15日、

「FRONT JAPAN 桜」をやってきました。

共演は三橋貴明さん。

この番組では初顔合わせですね。

 

テーマは

反グローバリズムのトリニティ/自衛隊は少女に国防を担わせる気か!

ご覧になりたい方はこちら。

 

このブログでも取り上げた

萌えキャラ隊員募集ポスターの話題ですが

ある種の人々にとってはツラいテーマだったのか

なかなか楽しい認知的不協和コメントが散見されます。

 

そんなのは矮小な批判だ

とかいうのは

痛いところを突かれた者の典型的な言い訳。

オリジナリティ皆無ですから笑うまでもないとして、

面白かったのは

萌えキャラの隊員募集ポスターに文句をつけるのは女性自衛官差別

というコメント。

 

どうも自衛隊は

女性隊員の数を増やそうとして

露出度の高い美少女系萌えキャラを

ポスターに使っているようなのです。

 

で、若い女の子たちは

それら萌えキャラを眺めて

「私も自衛隊に入ろう!」という気になるらしい。

 

自衛隊をAKB48か何かと混同しているんじゃないですかね?

 

発想の奇抜さにウケてしまったジョアン・チェンさん(要出典)。

 

今度、この人のコメントも聞いてみようかな。

 

ついでに。

ネットで検索したかぎりでは

萌えキャラ系隊員募集ポスターは

美少年より美少女を使ったものがダントツに多い。

 

となると自衛隊は

今や女性隊員を主に募集したがっていることになります。

 

ならば

自衛隊は少女に国防を担わせる気か!

どころか

自衛隊は少女ばかり国防を担わせる気だ

ということになりますな。

私は自分で思っていた以上に正しかったらしい。

 

苦笑するしかなくなったアウフヘーベンマン。

 

とはいえ、輝ける認知的不協和大賞はこれだ!

 

今回の佐藤さんの意見になんか違和感があると思ったら、

フランス革命の絵画「民衆を導く自由の女神 」を思い浮かべてしまいました。

フランス革命(国内の戦争)最前線で旗振ってる恰好の的でヤベーヤツじゃないですか。

もし、フランスが野蛮な文化を持っていると定義するのならば、

今回のポスターはおかしいとも言えるかもしれないですね。

ただし、実際はアメリカにすら自由の女神像が建てられている。

実はどこの国でもやられるような手法な気がしますけどね。

 

いや、これには感服しました。

なぜか。

1)ウジェーヌ・ドラクロワの絵「民衆を導く自由の女神」が描いているのは

1789年のフランス革命ではない。

1830年のフランス7月革命である。

ちなみにフランス革命は10年続いた

(ナポレオンの興亡まで入れたら25年あまり)が、

7月革命は3日で終わった。

 

2)「民衆を導く自由の女神」は1830年に制作されたものの

出品されたのは1831年5月のサロン展。

7月革命はとうに終わっている。

革命参加を呼びかけるポスターだったわけではない。

 

3)自由の女神像はアメリカ独立100年を記念して

フランス人有志が資金を集めて寄贈したものである。

 

4)自由の女神は萌えキャラではない。

 

なんというか、

無知は力(Ⓒジョージ・オーウェル)

または

下手な違和感休むに似たり(Ⓒ佐藤健志)。

 

「どんな英知にも限界があるが、愚かさときた日には底なしだ」(Ⓒ小デュマ)。

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それはともかく。

 

ニュージーランド南部のクライストチャーチで15日、

モスク二カ所を狙った銃乱射事件が発生。

犠牲者数は当初49人とされていましたが

17日現在、50人となりました。

さらに負傷者も50人出ているとのこと。

同国史上最悪の乱射事件です。

関連記事こちら。

および、こちら。

 

警察は当初、4人を拘束したものの、

1人は無関係として15日時点で釈放。

残る3人のうち

女性1人も17日時点で釈放、

男性1人も無関係と判明したとか。

 

よって・・・

「この事件で起訴されるのは現時点で1人だけだ」

(ニュージーランド警察)

 

その人物とは

ブレントン・ハリスン・タラントという28歳の男。

元フィットネスインストラクターで、

ファシストを自称、

オズワルド・モズレー(※)に親近感をおぼえると表明したとか。

(※)20世紀イギリスの政治家。

1930年代に「英国ファシスト同盟」を率いたことで知られる。

関連記事こちら。

および、こちら。

 

犯行に先立って発表された

75ページ(1万7000語)に及ぶ声明には

外国人によって自分たちの文化や国が脅かされている

との記述があったそうです。

関連記事こちら。

および、こちら。

 

別の記事いわく。

声明文は「大いなる交代」「新しい社会に向けて」と題し、

非白人の移民が欧州などの国々で人口を増やすことを

「白人へのジェノサイド(集団殺害)」などとして危機をあおっている。

 

2017年4~5月に西欧を旅行した体験を挙げ、

「フランスで訪ねたどんな小さな街にも侵略者がいた。

非白人が多いというのは誇張だと思っていたが、

実は全く控えめな言い方だったとわかった」と強調(した)。

関連記事こちら。

 

で、

暴力的で革命的な方法が、現在の危機に対する唯一可能な解決策だ

と述べたとのことなので

白人至上主義に基づいた反移民テロなのは

間違いないと思われます。

 

