犬が人を嚙んでもニュースにはならないが、
人が犬を嚙んだらニュースになる
という有名な言葉があります。
要するに
ニュースバリューは出来事の意外性に比例する
ということですね。
政府が消費税を上げてもニュースにならないが
積極財政をやったらニュースになる
とか
北朝鮮が韓国を罵倒してもニュースにならないが
韓国を称賛したらニュースになる
など、
応用はいろいろできそうです。
ついでに今の日本で
ニュースバリューを最も欠いているのが
文書管理をめぐる官僚のいい加減さと
与党のスキャンダルしか追求できない野党の無能さ
であることも
深く納得がゆくでしょう。
意外性ゼロなんだもん。
裏を返せば、
ニュースバリューがないからといって、
放置しておいても構わないとは限らないのですが・・・
なんと!
アメリカでこんな事件が起きました。
どうぞ。
「飼い犬に撃たれた」 男性が負傷 米アイオワ州
(AFP、5月12日配信)
5月11日、
同州フォートドッジに住むリチャード・レミさんが
ソファーの上で飼い犬の「バリュー」と遊んでいたところ、
バリューがレミさんのベルトについていた拳銃の安全装置を外し、
さらに引き金まで引いたというのです!
ホットドッグしているわけじゃないぜ!!
レミさんいわく。
ソファーに横になって犬とふざけて遊んでいた。
膝の上に乗ってきた犬を振り落とすと、また飛び乗ってきていた。
飛び乗ってきた時に安全装置が外れ、
また飛び乗った時に犬の足先が
トリガーガード(引き金の周囲に付いている半円形のもの)の中に入ったんだと思う。
安全装置は引き金にだけでなく、
親指で操作するタイプのものも付いていたが、犬は両方とも外してしまった。
私は弾が脚に当たって負傷したがたいした被害は何もなかった。
レミさんは救急車を呼んで入院、治療を受けたとか。
その際にも「飼い犬に撃たれた」と語ったそうです。
地元の警察署長いわく。
床に落とした銃が暴発したとか、
ふざけていたら撃ってしまったという話は聞いたことがあるが、
犬が発砲したという話は聞いたことがないと思う。
警察は捜査したものの、
レミさんの話を事実とも虚偽とも証明できないとして
刑事責任(レミさんの責任か、犬の責任かは不明)を問うことは考えていないと発表。
銃規制を求める母親の会
MOMS DEMAND ACTION FOR GUN SENSE IN AMERICA
の創始者、シャノン・ワッツさんいわく。
犬に撃たれるなんて米国以外ではあり得ない。
そりゃ、そうだろうなあ。
♬やはりアメリカも宇宙のジョーク、あっソレ♬
なおレミさんによれば、
犬のバリュー君はとても弱虫なのだそうで、
発砲後はおびえて、床に伏せて鳴いていたとか。
いわく。
あいつは、何か叱られるような悪いことをしたと思ったんだ。
そりゃまあ、故意でなくても人を撃ったわけだから・・・
ついでに飼い主ですぞ。
とはいえこの話で、私が注目したいのはこれ。
レミさんは実弾を装填した拳銃を身につけたまま、
ソファーでバリュー君と遊んでいたのです。
自宅でペットと遊ぶときぐらい
ピストルを外すという発想はないのか?!
それがないのがアメリカなんですよね。
はたせるかな5月18日には
テキサス州サンタフェの高校で乱射事件が発生、
生徒ら10人が死亡、
10人が負傷しました。
どうぞ。
現場は生徒数約1400人のサンタフェ高校。
CNNテレビによると、
銃撃は午前7時半(同午後9時半)の授業開始後に発生し、
生徒9人、教師1人が死亡した。
捜査当局は容疑者の生徒のほかにもう1人を拘束し、
重要参考人として調べている。
現場周辺や容疑者の自宅からはパイプ爆弾など複数の爆発物も発見された。
(カッコ内は日本時間)
アメリカの学校で発砲事件が起きたのは
今年に入ってこれが22件目。
2月14日にフロリダ州で起きた乱射事件の衝撃が
まだ冷めていないうちにこれです。
同国の俳優デイヴ・ベッシオさんは以下のようにツイート。
How many more kids have to be shot dead until enough is enough?
みんなが「こんなのは絶対におかしい」と言い出すまで
あと何人の少年少女が死ななければならないんだ?
