『対論「炎上」日本のメカニズム』の結論では
炎上の持つエネルギーを制御し、
良い方向に転換してゆく方法の一つとして
人々がハメを外し、楽しくイカれることができる場を
社会的に確保すること
が挙がりました。
ハメを外し、楽しくイカれる
とは
日常や現実の制約を相対化することで
自分のあり方を自由な視点から見直す
と言い替えてもいいのですが
そんな小難しいことを考えている間は
楽しくイカれるなど無理。
つまり人間は
本当に真剣な生き方をしたければ
定期的にイカれてバカにならねばならない
という
パラドックスを抱えた存在なのです。
関連して想起されるのが
1960年代末期から1970年代はじめにかけて
左翼・リベラル系の文化人が
「都会に密室を作りうるか」というコンセプトにこだわったこと。
密室の中で、よからぬことでもするつもりか?
・・・と思った方もいるでしょうが
キーワードは「都会に」。
人目につかず、よからぬことをしたいだけなら
人里離れた田舎に行ってもいいのです。
なぜ、わざわざ都会につくることにこだわったのか?
ここでポイントとなるのは
高度成長期の「都会」が
近代化・欧米化のひときわ進んだ場所
という意味合いを強く持っていたこと。
すなわち「都会に密室を作りうるか」とは
近代化・欧米化の流れを正面から受け止めたうえで
それを相対化し、
近代日本人としての自分のあり方を自由に見直すことは可能か
と読み替えることができるのです。
けれども左翼・リベラル系文化人は
やはり生真面目すぎたというべきか
そのような相対化を行う際には、イカれてバカにならねばならない
ことを(多分に)見落としてしまった。
ついでに密室でやることも
革命計画の準備か
でなければフリーセックスぐらいしか思いつかなかった。
この発想の貧困が、彼らを衰退に追いやったと言えるでしょう。
・・・したがって昨日のトークショー
「歴史に筋を通す〜勝手にしやがれ、天下国家!」も
中身のある話をしつつ、みんなでイカれてバカになる場をつくろう
というのがコンセプト。
好都合なことに
会場となった新宿レフカダは
ビルの地下にあることも手伝い、なかなかに密室的な空間です。
(↓)右奥のカーテンが、「ツイン・ピークス」の異次元空間を思わせるのに注意!
この画像では
正面にテーブルが置かれていますが
いわゆる講演風にするのはやめようということで
開演前に取り払い、
かわりにミラーボール(画像の中央上をどうぞ)を回転させることに。
学校の授業じゃないんだから、
メモを取りつつ謹聴したりせず
酒でも飲みながら話のノリを体感せよ!
というわけです。
そして嬉しいことに、
司会の saya さんが
このコンセプトにしっかり乗ってくれたんですね。
今回のトークライブ、
保守派は左翼・リベラルに比べてもリズム感が悪い
という話題から始まったのですが
うまく進行をリードし、場を盛り上げてくれました。
saya さんは以前より
本当に納得できないかぎり、どんな理屈も受け入れないという
純情な頑固さがあるものの
複雑な論理を納得できるかどうかは
思考にリズム感があるかどうかにかかっている
という発想に共鳴してくれた模様。
しかも後半になるや、
何杯かビールを飲んでほろ酔い気味になった藤井聡さんが
スペシャルゲストとして登壇!!
内閣官房参与としてのストレスを一気に晴らしたくなったか、
いきなりブルースを歌い出すわ
オタク的一面を吐露して saya さんを仰天させるわ(※)
会場からの質問に答えて「永遠の0」をさんざんこきおろすわと
ほとんど「明日なき暴走」状態でしたが
それこそ、ショーの狙いそのもの。
(※)どうもオタクが苦手というか、受け付けないようなのです。
昨晩、われわれはみごと
都会に密室を作ったと言えるでしょう。
ご来場のみなさん、
および saya さんに藤井さん、
どうもありがとうございました。
なお終演後、近くで開かれた懇親会には適菜収さんも登場。
これまた、楽しい盛り上がりを見せました。
(↓)懇親会会場にて。みんな何となく右傾していますが、深い意味はありません。
主催団体「カルティベイトの会」は
すでに第二弾も企画しているとのこと。
あのノリをもう一度味わいたい!
