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1980年代後半ぐらいでしょうか、

国際政治学で流行った議論に

こういうものがありました。

 

先進主要国の間では

もはや戦争が起こることはない。

経済発展によって人々が豊かな生活に慣れたうえ

貿易による相互依存が進んでいるため

国益の対立を武力によって解決しようとしても

「メリットよりデメリットのほうが大きい、どうしてくれる」と

国民が反対するからだ。

 

国境を越えた経済的利害の一体化が生じれば

それだけ平和が促進される、という話です。

 

この議論がグローバリズムを正当化し、

その促進を説く意味合いを持つのは明らかでしょう。

 

とはいえ遺憾ながら

「経済的相互依存関係の進展による平和促進」論は

以下の二点を見落としていた。

 

1)国境を越えた経済的相互依存関係の進展

国境を越えた経済的利害の一致イコールとは限らない。

 

グローバリズムにおいては

経済的な覇権を握る大国ばかりが得をして

他の国は国益が毀損されるとか、

どの国でも富裕層ばかりが得をして

他の階層の人々は貧困化するといった事態が生じます。

 

経済的相互依存こそ進んでいますが

利害が一致しているとは言えないのです。

 

2)国民の反対を抑え込みやすい権威主義体制の国

武力の行使も容易なはずなので

いったん経済的相互依存関係をつくりあげたあとは

自由民主主義の国に比べて国家戦略を追求するためのカードが多く、

相対的に有利となる。

 

これがなぜ見落とされたか。

21世紀になって中国が台頭するまで

権威主義体制の国が経済発展をつづけることはありえないという

見解が主流だったのですよ。

 

人間、そこそこ豊かになれば自由がほしくなる。

だから民主化運動が起きる。

それを抑圧したら経済発展が続かない。

ゆえに政府は民主化を進めるしかない。

でなければ繁栄できず、

不満を持った人々により政権が倒されるからだ。

とまあ、そんな理屈。

 

ところが、そうじゃなかったんですね。

 

武力の行使に限った話ではありません。

通商対立が激化し、

互いに経済制裁を加え合うような事態になったときも

権威主義国のほうが有利か、

少なくとも持久力は高いはずなのです。

 

自由主義国のほうが経済規模において十分勝っていれば

それでも大丈夫でしょうが

差が縮まってきたら、果たしてどうなるのか。

 

以上を踏まえて、どうぞ。

 

アメリカ、台湾にF16戦闘機を売却へ

(ハフポスト、18日配信)

 

トランプ米政権は15日、

湾に新型のF16V戦闘機計66機を売却する方針を、

米議会に非公式に通知した。

総額80億ドル(約8500億円)で、

戦闘機の売却決定は1992年以来。

台湾との安全保障協力を強める狙いだが、

台湾との統一をめざす中国が、

米国との貿易紛争や香港問題で姿勢を硬化させる恐れがある。

元の記事こちら。

 

米議会は台湾支援の意見が強いので、

公式な通知があれば承認される見込みが高いとのこと。

 

じつはトランプ政権、

7月の時点で台湾にたいし

MIA2エイブラムス戦車108両など

22億ドル相当の武器を売却することを

議会に通知したばかり。

関連記事こちら。

 

F16V戦闘機についても

じつはこの時点で

非公式に売却を承認したという見方が強かったそうですが

この見方は正しかったわけです。

 

台湾の蔡英文総統いわく。

とても喜ばしく、非常にありがたい。

十分な防衛能力を保有してこそ、平和を保てる。

 

他方、中国の華春螢報道局長いわく。

中国の主権と安全保障上の利益を害する。

売却をやめなければ強く反応する。

責任はすべて米国が負うことになる

 

さらに19日には

中国外務省の耿爽副報道局長が

直ちに武器売却計画を取り消すよう促す

と記者会見で発言しました。

関連記事こちら。

 

じつは8月1日いらい、

中国は国内47大都市に居住する者にたいして

台湾への個人旅行を当面停止する措置に出ています。

関連記事こちら。

 

他の地域に住んでいる者はいいのか?

という感じですが

47大都市居住民以外は

そもそも台湾への個人旅行が許されていないので

要は台湾への個人旅行禁止。

 

そうか、だったら台湾旅行は今が狙い目だ!

台湾に行きたいわん!!

という反応を見せたメディアもあります。

たとえば、こちら。

 

ただし台湾個人渡航禁止について記事を書いた

遠藤誉さんによれば

事態はそんな甘いものではないとか。

どうぞ。

 

中華人民共和国国防部(中国の中央行政省庁の一つ国防部)は

7月24日「新時代の中国国防」白書なるものを発布した。

 

この国防白書に基づいて7月31日の国防部ウェブサイトには

「祖国の完全統一を実現することは、

絶対に阻止してはならない歴史的大勢である」

という論評が掲載された。

 

この論評、以下のような内容だったとか。

 

中国の軍隊は、絶対に祖国統一を守るためなら、

いかなる犠牲をも惜しまない。

台湾問題は中国の主権と領土保全に関わる問題だ。

 

白書は、「われわれは武力を使用することを放棄することを認めない」

と強調している。

台湾同胞を台独(注:台湾独立)分裂分子から守るために、

すべての選択肢を残していることを忘れてはならない。

 

トランプ政権によるF16V売却も

このような中台関係の緊張を受けたものでしょう。

 

しかしこれをもって、

アメリカはしっかり中国を抑え込むつもりだ!