しかるに興味深いのは
犯人として逮捕されたディミトリウス・パグルチスが
BORN TO KILL(生まれついての殺し屋)と書かれたTシャツの画像を
フェイスブックに投稿するかたわらで、
平和のシンボルマークが描かれた帽子の画像も投稿していたこと。
スタンリー・キューブリック監督のベトナム戦争映画
『フルメタル・ジャケット』では
主人公の海兵隊員ジョーカーが
自分のヘルメットに BORN TO KILL と書きつけながら
その脇に平和のシンボルマークをあしらっていたのです。
さらにパグルチス、
自分のトレンチコートにさまざまなバッジをつけていたのですが
それらについて
ハンマーと鎌(旧ソ連国旗の紋章)=反乱
日の丸=カミカゼ戦術
ナチス鉄十字=勇気
バフォメット(悪魔)=邪悪
クトゥルー(ホラー小説の有名な怪物)=力
と書いていたとのこと。
ついでに帽子には、バイセクシュアル運動を表すハートマークまでついていたとか。
犬が人を撃つ国では
あらゆる文化が殺戮に向かう、ということでしょうか?
日本はこのような国と
価値観を共有し100%共にある(ことになっている)のは
あらためて思い起こされるべきでしょう。
(↓)こういう時代に正気を保つため、読むべき3冊はこちら!
6 comments
拓三 says:
5月 21, 2018
「リビア方式だ~」と言っているホシュを見ていると奴隷に成り下がった哀れで愚かな脳ミソの無い動物に思えます。
73年前に同じ方式を採用された国を忘れてないかい ?
その国の元首は隣国の戦争と冷戦が無ければカダフィの様な末路になっていた可能性もあるのですよ。米国の力によって。
ジョンウンがどうなろうと知った事ではないが安倍を始めホシュと言われている人間がリビア方式を声高に掲げている姿を見ると戦後肯定であり尚且つ天皇排除を堂々と唄っている様にしか見えません。
「ならどうするんだ !」と声が聴こえてきそうですが、保守の態度をわきまえるなら、まず声高に「リビア方式を口に出すな」と言いたい今日この頃で御座います。
GUY FAWKES says:
5月 21, 2018
>「リビア方式だ~」と言っているホシュを見ていると奴隷に成り下がった哀れで愚かな脳ミソの無い動物に思えます。
>73年前に同じ方式を採用された国を忘れてないかい ?
>その国の元首は隣国の戦争と冷戦が無ければカダフィの様な末路になっていた可能性もあるのですよ。米国の力によって。
ちなみに15年前に大量破壊兵器保有のイチャモンつけてイラクに戦争吹っかけた何処ぞの大統領閣下は
戦後統治が上手くいかないことにこう嘆いたそうです。
「60年前は上手くいったんだけどなぁ…」
これを聞いて怒らない人が殆どでしょうね、もしくは「恋愛できないとは何事だ!」とでも怪気炎あげて
義憤に駆られているフリをしているだけの御仁か…
なお、カダフィ大佐は『砂漠の狂犬』と揶揄されましたが石油の恩恵を人民に平等分配し、
極端な宗教的影響を退けて世俗との融和を図りました。
しかし、石油取引をドル決済以外にしようとしたところで某国の逆鱗を買った末に殺された。
「息子達よ!何故こんなことをするのだ!?」これが彼の最期の言葉です。
私は何も陰謀論を唱えたいのでも反米指導者を英雄扱いしたいのでもない、
フェアな評価を下すのが道理だと思っているのです、誤解なき様。
豆腐メンタル says:
5月 21, 2018
>犬が人を撃つ国では
>あらゆる文化が殺戮に向かう、ということでしょうか?
病気だからといって、人が犬を隔離する国の文化はどうなるのでしょう。
アメリカ人監督の映画の中の話です。犬ヶ島。
ウェスアンダーソン大好きなんですよ。
あの毒のある紙芝居のような画面作り。癖になります。
『ライフアクアティック』なんてサイコーですよ。
人が正気を取り戻すためにある映画だと思うんです。
佐藤先生の本も同じくそんな効用があるはずです。
マゼラン星人二代目 says:
5月 22, 2018
>応用はいろいろできそうです
「万引き家族」のような家族があってもニュースにならないが、
「万引き家族」のカンヌ受賞はニュースになる。
(是枝監督の受賞は成るべくして成ったということを否定したいのではありません)
ホワホ says:
5月 23, 2018
私は昔、近所の犬を噛んで飼い主に殴られましたけど
ニュースどころか学校の話題にもなりませんでした
名言も案外大した事が無い。
玉田泰 says:
6月 11, 2018
「あらゆる文化が殺戮に向かう」
僕には文化・文明が、自身を保てるかどうかの極点に来たように思えます。
そこを突き抜けられるかが問われているのではないでしょうか。
堪え性の無い人が多いですね。