾けようとしていて、その姿勢は立派だと思います
結局左翼に勝つには左翼になった経路を理解する必要がある 敵を知る必要がある 否定するだけでは永遠に歩み寄ることはできない
我が国には白か黒かで二極化する文化はなかったはずが、いつのまにか保守左翼みたいな二極化する西洋的な価値観が、保守 左翼問わず結果的に我が国を亡国にする原因になってしまっているのではないでしょうか
それが幕末の動乱ではなかったでしょうか
結局二極化は争いの種をまくだけで、世界にはそれを望む勢力がいるわけで、元は戦争ビジネスといった金儲けのために思想を利用しているだけであり、明治以降150年間我が国は間違った思想に騙されているから、いつまでたっても良くならないし、歴史の連続性から外れたまま現在に至っていると思います
私も佐藤さんの意見に賛同できない部分はありますが、まずは耳を傾けること 一人の知恵は大したことはない 自分の主観を常に疑う姿勢を持つことが我が国の和の精神に繋がっていくのではないかと私は思います
木村裕美 says:
6月 28, 2019
こんばんは佐藤先生!お久しぶりです。
私も前から疑問に思っていたのですが、世界最古の歴史を誇る日本で千年はおろか百年前の本も読めない人たちが先人たちの心や思想をどうやってたどったり血肉にできるんでしょうね(それは保守になるための前提条件ですよね)……
ちなみに私はかつての正論や、古書店で見つけた戦前の本(ベーオウルフや孫子です)などで旧字体・旧かな遣いの文章に触れる機会が結構あったので、20歳で高校に入る前に独学で旧字体の本を読めるようになったのですが、今の「保守派」の若い人たちはそういうものに触れる機会すら無くて教えてもらえないのでしょうか?
たとえば、こういうものとか。
ttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1884014/9
これは1903-1908年博文館刊、帝国文庫の第31-33篇の「珍本全集」。雨月物語で刊行年が古い順に検索したら見つけたので頭から読んでいたのをたまたま引用しましたけど、結構面白いです(ただ、読点の代わりと思しき句点が読むのにリズムを削いで邪魔なのですが……)。
とりあえず、国立国会図書館なら著作権切れの本とか古文書は原文がオンラインでただで読めるから、お金なくて大学いけなくてもPCかスマホさえあれば当時の空気感を伴った文章に色々触れられるし、勉強するには今の日本は非常に恵まれた環境なんですよね。
でも、今は若い人が先輩に勉強することを教えてもらえないんだろうか。
そういう文化の断絶は、どうにかしようと考えなくてはいけないものだと思いますね……
ともかく、次回の講座も楽しみにしております。
あ、あとあんまり関係ない話ですが私は灰汁をあまり取らないみそ汁やカレーやシチューが好きです(=゚ω゚)ノ取りすぎるとなんかおいしくないんです…)