20世紀のアメリカを代表するバレエダンサーに
ジョージ・バランシンという人がいます。
ニューヨーク・シティ・バレエ団を創立した人。
現在、クリスマスになると
たいがいのバレエ団はチャイコフスキーの
「くるみ割り人形」をやりますが、
この慣習を(アメリカで)定着させたのはバランシンさんだそうです。
で、そのバランシンさんいわく。
踊りたいヤツなんか要らない。
踊らずにいられないヤツがほしいんだ。
というわけで
「DANCING WRITER」の定番、
Sayaさんネタの話
と行きましょう。
書きたいのか、
書かずにいられないのか、
それが問題だ・・・ってね(笑)。
さて、先週このサイトに寄せてくれたコメントで
Sayaさんはこう書いていました。
複数の『自分』を生きることができるなら、
自分探し、、なんてなくなるのでしょうね^ – ^
これはなかなかに意味深長な言葉です。
われわれは「自分」というものが
唯一絶対の形で特定しうる
確固たるものだと考えがち。
だからこそ
「自分探し」とか
「自分らしく」といった言葉が流行るわけです。
しかし、本当にそうでしょうか?
ハムレットに関する
福田恆存さんの言葉をご紹介しましょう。
ハムレットは向こう見ずなところもあるし、
軽薄なところもある。
かと思えば、
沈鬱(ちんうつ)でもあり、
慎重でもあり、
懐疑家めいたところもある。
ひどく酷薄であるかと思うと、
また大層やさしく、
人なつこい。
そういう点では矛盾していますが、
人間の性格は
懐疑家型とか行動家型とか、
簡単に割り切れるものでしょうか。
あの人は善人だとか、
人情家だとか、
そんなふうに割り切れるものでしょうか。
福田さんの言葉は
「国家のツジツマ」第四部でも出てきますよ。
この視点に立つとき
Sayaさんの言葉はどういう意味を持つか。
つづきはまた明日。
ではでは♬(^_^)♬