昨晩、都内の某ホテルで開かれた
「プライムニュースの集い」に行ってきました。
これはBSフジの報道番組
「プライムニュース」が年一回、開いているもの。
私も何度か出演したため、招待されているのです。
(↓)記念品として配られる特製手帳です。なかなか豪華。
会場には菅義偉官房長官をはじめ、
日本のワンダーウーマンこと稲田防相、
高市早苗総務相、
さらには電力自由化に反対しつつも(※)
なぜかTPP合意に尽力した甘利明議員なども。
(※)少なくとも2011年まではそうでした。
「ここで閣議が開けるな」
などというコメントも聞かれたほど。
そんなわけで、こんな人々の姿も
ちらほら見受けられました。
1)屈強そう。
2)目つきが鋭い。
3)片耳だけイヤホンをつけており、そのコードが襟から背中に伸びている。
むろんSPでしょうね。
「プライムニュース」にはつい数日前、
藤井聡さんが出たばかりなので
来ているかなと思いましたが
どうも関西に戻ったようで、見当たりませんでした。
・・・それはともかく。
パーティでは「日本新時代への提言」ということで
自民党、公明党、民進党、共産党の代表が挨拶したのですが
共産党代表として登壇した
小池晃・同党書記局長の発言は
じつに面白いものでした。
のっけからこうです。
共産党は今年で創立95周年(※)を迎えるが、
ずっと野党だったので
そろそろ一度ぐらい政権を取ってみたい!
(※)1922年7月15日結党、1945年10月10日合法化。
中曽根康弘元総理の名言にならえば
「政党の使命は政権を獲得すること」ですから
小池書記局長の発言はもっとも。
「たしかな野党*」にいつまでも甘んじているようでは
政党としての使命を放棄したと言われても仕方ありません。
た・だ・し。
戦後日本において
左翼・リベラル系の政党が政権を担うと
良くて決定的衰退、悪ければ消滅という
シャレにならない結末が待っています。
せっかく野党第二党にまで伸びてきたのですから
妙に政権交代*をめざしたりせず
たしかな野党に徹したほうが
共産党のためではないかとも思うのですが
そこはそれ、
政党の使命ということで。
ところが小池さん、こう続けるんですね。
なんでも昨年、「プライムニュース」で
西部邁先生と共演したのだそうです。
「表現者」は昨年の67号で
日本共産党とは何ものか
という特集を組み、
小池さんを座談会に呼びましたので
その余波ではないかと思いますが、
書記局長に言わせれば
日本の現状認識については、
〈これ以上、対米従属*を続けているとロクなことにならない〉という点で
西部さんと完全に意見が一致した
とのこと。
v(^_^)\(^O^)/共産党にも見どころがあるじゃん\(^O^)/(^_^)v
『右の売国、左の亡国』でも書いたように
わが国の左翼・リベラルには
国家(日本)の否定を謳いつつ、 反米という形でナショナリズム*を主張する
という特徴がありますので、
この発言も理解できます。
だからこそ(戦後)保守が
口先でナショナリズムを謳いつつ、アメリカとの一体化という形で国家(日本)の否定を主張する
という〈ねじくれた現実主義〉とも呼ぶべきスタンスを取るにいたったところで
左翼・リベラルは完全に対抗できなくなってしまったのです。
ちなみに文中「*」を付した言葉は、この本の「政治経済用語辞典」に出てくるものです。
裏を返せば左翼・リベラルの側が
「国家(日本)の否定」を捨て去ることができれば
すっかり形骸化した現在の左右対立に替わって
名実ともに日本を肯定する勢力 vs 口先でナショナリズムを唱えようが、日本を否定する勢力
という、新たな対立軸が成立しないとも限らない。
現在のわが国では
〈日本否定の翼賛体制〉
ができあがりつつあるわけですが
これをくつがえす
〈日本肯定の翼賛体制〉
ができあがることだって、論理的には十分想定できるのです。
日本再生のカギとなるのは
ひょっとして、左翼・リベラルがナショナリズムに覚醒することではないのか?
