中野剛志さん、

施光恒さん、

柴山桂太さん、

そして私で構成される東洋経済の研究会については

今までも何度かお伝えしてきました。

 

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さる3月23日には

われわれの討議を採録した記事

「衰退途上国」日本の平成30年史を振り返る

〜リベラルはなぜ新自由主義改革に賛同したか

が、東洋経済オンラインで配信されています。

ご覧になりたい方はこちら。

 

そして6月5日、

第二回の記事が配信されました!

題して、

平成は「自己否定と変身願望」の30年間だった

〜自家撞着の改革をやめて「土着の知」に戻れ。

 

メインタイトルは中野さんの発言にちなんだもので、

サブタイトルは私が提案したものですが、

今回の主役は施さん。

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新著『本当に日本人は流されやすいのか』とも重なりますが

今のままではいけない、痛みを伴う改革をくぐり抜けて世界に羽ばたかねばならない!

という強迫観念に駆られたあげく

かえってダメになっていった平成日本(人)のあり方について

鋭く問題提起しています。

 

みなさん、ぜひご一読を!!

ご覧になりたい方はこちら。

 

さて。

米朝首脳会談を控えて

日本、アメリカ、韓国の防衛担当大臣が3日、

シンガポールで会談しました。

 

順に小野寺五典防衛大臣、

宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官、

そしてジェームズ・マティス国防長官です。

 

この会談、

とりあえず表向きは

北朝鮮の非核化に向けて外交努力を引き続き支援していくことで一致した

などと謳っていますが

実際にはかなり足並みが乱れた模様。

 

たとえば小野寺防相は基調演説でこう述べました。

 

北朝鮮がとても先制的で肯定的な態度を見せながら、

突然国際社会のすべての平和努力を無視し武力措置を取ったことがある。

 

北朝鮮は1994年に米朝基本合意書に合意したのに

継続して秘密裏に核兵器を開発し、

2005年に6カ国協議共同合意書を出しながら

初めての核兵器実験を行った。

単純に対話に乗り出したからと北朝鮮に見返りを提供すべきではない。

 

すると宋長官がこう発言。

 

北朝鮮にだまされ続けたから

未来もだまされ続けると考えるなら

どのように(北朝鮮と)交渉し平和を創出するのか。

 

未来に向かう道で、約束を保障する見方から

いま思い切った決断をして出てくる北朝鮮を理解してくれるよう望む。

それ(注:金正恩の非核化の意志)に対して

疑問を持ち始めれば前に進みにくくなるだろう。

(誤記らしき文字を1つ削除。最初のカッコは原文)

関連記事はこちら。

 

この対立をどう評価すべきかは

アメリカの哲学者ジョージ・サンタヤナの名言を引き合いに出すだけで十分でしょう。

つまり、

過去に学ばない者は過ちを繰り返す。

 

どのように交渉し平和を創出するのか?!

何を言っているんですか、宋長官。

北朝鮮の体制が今のままであるかぎり

平和は創出されないんですよ。

それだけの話。

 

ついでに疑問を持ち始めれば前に進みにくくなるだろうと言いますが

疑問がそこまで残っているときは

不用意に前に進むべきではありません。

 

安全保障とは

こういった事柄を真面目に考えるところから始まるんじゃないですかね?!?

いやしくも一国の国防の責任者が

かくもナイーブでセンチメンタルな発言をするとは

まったく嘆かわしいことです。

 

もう少し物事をシビアに分析しておかないと

遠からず、わが親友からこう言われますよ・・・

 

「バカ野郎、だから言っただろうが」(※)個人の感想です。

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しかるに問題は

今やアメリカまで

妙に宥和的な態度を取っていること。

 

トランプ大統領が朝鮮半島の非核化について

時間をかけてもいいと発言したのは

6月4日の記事

「金正恩は泣いているのか、それとも笑っているのか? または『浅い分析Ⓒ』の絶対的必要性」

で取り上げた通りですが、

マティス長官も会談でこんな発言をしているんですよ。

 

North Korea will receive relief

only when it demonstrates verifiable and irreversible steps to denuclearization.

 

日テレNEWS24は上記の発言について、以下のように訳しました。

 

北朝鮮が見返りを得られるのは、検証可能で不可逆的な非核化への措置をとった時だけだ。

 動画つき記事はこちら。

 

これだけ見ると、

小野寺防相の側について

宋長官のセンチメンタルな発想に釘を刺しているかのようですが・・・

 

ちょっと待て!!

もとの英文を良く読んでみろ!!!

 

長官の発言において、

Verifiable(検証可能) irreversible(不可逆的な)という二つの修飾語句は

denuclearization(非核化)にかかっているわけではありません。

steps(措置)にかかっているのです。

 

北朝鮮が見返りを得られるのは、検証可能で不可逆的な非核化への措置をとった時だけだ。

という意味を持たせるには

元の英語はこうでなければなりません。

 

North Korea will receive relief

only when it demonstrates steps toward verifiable and irreversible denuclearization.

 

「ねえ、誰が訳したの? これ」(※)個人の感想です。

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だいたい「ステップス」と複数形になっている以上、

これはたんなる措置ではありません。

段階的措置です。

ついでに relief にしても、「見返り」ではなく「援助」と訳すべきでしょう。

 

つまり日テレNEWS24の訳は、言っちゃ何ですが間違いだらけ。

正しくはこうです。

 

北朝鮮が援助を得られるのは、非核化への検証可能で不可逆的な段階的措置をとった時だけだ。

 

言い替えればマティス長官は

北朝鮮の非核化が段階的なものになるのを容認したうえ、

当該の非核化が検証可能で不可逆的なものであることにすらこだわっていません。

 

そのような非核化に向けて

「検証可能で不可逆的な段階的措置」を取ったら

援助してもいいと言っているのですよ。

 

しかしこうなると、

先日、北朝鮮が行った豊渓里核実験場の爆破だって

援助の条件を満たしていることになりかねない。

 

くだんの爆破が

1)検証可能で

2)不可逆的で

3)非核化に向けた段階的措置と位置づけることができるのは

否定できないからです。

 

だいたい注目していただきたいのは

マティス長官の発言に

complete(完全な)という語句が出てこないこと。

 

すなわち長官は

完全な非核化を求めていないのはもちろん、

非核化に向けての完全な措置すら求めていないのです!!

 

にもかかわらず、

英語に不自由な者、

ないし希望的観測で目のくらんだ者がパッと読んだら

あたかも「完全で検証可能、かつ不可逆的な非核化(=CVID)を求めている」かのごとく

誤解させるような言葉遣いになっている。

 

これは一体、何を意味するのか?

 

そうです。

マティス発言から判断するかぎり

アメリカも今や、北朝鮮にCVIDを求めるふりをしつつ、

どこかで手打ちをする気になっている可能性が高いのです。

 

どこぞの総理は、これでアメリカに結束を訴えに行くんだとさ。

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「まさに奴隷ですよ! 奴隷!!」(※)個人の感想です。

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みなさん。

きたる6月12日は

かの4月27日をもしのぐ

圧倒的国辱の日Ⓒとして

歴史に刻まれるかも知れませんよ・・・

 

というわけで、ご一緒にどうぞ!

 

♬認知する〜な〜あ〜ら、ちょいと不協和音頭、ヨイヨイ♬

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だからこの世は宇宙のジョーク、あっソレ!

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なお圧倒的国辱Ⓒのインパクトに備えるためにも

以下の4冊がお勧めです。

 

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ではでは♬(^_^)♬

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