最近、こんなツイートを見つけました。
いわく。
チャン・ツィイー(章子怡)が
自身の微博上に
ゴジラと自分のコラージュ写真を掲載。
「これからは姐さんが面倒見てやるよ」と、
涙を流すゴジラ(大戦争ゴジ)の肩に手を置く姐さん、
カッコイイ!
ツイート中、
「大戦争ゴジ」とあるのは
写真に登場したゴジラが
1965年の『怪獣大戦争』に登場したものであることを指しています。
ついでに微博(ウェイポー)とは
中国語圏最大のSNSなのだとか。
そしてご存じの方も多いでしょうが
チャン・ツィイーと言えば
中国を代表する若手美人女優のひとり。
「ラッシュアワー2」や「SAYURI」など
ハリウッドでも活躍しています。
ちなみに「SAYURI」は祇園の芸者の一代記ですが
しっかり主演を務めていました。
鈴木清順監督の日本映画「オペレッタ狸御殿」でもヒロインを演じています。
このところ、ちょっと活動が低調だったものの
どうしてまたゴジラに
「これからは姐さんが面倒見てやるよ」
などと告げたのか?
じつはチャン・ツィイー、
2019年公開予定のハリウッド版ゴジラ映画
「GODZILLA: KING OF THE MONSTERS」
に出ることが発表されたのです。
しかるにハリウッド版ゴジラの製作会社
レジェンダリー・ピクチャーズは
2016年1月、
中国のコングロマリット「大連万達グループ」に
35億ドルで買収されている。
大連万達グループは
今や中国はもとより、
アメリカやヨーロッパにおける
最大の映画館運営会社ともなっており
さらに「中国版ハリウッド」とも呼ばれる巨大映画村
オリエンタル・ムービー・メトロポリスを
8000億円かけて青島に建設中。
そろそろ開業する予定のはずです。
そしてここで最初に撮影される映画のひとつが
「GODZILLA: KING OF THE MONSTERS」。
つまりですな、
きたるゴジラ映画は
「ハリウッド版」とは言うものの、
中国資本の製作会社によって
中国のスタジオで撮影され
中国資本の映画館チェーンで世界公開されるのです。
ずばり言ってしまえば、中国版ゴジラなんですな。
そこに中国を代表する若手美人女優のひとりである
チャン・ツィイーが出る。
まさに「これからは姐さんが面倒見てやるよ」ではありませんか。
要するにゴジラは
チャン・ツィイー、
ないし中国に完全に手なずけられたのです。
とはいえこんなことは、昨年の段階から見えていた。
こう言っては何ですが、
私は昨年8月にチャンネル桜に出た際、
すでにゴジラが「中国化」する可能性について述べています。
9月、同局の討論番組に出た際にも
「シン・ゴジラ」を引き合いに出しつつ
このような自閉性の強い作品が
日本国内で当たったからといって喜んでいるのは
ガラパゴス的な自閉に満足しようとするにひとしく、
結果的には、ゴジラをアメリカに差し出すことになるだろう
と明言しました。
しかるに藤井聡さんを別とすれば
パネリストの方々は
私の言っていることが理解できなかったか
あるいは、理解したくなかったご様子。
ガラパゴス的自閉を実践されているものと拝察しますが
だからといって不都合な現実がなくなるわけではありません。
現に今年3月16日のブログで書いたとおり
「シン・ゴジラ」の海外興行は大コケしたのです。
そんなこと、フタを開けてみなくとも
作品を観るだけで見当がつきそうなものなのですがね。
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!
真面目な話、この状態が続けば
いずれはゴジラどころか
日本の保守派まで
チャン・ツィイーから
「これからは姐さんが面倒見てやるよ」と
言われちゃうんじゃないですかね?
たとえばアメリカと中国が手打ちして
共同で日本を支配すると決めた時とかに。
で、そのとき彼らはどう反応するか。
そうです。
涙を流して喜ぶのです!!
そんなことを言われるころには
対米従属=中国従属の図式ができあがり
中国に手なずけられ、向こうの飼い犬になることこそ
わが国の保守派が自閉的幻想にひたりつづける唯一の道となっているに
違いありませんので。
まさにサカミチワヅカというやつですが
世の中、暗い話ばかりではありません。
佐藤健志・藤井聡共著
『対論「炎上」日本のメカニズム』、
文春新書より本日発売です!!
達増拓也・岩手県知事によれば
今の日本を救うのに必要な書
ですからね。
ついでにトークショー
「歴史に筋を通す〜勝手にしやがれ、天下国家!」は
いよいよ木曜日の開催です!
ではでは♬(^_^)♬
5 comments
kazu says:
6月 20, 2017
おはようございます。
昨今話題のモリ・カケ問題ですが、炎上の格好のネタの様に思います。
ところが一向に火がつかない。
自分を絶対正義の立場に置いてカタルシスを味わう絶好の機会の様に思うのですが何故でしょう?
炎が燃え広がるには触媒が必要なんでしょうか?
本件においては触媒ではなく、一部マスコミによる消火活動(ex前川氏への個人攻撃など)が行われているためでしょうか?
ご意見をお聞かせいただければと思います。
SATOKENJI says:
6月 20, 2017
簡単に言ってしまえば、
現政権へのアンチ炎上は、きわめて起こりにくいのです。
その理由については
『対論「炎上」日本のメカニズム』第六章、
とくに161ページ以降をどうぞ。
マゼラン星人二代目 says:
6月 20, 2017
>「大戦争ゴジ」
紛いもの。ゴジラの面汚し。そんなに欲しけりゃ熨斗つけてくれてやる、
われわれには、無印(1954年)とシン(2016年)だけが手元にのこればそれでいい、
などと敢えて民族派的な口吻で「自閉的に」呟いてみる。
>無印(1954年)
これだって、人間パートを差しかえなければ海外で流通しなかった。(多分)
momo says:
6月 20, 2017
最近感じるおかしな風潮があるのですが、日本人の対中嫌悪が小さくなっているように思うのです。
私はネットのカキコミを大衆の本質や欲望と看做して、世の中の潮流を見ています。特にヤフーのコメント、ヤフコメは流された民意であり大衆の総意だと考えています。
ヤフコメしかりテレビや新聞などでは、主に経済的な側面を持って中国上げをしています。中国バブル崩壊危機で日本経済は崩壊するだとか、中国がなければ日本の経済は成り立たない!とまで。それに対するヤフコメの反中の声が年々小さくなっているように感じています。
これだけならまだしも、一方で対韓嫌悪は膨れ上がっているのです。保守派やネトウヨは口を開けば韓国北朝鮮がどうのと、敵がまるで韓国や北朝鮮かのように。
北朝鮮はともかくとして、韓国は敵国でも脅威でもありません。
思うに、保守派は自分らのイデオロギー的に韓国や北朝鮮を見下している、あるいは見下したいと思っているのではないでしょうか。一方で中国に対する嫌悪感を露骨に出せない、そういう感情が薄れてきているとなれば、いよいよ中国の日本侵略も大詰めにきているのでは。精神的な部分は相当支配されているようです。
SATOKENJI says:
6月 20, 2017
要するに、
「自分の方が上」と思える相手だけをことさら敵視する
ということではないでしょうか。