まずは告知から。

恒例となった私のトークライブ

「勝手にしやがれ! 天下国家」の5回目が

きたる5月17日に開催されます!

 

会場はおなじみ、赤坂CHANCEシアター。

で、今回のテーマはこちら!!

 

 

司会(というか、事実上の共演)は

これまたおなじみ、sayaさんです。

一曲ぐらい歌ってくれるかも知れませんよ。

参加のお申し込みは、こちらからどうぞ!

 

前回のライブより。

 

それから12日には

先週につづいて「FRONT JAPAN 桜」を。

共演はこちらもおなじみ、佐波優子さんでした。

 

 

テーマはこちらです。

統一地方選に見る日本再生の条件 / 差額ベッド代という問題。

ご覧になりたい方はこちら。

 

ちなみに今回も

認知的不協和大賞をぜひ差し上げたいコメントが来ているものの

これについては次回にでもゆっくり、

サカナに・・・じゃなかった、論評することにしましょう。

 

さて。

 

あいかわらず泥沼から抜け出せないブレグジットですが

EU首脳会議は離脱期限を

最長で10月31日まで再延期することで合意しました。

 

「最長で」としてあるのは、前倒し離脱の可能性もあるからです。

つまり・・・

1)イギリスとEUの双方が離脱をめぐる合意案を批准すれば、

その翌月の1日をもって離脱。

2)5月23日〜26日の欧州議会選挙にイギリスが参加しなければ、

6月1日をもって離脱。

 

後者の場合、

「地獄の特等席」こと合意なき離脱のリスクが高まりますが

セルマイヤー欧州委員長官房長官

「3月29日とは4月12日を意味し、4月12日とは10月31日を意味する」

とツイートしたことを思えば、

EU側はそうはならないと踏んでいると見るべきでしょう。

関連記事こちら。

 

3月29日は当初のEU離脱期限で、

4月12日は第一次延期後において

英下院が合意案を否決した場合の離脱期限でしたからね。

 

そもそもセルマイヤー官房長官のツイート、

「ブレグジットとはブレグジットを意味する」

というメイ首相のスローガンにたいする皮肉という見解が有力なのです。

 

し・か・し。

3月29日が4月12日を意味し、

4月12日が10月31日を意味するのであれば、

10月31日は何を、

いや、いつを意味するのか?!

 

もともとメイ首相が要請したのは

6月30日までの延期ですから

EUは要請以上に余裕をもった期日設定をしている。

 

トゥスクEU大統領(欧州理事会常任議長)など、

最長1年の延期はどうかと提案していたのですが

フランスのマクロン大統領が猛反対したため

半年となったのですぞ。

 

しかも・・・

早くも複数の高官や外交筋の間から、

延期はこれで最後にはならないかもしれないとの声が聞かれ始めた。

 

あるEU高官いわく。

英国が再び国民投票を行うと決めれば、

われわれはたとえ6月であってもまた延期するだろう。

それが絶対合理的になる。

 

「たとえ6月であっても」の意味が、イマイチ不明確ですが

文脈から判断して

イギリスが欧州議会選挙に参加しないまま6月が来ても

ということでしょうね。

 

別の高官いわく。

法的状況からは全ての事態が想定できる。

政治の世界で1週間は長い。

そしてわれわれには29週間が与えられた。

これは非常に長期間であり、多くのことが起こり得る。

 

何でもありということですな。

 

3人目の高官は

(第三次延期は)否定はできない。だが当然視もされていない

としていますが、

最初の高官が

これ以上離脱条件は譲れないので、できるのは延期だけだ

とつけ加えているのを思えば

合意なき離脱よりはマシという理由で

ずるずる延期が繰り返される可能性は決して低くない。

 

いっそのこと、

第三次延期は無期延期としたらどうですかね?

10月31日とは「無限の彼方」を意味する!!

 

ブレグジットも宇宙のジョーク、あっソレ♬

 

なるほど、複数のEU筋は

さらに離脱を延期すれば英国が支払う政治的な代償は

大きく跳ね上がるのは間違いない

と話しているとのこと。

延期決定にはEU加盟国すべての合意が必要ですが

それが得られるとは限らないからです。

 

ただしEU側にも、

延期に反対することの政治的代償がある。

どうぞ。

 

英EU離脱巡り独仏にきしみ マクロン大統領が長期延期に猛反対

(ニューズウィーク、14日配信)

 

マクロン大統領は拒否権こそ使わなかったが、

首脳会議で強硬論を展開し、

戦後のフランス指導者が持ち続けてきた矜持(きょうじ)を維持した。

ただそれによって多数の加盟国が賛成していた

ブレグジット(英のEU離脱)の1年延長を阻止した結果、

主にドイツの当局者をいら立たせてしまった。

元の記事はこちら。

 

首脳会議に先立って行われた

独仏首脳会談では

マクロンとメルケルがブレグジットについて合意できなかったとか。

 

そのためマクロンはほぼ単独で

ブレグジットの1年延期はEU諸機関にとってリスクが大き過ぎるし、

欧州議会選を前に有権者に間違ったメッセージを与えてしまう

と力説したのだそうです。

 

とはいえ、ドイツの外交筋いわく。

(注:マクロンの行動は)恐らくは国内政治とより深く関係している。

ドイツに反論し、英国に意地悪をするのが大事なのだろう。

(しかし)結局それはマクロン氏のためにならない。

 

つまりは黄色いベストを抑え込むために

EUグローバリズムをひたすら強調した、ということですね。

 