とお思いの方、
および
どういうノリなのか体験してみたい!
とお思いの方は
その旨を同会まで、ぜひお伝え下さい。
ではでは♬(^_^)♬
(↓)開演直前のツーショットです。
7 comments
D says:
6月 24, 2017
第二弾も開催予定ということで、嬉しくて、そしてまた、ホッとしています。
sayaさん、今は黒髪(少しライトな感じはしますが)なんですね。やはり大和撫子は黒髪ですよ!黒髪は、とっても綺麗。
都会どころか、今は田舎にだって「密室」があるかは大いに疑問ですが、そのコンセプトは何とはなしに分ります。私が〇十年前に上京した時は、まさにタイムスリップをしたようでしたもの。同時点にいながら、東京は、良くも悪くも、30年先の未来の姿のようでした。
タイムマシンは、デロリアンでもなく、机の引出しの中に飛び込んで乗る畳状の機械でもなく、ただの鉄道でした。だから、その先の都会に「密室」を作るなんて、何とも粋な話じゃないですか。
これは私の持論なのですが、都会にも、「隙」があるし、あるべきなんです。例えば、東京にはやはり「隙」が少なく、横浜に行くと、かなり多くなる。私はそういう「隙」を突くのが大好きです。
今や田舎でも蛍が激減してしまいましたが、昨夜は情報を得て、わざわざ車を出し、山を迂回した裏の沢で、源氏蛍の乱舞を見て参りました。母は、「60年前(!)を思い出した!」と言って大喜び。私も久方振りに明滅する数多の蛍光を見て、感動で涙が。
私は相変らず頓珍漢ですが、、先生、今や田舎にだって、「密室」が必要な世かもしれませんよ!
Daniel says:
6月 24, 2017
佐藤先生、済みません。先ほどの投稿は、タイプミスをしていて、名前が「D」となっていますが、私「Daniel」のものですので、ご訂正していただけると有難いです。
何卒よろしくお願い致します。
SATOKENJI says:
6月 24, 2017
サイトの設計上、名前の訂正はできないので、代わりにこのコメントを掲載します。ご了承下さい。
Daniel says:
6月 25, 2017
ありがとうございます。
Daniel says:
6月 24, 2017
>(※)どうもオタクが苦手というか、受け付けないようなのです。
sayaさん、これまでにそれで嫌になった経験がきっとおありなのでしょうが、、凡そ男は、「重いオタク」か、「軽いオタク」かしかいませんよ。程度の差があるだけです。
であれば、「受け付けない」のは、オタクではなくて、男性そのもの、ということになりそうです。sayaさんほどの美人であれば、言い寄る男性も数多でしょうが、、それでは結婚できませんよ。美人が必ずしも結婚できないのは、ひょっとすると、そういうことが原因なのかもしれませんね。
賛否両論あるでしょうが、私は、結婚は、20代ですべきものと思います。
SATOKENJI says:
6月 24, 2017
>凡そ男は、「重いオタク」か、「軽いオタク」かしかいませんよ。
>私は、結婚は、20代ですべきものと思います。
(※)個人の感想です。
GUY FAWKES says:
6月 24, 2017
先日は本当にありがとうございました、あんなにもラフで砕けたトークライブは生まれて初めてです。
インフューラー(土木総統)こと、三s…じゃなくて藤井先生のサプライズ(喜ばしき予定調和)登壇も最高でした。
佐藤先生のご厚意に甘えて最前列で些か失礼な賑やかし役をやらせていただきましたが、
また先生方の偉大なるバカ騒ぎを心待ちにしておりますorz