昨日のブログでも、最後にちょっと取り上げた
映画「セシウムと少女」について
もう少しご紹介しましょう。
4月25日公開の日本映画。
監督は才谷遼さん。
これが第一作です。
才谷さん、
若い頃から映画づくりに憧れてきたものの
なかなか実現せず
還暦を過ぎて、ついに監督デビューを果たしました。
今回、映画をつくるきっかけとなったのは
題名からもお分かりのように東日本大震災ですが、
その意味では
構想40年!! という側面もあるかも知れません。
逆に主演はとてもフレッシュ。
1997年生まれ(プロフィールに公表されているのでバラします)の
白波瀬海来(しらはせ・かいら)さんです。
むろん今回が初主演。
ちなみにこれらの画像は、すべて制作側の許可を得て掲載しています。
いや、才谷監督がフレッシュでないというのではありませんよ。
映画をご覧になれば分かりますが、
内面はじつにフレッシュ。
ただし人間には、肉体的な年齢というものもある。
それだけのことでございます。
才谷監督です。
さて。
私はこの映画を、2月末に試写で観たのですが
正直に白状しておくと
観る前はそれほど期待していなかったのですよ。
ご存じのとおり3・11以後、
反原発を訴える映画がかなりつくられました。
しかし私の関知するかぎり、
それらのほとんどは
福島第一原発の事故という現実によりかかってしまい、
映画としてのパワーが不足していたというか、
現実の前に負けてしまった感が強い。
劇映画はむろんのこと、
ドキュメンタリーであっても
現実に負けてしまった作品は
映画として良いものにはならないのです。
ところが観てびっくり。
「セシウムと少女」はそうではなかった!
原発再稼働について
私は反対ではないものの、
そんなこととは関係なく
この作品は映画としてパワーがあって面白い。
ついでにこの映画、
セシウムが題名に謳われてはいるものの
反原発とか反核というより
(その要素も確かにありますが)
日本の近代化のあり方に疑問を呈する作品という方が正しい。
なにせわが国の伝統的な神々が
かなりヨレヨレになりつつも
現在の日本の状況に異議を唱えたりするのですから。
まさに「神々、敗れたまわず」。
つまりは保守主義の問題意識とも通底するものがあるのです。
あらためて、「右か左か」の時代は終わった!
というわけで、積極的に応援することとなりました。
4月25日の公開まで、折に触れて取り上げてゆきます。
ではでは♬(^_^)♬
(↑)この海来さん、ちょっと表情が硬いのですが、それも初々しさのうちということで。
3 comments
akkatomo says:
3月 14, 2015
原発というか、放射能問題で一番心配なのは
過去の公害問題同様の推移を辿りはしないか、という点です
事実が明らかになる頃には手遅れなのですが……
まさかとは思いますが、事態を過小評価した挙句、無かった事にしようとしてはいませんよね、と言いたいです
経済問題にも見られる事ですが、見なかった事にしようが事実は推移するものですので
さておき。サヨクや活動家の何が悪いって、表現のセンスに悪意が籠り過ぎて、
何というかユーモアや余裕というものが足りない。悪い意味で面白みがありません
こう、ソビエトのアネクドートのような面白さが欲しい
活動家したはいいけど職はなし、正義感よりも大切メシの種、とか
自虐諧謔皮肉転倒主客正邪の逆転アベコベなアヴァンギャルド
を目指したら現実が無茶苦茶過ぎたから保守的伝統的になったで御座るの巻、とか
兎に角、前衛などと言いつつ全速力で表現のフロントラインからバックしていくセンスはどうにかして欲しい
SATOKENJI says:
3月 15, 2015
「愛国のパラドックス」でも書きましたが、自己を相対化する精神的余裕を持たないのが進歩主義(=左翼思想)の欠点です。
ただし「セシウムと少女」は、反原発がモチーフとなってはいますが、真のテーマは「日本近代化の問題点」という方に近い。
ついでにわが国の神々が登場するファンタジーでもあります(ホント。ポスター画像をどうぞ)。
まさに「アヴァンギャルドを目指したら現実が無茶苦茶過ぎたから保守的伝統的になった」作品なのですよ!
左翼性が皆無とは言いませんが、たんなる反原発映画なら、ことさら紹介しません。そこのところ、よろしくお願いします。
akkatomo says:
3月 15, 2015
東京からは数百キロ離れた過疎地に生息している関係でDVD待ちに決定致しました
が、予告編は見ることができるので今見ておりますが
夏目漱石と来て、よりにも寄ってチョイスが三四郎。思わず噴飯しました後、
「それから」と取り違えていた事に気付きました。これは恐らく自分の主観の為でしょうが、
早速wikiペディアを引っ張り読んだことのない三四郎の解説を斜め読みしつつ、ハハァ、これは透かし絵だと
そこから先は情報不足につき憶測にしかならないですので割愛
東京住まいの方は俺の代わりに見にいくといいと思いますよ
何をスカしているのかと言われるかもしれませんが、重ねて移して何か見えるかもしれません
それと、銭湯でひとっ風呂浴びた後でくすっと笑うような感じで
そんな事をつらつら思い浮かべておりました。DVDは半年-一年後ぐらいかな