アメリカのSFテレビドラマ
「トワイライトゾーン」は
みなさまも多分、ご存じでしょう。
1959年〜1964年にかけて放映され、
高い人気を得た一話完結のシリーズ。
1983年には映画版がつくられ、
1985年と1992年には新シリーズが放映されました。
ちなみに映画版は全4話のオムニバスでしたが、
ジョン・ランディス
スティーブン・スピルバーグ
ジョー・ダンテ
ジョージ・ミラー
という、じつに豪華な監督陣でした。
オリジナルのシリーズは
日本では「未知の世界」とか
「ミステリー・ゾーン」という題で放映されましたが
今ではこちらのタイトルを知っている人のほうが少ないでしょうね。
それはともかく・・・
イギリスの新聞「サンデー・ヘラルド」のテレビ欄に
こんな番組案内が出ました。
どうぞ。
ドラマ「大統領トランプ:就任式」
(注:1月20日)午後4時より BBC第一とSTVにて
長年のブランクを経て、
あの「トワイライトゾーン」がテレビに帰ってくる。
しかもテレビ史上屈指の予算をかけた
野心的かつ挑発的なドラマをひっさげて。
SF作家たちは長らく、
現実の世界とは異なる歴史が展開される
パラレルワールドを描いてきた。
代表的なものは
「もしナチスが第二次大戦に勝っていたら」というものである。
しかし今回の「トワイライトゾーン」は、
現実の世界とは異なる現在を描こうとする。
それも今後4年間、
テレビ、新聞、ツイッターなどを駆使した
双方向バーチャル・リアリティドラマを繰り広げるのだ。
物語は悪夢のようなパラレルワールドを舞台にしている。
この世界では2017年、
アメリカの有権者の多くが
何らかのプロパガンダに引っかかって
ドナルド・トランプを大統領に選出してしまうのである!
荒唐無稽に聞こえるかも知れない。
いや、たしかに荒唐無稽なのだが、
ドラマが展開するにつれて
すべては不気味なくらいのリアリティを帯びてくる。
第一話は2時間スペシャル。
トランプ大統領の就任式を中心に
ワシントンDCに集まった人々の抗議や絶望、
さらには世界の未来をめぐる
専門家の陰鬱な予測などが描かれる。
作品の出来は完璧ではないが
民主主義がひとつ間違えると
どんな恐ろしい状況を引き起こすかをめぐる警告として
一見の価値はあるだろう。
d(^_^)\(^O^)/見上げた番組案内じゃないか\(^O^)/(^_^)b
この新聞、
現代の世界に対処する最も賢明な方法は
すべてを純然たる虚構と見なすことだ
という、
J・G・バラードの教えをしっかり実践しているようです。
ちなみに。
ナチスが第二次大戦に勝った世界を舞台にしたSFの傑作のひとつに
フィリップ・K・ディックの「高い城の男」があります。
この作品、
アメリカでは現在テレビシリーズになっているはずですが
高い城の男というタイトル、
どことなくトランプ・タワーを連想させませんか?
あと3日で世界は
トワイライトゾーンに突入するのかも知れませんよ・・・
ではでは♬(^_^)♬
7 comments
widelogy says:
1月 17, 2017
「トワイライトゾーン」をよく知らない私は、Wikipediaの記事をちらと読んでみました。
すると、米国(とフランス)のディズニーパークには「The Twilight Zone Tower of Terror」というアトラクションがあるそうな。
ところで、これは有名な話ですが、「ディズニーランドは日常から切り離された架空の世界を冒険するというコンセプト」によって徹底した運営がなされています。
さてこうしてみると「トワイライトゾーンへの突入」とは、虚構の現実への侵食、そして「恐怖の(トランプ)タワー」という「アトラクション」に世界は入場することを意味している・・・ということでよろしいでしょうか?
注:「The Twilight Zone Tower of Terror」は「フリーフォール型アトラクション」だそうです
tinman says:
1月 17, 2017
最初の朝
-あと72時間-
tinman says:
1月 17, 2017
最初の朝
-あと72時間-
(ムジュラの仮面)
福岡ワマツ says:
1月 17, 2017
トランプ氏の大統領就任をtwilightと見做す立場からは、4年後の退任がdawnであり、それまでの期間はnightであるようにおそらく感じられることでしょう。まさに「一寸先は闇」といった心境でしょうか。
しかし一方で、就任式当日からのnightには”Saturday Night Fever”といった趣でトランプ劇場がフィーバーすることもあり得ます。nightにはnightなりの楽しみ方もありますから。
とはいえ、当日は金曜日ということもあり、日本人の私としては寧ろ”Friday night fantasy”(金曜ロードショーのOPテーマ)といった趣でトランプ劇場の開幕を待つ心境です。ただ、その心境は、わくわく感というよりは、怖いもの見たさの好奇心といった感じですけれどもw
SATOKENJI says:
1月 17, 2017
そう言えば、
トワイライト・サーガ
というのもありましたね。
tinman says:
1月 21, 2017
【蛇足】
ムジュラの仮面(2000年4月27日)は「ジュマンジ」の影響を受けているそうです。(1)
また、当時のインタビューでドイツ映画「ラン・ローラ・ラン」(日本公開1999年7月10日)にも触れられています。(2の6)
すでにプロットは完成していて影響こそされなかったそうですが。
そしてゼルダ時系列上の続編が「トワイライトプリンセス」(2006年)。
1:ゼルダの伝説 ムジュラの仮面、名前の由来、北朝鮮の影響など (ゲームログ)
http://ga-m.com/n/zelda-mujyura-name-yurai/
2:宮本茂+青沼英二+小泉歓晃インタビュー(ほぼ日刊イトイ新聞)
http://www.1101.com/nintendo/nin11/
玉田泰 says:
1月 27, 2017
英国人らしい皮肉たっぷりですねw