ドイツの与党(たぶんキリスト教民主同盟)の幹部いわく。

ブレグジットの延期期間はもっと長い方が良かったのに、

マクロン氏が自分の選挙戦と利益を欧州の結束よりも優先した。

 

EU高官もこう言ったそうです。

マクロン氏は強い発言力を持っていると証明したいのだ。

多分、欧州議会選でフランスが英国より欧州懐疑派寄りになる(※)のを恐れている。

いずれにしても根回し不足だった。

(※)ブレグジットを決めたイギリスと比べても、

フランスでEU懐疑論が台頭する、の意でしょう。

イギリスではブレグジット懐疑論が台頭していますので。

 

マクロン大統領、

EUの結束の重要性を強調することで

かえってEUの結束を揺るがすという

これまた宇宙のジョーク的な事態を引き起こしている模様。

 

「あら、ヨーロッパもずいぶん爽快ね!」(※)お姉さまのお言葉です。

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だが、真打ちはこの先だ!!

 

われわれはブレグジットについて

普通「反グローバリズムの動き」と見なします。

柴山桂太さんなど、

これが世界的な反グローバリズムの潮流の

さきがけになるのではないかと期待したほど。

 

なるほど、イギリスのEU離脱が

EUグローバリズムへの反旗という性格を持つのは間違いない。

ところが、こんな動画があるのですよ。

 

How Brexit Plays Into China’s Hands | Bad Brexit Deal 

(ブレグジットは中国の思うツボ/ブレグジット交渉の問題点)

 

CHINA UNCENSORED(中国の真実)というサイトが

8日に配信したものです。

ご覧になりたい方はこちら。

 

それによると中国は

ブレグジットをめぐる泥沼の混迷を歓迎しているとのこと。

なぜか?

 

EUの結束が弱まれば

そのぶんだけヨーロッパにおける

中国の立場や影響力を強めて

覇権の確立を促進できるからです。

 

中国の新聞「GLOBAL TIMES」

(人民日報の姉妹紙「環球時報」の英語版)は本年1月23日、

直接民主主義へのこだわりがブレグジットのジレンマを生んだ

と題して、

欧米型の民主主義システムがすべてではないと主張。

 

さらに4月3日には

ブレグジットでイギリス経済が打撃を受けても

一帯一路に参加すれば癒やされるだろう

と題して、

イタリアやルクセンブルクに続き、

イギリスも一帯一路に加わってはどうかと主張したのです。

関連記事こちら。

 

他方、ヨーロッパのシンクタンクECFR

(EUROPEAN COUNCIL ON FOREIGN RELATIONS, 欧州国際関係評議会)

ブレグジットによって損失をこうむるのは

主としてEUかイギリス、ないしその両方だが

得をするのは主として中国だ

と指摘。

(※)ECFRについては「欧州外交評議会」と訳されることもありますが

正式な日本語名称がないようなので、英語名称通り「国際関係評議会」としました。

 

EU全体ではなく

個々の国々を相手に通商交渉ができれば

経済規模の大きさからいって

中国は有利になるからです。

 

なにせ2018年末の時点で

EUが取っている120件の反ダンピング措置のうち

じつに85件が中国を対象としている。

2位のロシアは9件、

3位のアメリカが4件なので

中国とEUの間にはけっこう摩擦があるのです。

 

裏を返せば

1)イギリスがEU離脱をめざしつつもブレまくり、

2)そのことでEUの結束が乱れる

という現在の状況は

ヨーロッパ諸国の「分割統治」が狙える点で

中国にとってはオイシイのですよ。

 

ついでに中国は2012年より

エストニア、ラトビア、リトアニア、

ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、

スロベニア、ルーマニア、ブルガリア、クロアチアの

EU加盟国11ヶ国と

ボスニア、マケドニア、セルビア、モンテネグロ、アルバニアの

バルカン諸国5ヶ国を相手に

「16プラス1」(上記16ヶ国と中国)という枠組みを構築、

東欧の取り込みをめざしています。

関連記事こちら。

 

最近は16ヶ国側の不満が高まっているという報道もありますが

ブレグジットをきっかけにEUが揺らげば

これだって中国有利になるでしょう。

関連記事こちら。

 

つまりブレグジットは

EUにたいしてこそ反グローバリズムの性格を持つが

中国にたいしてはグローバリズム支援となりかねない!!!

 

もうこれしかないね、うん。

 

ただしこれは

EUグローバリズム推進派なら

中国の覇権志向に対決姿勢を見せるということを

遺憾ながら意味しません。

 

3月22日、欧州理事会(EU首脳会議)に参加したマクロンは

そのあとの記者会見で

欧州が中国に気を許していられる時代は終わった!

と宣言しました。

 

ところが3月25日の中仏首脳会談ではどうだったか?

どうぞ。

なんとマクロン大統領は習近平国家主席を目の前にして、

中国との友好を讃え、惜しみない協力を申し出て、

巨額の経済協定にも調印したのである。

元の記事こちら。

 

フランスの「未来工業計画」と

中国の「中国製造2025」をマッチングさせつつ協力を進めるとか、

EUの連携性と一帯一路を結びつけたいなどと発言したのです!

 

さすが、EUの結束の重要性を強調することで

かえってEUの結束を揺るがした男!!

 

やっぱり2020年代は、

グローバリズムの弊害がいくら明らかになっても、

反グローバリズムが腰砕けになる時代なんじゃないかなあ。

そして、中国が世界の覇権国の座へと着々と登り詰める・・・

どうもそういう気がしてきました。

 

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ではでは♬(^_^)♬