・・・しかし残念ながら
そのような覚醒が訪れる見込みは、まだまだ薄いと言わねばなりません。
小池書記局長によると
日本の現状をめぐる認識については意見が一致したにもかかわらず
ではどうするのか、という点をめぐっては
西部先生と意見がまったく合わなかったとのこと。
西部先生は核武装論者ですから
小池さんが憲法九条擁護にこだわったということでしょう。
とはいえ私の記憶が正しければ
敗戦直後、現憲法を制定するにあたって
共産党はたしか戦争放棄に反対したはず。
ここはひとつ初心に戻って
富国と強兵路線に回帰してほしいところです。
共産党がそこまで変わったら
日本の政治も根底から変わるかも知れませんよ。
ではでは♬(^_^)♬
9 comments
せい says:
3月 5, 2017
日本の左翼による反米は、民主党の最善手としか思えない的確な反日ぶりを見るに、単に日米離反工作の一環としか思えないので、藤井さんのような保守の側からしか期待しておりません。いつかマスコミの影響力が更に薄れ、誰もがネットテレビを見る時代、「TPP, No We Can’t!」 と中指をおっ立てて現代の新論たらんとする人物がお茶の間を席巻することに期待してます。
SATOKENJI says:
3月 5, 2017
「TPP, No We Can’t!」 と中指をおっ立てて現代の新論たらんとする人物
(↑)
なつかしい。2012年に政権を奪還する前の自民党がそうでした。
GUY FAWKES says:
3月 5, 2017
藤井聡、三橋貴明、中野剛志、柴山桂太、施光恒、そして佐藤健志(敬称略)
私も上記の六人衆の様な、真に均衡感覚を保たんとする方々がもっといらっしゃればと思いますが
同時に無理もないかと感じる毎日です。
それにしても2010〜2012年頃の中野剛志さんの奮闘、本当にカッコよかったんです…
『富国と強兵』という超弩級の大作を世に送り出していただいたのでますます尊敬しておりますが。
SATOKENJI says:
3月 5, 2017
『富国と強兵』については、このブログでも追って取り上げる予定です。
半ライス大盛 says:
3月 6, 2017
『屈強・目つき悪い・イヤホン』で、海外テレビシリーズの『24』に出てくるジャック・バウワーを
連想してしまいました。
ジャック・バウワーの無線装置は耳に入る小型タイプでコードが出ない為、潜入捜査には最適です。
しかし、ストーリーの関係上、一般人を潜入捜査させる際には、ワイヤーを付けれる大掛かりな
装置を使います。ハラハラドキドキさせる為の演出ですね!
色々と同時進行に進むストーリーが売りとか言いながら、5分後に前のカットの続きから始まったり
(その間、フリーズしてた???)移動時間が全然合わないとか突っ込みどころ満載ではありますが、
中々社会問題を示唆する興味深いギミックもちりばめられてます。
パーマー大統領が政敵に批判される場面で、強硬な自由貿易の推進によりアメリカ経済が打撃を受けた!
と批判される場面があり、オバマ政権下のTPP推進にたいする批判的な世論と言う風刺も
描かれていたように思います。
シーズン6においては、極端な人種差別的な法案の強硬採決騒動など、アクションドラマとしては
中々興味深い内容ですが、まさか2017年にメキシコに壁を作ると主張し当選する大統領が生まれるとは
当時夢にも思わなかったのではないか?と思います。
ドラマ・映画って本当に現実社会を予見するものなのですね!
また本文と関係ないコメントで申し訳ございません。
SATOKENJI says:
3月 6, 2017
こういうコメントこそ、じつは一番関係があったりして・・・
GUY FAWKES says:
3月 6, 2017
ドナルド・トランプの共和党代表選勝利・大統領就任は21世紀の「虚実革命」…?
これぞ、『幻想政治学』の正当性の証左である。
SATOKENJI says:
3月 6, 2017
関西の某大学では、『夢見られた近代』をテキストに使い、「幻想政治学」をテーマにした演習が行われたそうです。
詳細はいずれまた。
玉田泰 says:
3月 13, 2017
最近、ようやく外交とは軍事に裏打ちされてこそのものだと理解しました。共産党が戦争放棄に反対した訳は知りませんが、軍隊を否定する限り日本に真の独立国としての道はないですね?
平和しか叫ばない内は平和は訪れないと思うのですが…。