ニュージーランドは現在、

国の安全保障警戒レベルが

最高レベルの次にまで引き上げられているとのこと。

 

グローバリズムに反発するあまり

過激なナショナリズムを持つにいたった者の凶行、

そうまとめたくなるのですが・・・

 

ブレントン・タラント容疑者、

なんとニュージーランド人ではないのですよ。

オーストラリア人。

 

同国南東部、ニューサウスウェールズ州の

グラフトン市で育ったそうです。

ただし2010年に父ロドニー・タラントンが亡くなってからは世界各国を旅行、

最近はクライストチャーチの360キロ南にある

デューンディン市で暮らしていたとか。

関連記事こちら。

 

クライストチャーチには

タラント容疑者の義理の兄(または弟)が暮らしているらしいのですが

この人物、

まさか自分の縁者が犯人とは思わなかったそうです。

 

タラント容疑者、

ニュージーランドの長期滞在者ではなかったそうですが

2017年11月には

同国で合法的に銃を所持する許可を取得。

 

そのあと事件を引き起こすまで

ニュージーランドにいたとすれば

彼自身が移民に関する国連事務総長報告書の定義

(通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも12ヶ月間当該国に居住する人)

を満たすことになります。

(※)ただし2018年にはパキスタンを旅行したようなので

連続12ヶ月、ニュージーランドに居住したかどうかは不明です。

 

オーストラリアとニュージーランドは

むろん歴史的に縁が深いのですが

だとしても

自分自身、移民である可能性が高い外国人が

反移民テロを実行する

というのは、一体いかなる話なのか?

 

わが国に当てはめれば

韓国人が日本に1年ちょっと住んだあと

反移民を叫んでイスラム教徒の外国人労働者を襲う

のと同じようなものですよ、これは。

 

国際政治学者の六辻彰二さんは、

オーストラリアでは白人至上主義者とイスラム過激派の間で

すでにテロが何度か起きており

当局の監視や警戒が厳しいのにたいして

ニュージーランドはそこまで至っておらず

ゆえに行動しやすかったからではないか

と分析しています。

 

それによれば

オーストラリアの人口に占めるイスラム教徒の割合は2.4%なのにたいし

ニュージーランドは1.2%とのこと。

六辻さんはこれについて、大差ないというニュアンスのコメントをしていますが

じつはそうとも言えません。

 

アメリカの作家カート・アンダーセンが

著書『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』

(東洋経済新報社)で指摘していますが

アメリカでは19世紀、

カトリックの人口が2%を超えたあたりで

反カトリックの気運が本格化

20世紀に入ると

ユダヤ人の人口が2%を超えたあたりで

反ユダヤの気運が本格化しました。

 

1.2%と2.4%の差は

その意味で決定的かも知れないのです。

 

とはいえ話を戻せば

六辻さんの分析にもあるように

オーストラリアの白人至上主義者が

ニュージーランドで反移民テロを起こしたことは

今や反グローバリズムまでが

グローバリズムの要素を持ち始めていることを

暗示しているように思います。

 

グローバリズムとは要するに

国境を越えたモノ、カネ、ヒトの移動の積極的推進ですが

反移民テロすら

もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました(Ⓒ安倍総理)とばかり

自国以外の地で起きるようになった次第。

 

タラント容疑者がニュージーランドに居住できたのだって

1973年の環タスマン海渡航協定

(Trans Tasman Travel Agreement, TTTA)により

オーストラリアとニュージーランドの間で

ヒトの移動が自由化されたことが大きいでしょう。

(※)もっともそれ以前から、

非公式に移動は自由だったようです。

 

実際、タラント容疑者の言動には

妙にグローバリスト的な側面がある。

ヨーロッパの大半、

北朝鮮、

インド、

日本を旅して回り、

昨年はイスラム教国のパキスタンについて

こんなコメントも。

 

an incredible place filled with the most earnest,

kind hearted and hospitable people in the world.

 

最高に素晴らしい国だ。

パキスタンの人々は

世界で最も実直で優しく、

おもてなしの精神に満ちている。

 

ついでにタラント容疑者、

オズワルド・モズレーに親近感を抱く一方、

犯行声明では自分をネルソン・マンデラになぞらえ、

ノーベル平和賞(!)を受賞したいとまで述べたとか。

 

グローバリズムの理想を

いったんはしんそこ信じた男が

まさにそれゆえに

このままでは移民に圧倒されてしまうと怖くなり、

「暴力的・革命的な方法」に走った。

これこそ、今回の事件の真相ではないでしょうか。

 

「まあ、爽快な末路のバリエーションね」(※)お姉さまのお言葉です。

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しかしこうなると、

いよいよ国境管理はしっかりやらねばなりません。

移民のみならず、

反移民のテロリストまでが

国境や国籍を超えて移動しかねないのですから。

 

わが国では4月から改正入管法が施行されますが

タラント容疑者が日本にも来ていたことには

なんとも意味深長なものがあるでしょう。

 

なお、日本の人口は

本年2月1日現在で1億2633万人。

人口の2%を超えたところで、少数派は強烈に排斥される

というカート・アンダーセンの経験則が正しければ

外国人の数が252万7000人に達したあたりで

激しい排斥運動が起きるかも知れませんよ・・・

 

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ではでは♬(^_^)♬