今日は7月4日。
アメリカ独立記念日であります。
独立を宣言したのが1776年ですから
ちょうど240年ということに。
同国がイギリスから独立を勝ち取った戦争は
日本では「独立戦争」と呼ばれますが
これはイギリスでの呼称
WAR OF AMERICAN INDEPENDENCE
に基づいた可能性が高い。
ならばアメリカではどう呼ぶか?
REVOLUTIONARY WAR、
つまり革命戦争と呼ぶのです。
アメリカも左翼国家だという
西部邁先生の名言ではありませんが
あの国の歴史は革命から始まっているのですよ。
事実、フランス革命とアメリカ独立革命が
さまざまな点でつながっているのはご存知の通り。
・・・さて。
アメリカ独立革命と言えば
欠かせないのがこの本です。
トマス・ジェファーソンによる独立宣言の
格調高く抽象的な言葉は
イギリスへの反乱に大義を与えたが、
人々に銃を取らせ
闘志満々で戦場へと向かわせたのは
『コモン・センス』の激烈なアジテーションだった、
そう評される著作です。
実際、本書で展開されるペインの論調には
あのドナルド・トランプを連想させるものがある。
たとえば、こんなくだり。
イギリス王ジョージ三世など、
古代エジプトの皇帝も真っ青の暴政を平気で行う、
頑迷で陰険なヤカラにすぎない。
(中略)
ゲスな卑劣漢ジョージは、
国民の父とかいうインチキ称号を掲げながら
国民(注:マサチューセッツ植民地の住民のこと)が虐殺されたと聞いても平気とくる。
人々の流した血が、
おのれの魂の上に飛び散っているにもかかわらず、
何もなかったかのごとく高枕。
(147ページ)
(王党派の)主張に耳を傾けたあげく、
納得してしまったりするヤカラは、
理性を投げ捨てたも同然だ。
すなわち、人類全体への裏切り者。
人間として本来持つべき尊厳を失っているのはむろんのこと、
そこらの動物と比べても低劣な存在にまで、
自分を貶めていると言わねばならない。
ミミズかイモムシよろしく、地上を這いずり回るだけが能のロクデナシ。
(215ページ)
アメリカという国は
こんなポピュリズム的アジテーションに支えられて始まったのです!!
その意味で現在、
同国はみずからのルーツに回帰しようとしているのかも知れません。
トランプのスローガンが
MAKE AMERICA GREAT AGAIN
(アメリカをふたたび偉大にしよう)なのは
関連して象徴的です。
あの国も草莽崛起が大好きというか
草莽崛起こそ絶対の正義なり!
と構えたがるところがあるのですよ。
ただしアメリカの場合、
自国を「全世界の縮図」のごとく見なしたがる形で
ナショナリズムの中にグローバリズムが宿ってしまうのが
なかなか複雑なところですが・・・
とまれ2016年、
われわれは「あの国」について
もう一度、しっかり考え直すべき時期に来ています。
というわけで、こちらも自信を持ってお勧めしましょう。
保守も左翼も、星条旗に踊らされてきただけではないのか?
読むがいい、これがアメリカだ!
『コモン・センス完全版 アメリカを生んだ「過激な聖書」』
絶賛発売中です!!
ではでは♬(^_^)♬
1 comment
mash says:
7月 5, 2016
だからこそアメリカは日本とか世界の伝統的な文化とか封建主義的な文化を否定しがちですよね
それは革命で成り立った国だからなのかと思います
それにイギリスのEU離脱はバークやチェスタートンやオークショットのような保守思想家を生んだ国ならではッて感じがします