ざま見ろ、習近平!

などと喜んでいいものか。

 

アメリカ通商代表部は8月13日、

9月1日に発動するはずだった対中追加関税について

一部を12月15日まで延期すると発表しています。

関連記事こちら。

 

BBCいわく。

ドナルド・トランプ米大統領は報道陣に対し、

今年のクリスマス商戦でアメリカの消費者に

打撃を与える(のを防ぐ)ためでもあると、

延期の理由を説明した。

(カッコは英語原文をもとに私が補いました)

 

米中の対立に伴う

世界的な経済停滞への懸念が高まる中での、

米政府の発表となった。

USTRの発表に先駆けて米投資銀行ゴールドマン・サックスは11日、

米中貿易戦争が景気後退(リセッション)を引き起こす不安が

高まっていると警告していた。

 

いかに国益が対立しようと

経済的な相互依存関係ができあがったら

自由主義国は強く出にくい。

先に述べた論点通りではありませんか。

 

ついでに香港問題についても

トランプは18日にこう述べている。

 

天安門事件のようなことがまた起これば、

(貿易問題をめぐる中国との)ディール(取引)ははるかに難しくなる。

元の記事こちら。

 

時事通信の記事の見出しには

「香港デモで中国けん制」とありますが・・・

おい、ちょっと待て!

 

天安門事件って、人民解放軍による反政府運動の武力制圧だぞ。

犠牲者の数は、長らく数百人〜1000人以上とされていたものの

2017年にイギリスが公開した外交文書によれば少なくとも1万人。

関連記事こちら。

 

で、貿易をめぐるディールが難しくなる、だと?!

天安門事件のようなことがまた起きて、それだけかい!!

 

「とても爽快です、ミスター・プレジデント」(※)お姉さまのお言葉です。

 

ついでに19日、

つまり香港問題について中国を「牽制」した翌日、

トランプはこうツイート。

 

We are doing very well with China, and talking!

中国とはとてもうまく行っている、ついでに交渉中だ!

元のツイートはこちら。

 

で、誰がどこを牽制しているって?

 

言っちゃ何ですが

香港問題をめぐるトランプの発言は

よしんば北京が武力制圧に踏み切っても

アメリカはそれほど強い反応を示さない

暗にほのめかしているとしか思えません。

貿易交渉で中国が譲歩すれば、とくにそうでしょう。

 

しかしこうなると

台湾に関するトランプの姿勢も

ちと疑わしくなってくる。

 

「台湾との安全保障協力を強める」と言うが、

トランプにとっては

これも8500億円のディール、

つまりカネ儲けにすぎないかも知れません。

 

台湾が自国を守ることができれば、それはそれでよし。

ただし守れなかった場合は

あくまで台湾の自己責任であり

アメリカは(とりあえず非難ぐらいはするが)

通商で十分に譲歩したら

台湾について事実上、容認してやるよ

というディールを中国に持ちかける。

これがトランプのホンネではないのか。

 

しかるに問題は、これが台湾だけですむ保証があるかどうか。

遠藤誉さんは、こう警告します。

 

(人民解放軍の)軍靴の足音は、既に目の前まで迫っている。

台湾が飲み込まれれば、次に狙われるのは第一列島線だ。

安倍首相は習近平国家主席に「一つの中国」を守ることを何度も誓っている。

すなわち、「台湾の独立を絶対に認めず、台湾は北京政府のものだ」

ということを誓っていることに相当するのだ。

再び問う。日本はこのままでいいのか。

 

「第一列島線」とは中国の軍事戦略上の概念で

九州、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたるライン。

台湾統一が達成されれば

この線の中央に橋頭堡が築けます。

 

で、アメリカがこんな戦略を取ったらどうします。

1)日本はビビるだろうから、兵器をどんどん売る。

2)ついでに通商交渉でも、どんどん譲歩させる。

3)日本が自国を守ることができれば、それはそれでよし。

4)ただし沖縄や九州が中国に飲み込まれたら、あくまで日本の自己責任。

5)その場合は適当な理由をつけて、当該地域を安保条約の適用対象から外す。

6)そして中国にたいして「通商で十分に譲歩したら、

  沖縄や九州については事実上、容認してやるよ」と・・・

 

「それでもきっと、みんな日米同盟の絆を信じるわよ」(※)お姉さまのお言葉です。

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そうです。

アメリカに防衛を頼れば頼るほど、

いずれ切り捨てられるリスクは高まりかねないのです。

 

「嘘よ、そんなの! ご主人様は私に感銘を受けているの!}(※)お姉さまのお言葉です。

 

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