さる26日、

2018年ラストの「おはよう寺ちゃん 活動中」をやってきました。

 

思えば今年の「寺ちゃん」は

正月から一度も休まず52週完走。

水曜朝、4:00に起きるのもすっかり慣れました。

今ではアラームが鳴る前にたいてい目が覚めます。

 

次の水曜、2019年1月2日はお休みをいただきますが、

1月9日からはいつも通りやります。

リアルタイムはもちろん、

ラジコでも一週間は聴けますので

みなさん、ぜひどうぞ!

 

寺島さん、今年はありがとうございました。来年もよろしくお願いします!

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そのかわりというわけではないものの、

来週金曜、1月4日には

チャンネル桜の新春キャスター討論に出ます。

 

思い起こせば今年の新春討論は

「人を好きになるのは難しい」という

sayaさんの発言にたいして

年長の男性パネリストたちが妙に反発、

本来のテーマ

転換期の日本〜私達はどう生きる?

が放り出される始末となりました。

 

まあ、くだんの反発は

転換期であればあるほど、われわれは現実否認に徹して、どうでもいいことにこだわる

という切なる心情の表れですから

討論のテーマ「私達はどう生きる?」にも

じつはそれなりの結論が出ていたと考えることはできるのですがね。

 

ならば今度の新春討論はいかなる展開になるか?

いろいろな意味で、ご期待下さい。

sayaさんもしっかり出演しますからね。

 

記事の内容と直接的な関係はありません。

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それはともかく。

 

23日の記事

「平成の終わりと『ボヘミアン・ラプソディ』、または帰るべき家を求めて」では

大ヒットしているブライアン・シンガー監督の映画

『ボヘミアン・ラプソディ』を取り上げました。

 

自由や豊かさを求めて「家」や「過去」を捨てたとしても、

本当に自由にはなれず、最後には疲れ果てる。

だが、元も子もなくしたと絶望することもない。

やり直す気になれば、帰るべき「家」はちゃんとあるし、

君のことを受け入れてくれる

というこの映画のメッセージは

平成の顛末に疲れ果てた日本人にとって

じつに力づけられるものだったように思います。

 

つまりは『ボヘミアン・ラプソディ』、

2018年のわが国にぴったりの映画だったわけで

だから大ヒットしているのでしょう。

 

しかるにお立ち会い。

『ボヘミアン・ラプソディ』に続き、

2019年の年頭に見るのに最もふさわしい映画

先日、DVDで入手しました!!

1993年の香港映画『大英雄』。

 

原題は『射鵰英雄傳之東成西就』。英語題は『射鵰英雄傳』を訳したものでしょう。

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これがなぜ、

2019年の年頭に最もふさわしいか、

それを理解していただくには

『大英雄』が製作された経緯を知らねばなりません。

 

DVDのパッケージに「製作総指揮」などとクレジットされている

ウォン・カーウァイ(王家衛)監督は1992年、

『東邪西毒』(日本語題『楽園の瑕』)という歴史武侠映画を撮っておりました。

いわゆる芸術大作です。

 

ところがカーウァイ、

完全主義のせいで撮影をどんどん遅らせる。

『東邪西毒』は1993年の旧正月(つまり2月。香港では最高の稼ぎ時だそうです)に

公開が予定されていたにもかかわらず、

1992年の終わりになっても撮影すら終了していなかった。

これで間に合うはずがない!

 

・・・が、

ここで『東邪西毒』のプロデューサーだったジェフ・ラウ(劉鎮偉)

驚くべき芸当を見せます。

 

『東西のキャスト、スタッフ、セットを流用して

別の映画をあっという間につくったのです!!

それがすなわち、『東西こと『大英雄』。

 

『映画秘宝 底抜け超大作』(洋泉社、1996年)によれば

ジェフ・ラウという人物、

クレジットなしで仕事をするし、

やたら変名は用いるし、(中略)

怪しさにかけては香港映画界でもトップ・クラス

とのことですが、

だからこそできた荒技と言うべきでしょう。

 

ならば、『大英雄』とはどんな映画か?

どうぞ。

 

この異様なコメディーは(中略)

一言で言えば「新春スター隠し芸大会」である。

ここにはテーマもメッセージもまったくない。

(強いてこの映画にメッセージを求めれば

「新年おめでとう」ということだろう)。

 

いちおう筋らしきもの

(お家騒動ものだ)はあるのだが、

場当たり的に撮影された各エピソードは、

かろうじてつながっている程度なので、

真面目に筋を追うと頭がイタくなる。

 

そして全編に漂うやぶれかぶれの明るさ、

極度のおめでたさは、

スタッフ、キャスト全員の

疲労と睡眠不足によるナチュラル・ハイの所産だろう。

 

そんな映画、公開してどうするんだ!

と、思うでしょう?

と・こ・ろ・が。

 

その内容のなさが、

正月気分の観客にアピールしたのか

大ヒット(年間興収第九位)を記録した。

めでたしめでたしである。

 

無敵なり、香港映画!!!

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ちなみに『東邪西毒』が完成し、公開されたのは

当初の予定から一年半以上も経った1994年9月だったそうですが、

それは脇に置きましょう。

ポイントは『大英雄』に見られる以下の特徴です。

 

1)本来、取り組んでいたはずのまっとうなプロジェクトが

まったくうまく行かないため、間に合わせででっち上げられた。

 

2)よって、内容はほとんど支離滅裂。

 

3)関係者全てが疲れ切っていたせいで、

かえって異様な明るさとおめでたさが宿っている。

 

4)けれども、その内容のなさが

正月気分で浮かれている客にアピールしたのか大ヒットした。

 

しかるに現在のわが国の政治にも、次の特徴が見られる。

 

1)本来、取り組んでいたはずのまっとうな目標(つまり日本再生)が

まったく達成できないため、間に合わせで政策がでっち上げられている。

 

2)よって、政策の中身はほとんど支離滅裂。

 

3)関係者全てが疲れ切っているせいか、

かえって異様な明るさとおめでたさが宿っている。

 

4)けれども、その内容のなさが、

やはり疲れ切っている国民にアピールするのか、高い支持を得ている。

 

まるで同じじゃないか!!

 

・・・そうです。

『大英雄』こそは、

末路がいかに爽快になりうるかについての

映画的シミュレーションとも呼ぶべき作品なのです!

 

「アタシも香港なら、日本以上の大スターね!」(※)お姉さまのお言葉です。

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きたる1月1日、楽しみに見るつもりです。

2019年こそは『大英雄』の時代だぜっ!!

 

・・・ただしタイトルに騙されないように。

これはあくまで

怪しさにかけては香港映画界でもトップクラスの人物によってつくられた

異様なコメディーです。

 

そして、その異様なコメディーを現実世界で実践しているのが

わが日本なのでありますよ。

 

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ではでは♬(^_^)♬