「FRONT JAPAN 桜」、いかがでしたか。
浅野久美さんとのコンビネーションも、
前回よりぐっと自然になったと思います。
ちなみに後半のテーマ
「親米は浮気である」は
浅野さんが新経世済民新聞に書いたメルマガ
「男女三角社会」に触発されたもの。
浅野さんが展開した不倫をめぐる話を
日米関係に当てはめたらどうなるか、というわけです。
「EMBRACING DEFEAT」のジョン・ダワー教授も、
「日本がアメリカを赦す日」の岸田秀さん(心理学者)も、
日米関係を男女の仲になぞらえていますからね。
余談ながら浅野さんによると
私は「美男」ではなくて「美人」なのだそうです。
髪を切ってもその点は変わらないとのこと。
それはさておき。
2017年も、いよいよ残りわずかとなってきました。
今年がどんな年だったか、
ちょっと面白い方法で振り返ってみましょう。
つまり、新経世済民新聞に寄稿したメルマガの記事タイトル。
これをずらっと並べてみると
見えてくるものがあると思うわけです。
まずは1月〜3月。
最近の紅白がつまらない理由(1/11)
ドナルド・トランプと「柔らかい官能」(1/18)
日本外交は冷静で、つねに用意周到らしい(1/25)
日本は良くも悪くも戦前になど回帰しない(2/1)
左翼・リベラルに同情せずにはいられない話(2/15)
稲田防相のWW(訳分からない)答弁(2/22)
売国と亡国のサンバ、またはリベラルの移民反対論(3/1)
ブーメランをあげつらうというブーメラン(3/8)
震災復興と地政経済学(3/15)
「変」のパワーを活かす方法(3/22)
さらば、愛の行為よ(3/29)
何というか、このころはまだ平和でしたね。
稲田防相のWW答弁など、スーダンPKOに関するもの。
つまり北朝鮮問題が、まだ前面に出ていなかったのです。
ただし保守と左翼・リベラルの相互依存関係は、
すでに目立ち始めていました。
稲田さんは国会で
「戦闘」と言うと憲法上の問題が生じるから「衝突」と言ったなどと、
ついつい口にしてしまったわけですが
現実より憲法のほうを優先させる点で
この発想、ずばり護憲派左翼のロジックそのものではありませんか。
こうして出てくるのが、「敵への心理的依存と思考停止に関する平松テーゼ」Ⓒ。
おさらいしておきましょうか。
自分(たち)よりも明白に劣っている存在、
ないし
自分(たち)と違って、明白に間違っている存在
を設定し、
○○だから劣ってる
○○は間違っているに違いない
○○だったら、どんな攻撃をしても許される
○○が褒めるものは間違っている
という形で
自分(たち)の正しさを確認しようとする者は
相手が劣っていること、
ないし間違っていることを
みずからのよりどころにするため、
否定しようとしているはずの
当の相手の存在に
いつしか依存しはじめる。
とはいえ、この点を認めてしまうと
自分の立場が破綻してしまうので
これについては
1)ひたすら考えないように努め
2)他人から指摘されるとキレてごまかす
思考停止の状態に陥る。
思考停止に陥った者が、経世済民で結果を出すことはありえません。
そして「右も左も結果を出せない」状況で浮上するのが
北朝鮮危機だったりするわけです。
4月〜6月行きましょう。
平松テーゼとジャン=リュック・ゴダール(4/5)
戦後ニッポン三原則とは何か(4/12)
大国民の襟度(きんど)(4/26)
「日本の防衛は万全だ」と閣議決定せよ!(5/3)
今村前復興相をめぐる勘違い(5/10)
風が吹くとき、または実感なき危機意識(5/17)
「私、日本人で良かった」の大笑い(5/24)
炎上とツイン・ピークス(6/7)
炎よ、われと共に歩め!(6/21)
カール全国販売中止と炎上の制御(6/28)
防相に続いて、しょうもない発言をやらかしたのが
復興大臣だったというのは
考えてみれば象徴的。
国防もそうですが、
大災害からの復興も、
経世済民の要というか、安全保障の基本のキ。
それを担当するはずの大臣が
不用意な発言をどんどんしてしまう。
こんな体たらくでは
いかに万全の体制で国民を守り抜くなどと見得を切ったところで
万全の中身も知れたもの、というやつであります。
弾道ミサイル対策をめぐる政府のQ&Aが、
笑えないぐらいに笑うしかないお寒い内容になっていたのも
当然と評さねばなりません。
そして北朝鮮危機により、
日本は文字通り、炎上の危機を迎えるにいたる・・・
7月から先は次回ということにしますが、
まったくもって
戦後のジャップ!
よるべなき民
国を保守することあたわず
であります。
というわけで、
例によって以下の3冊をどうぞ。
なお一昨日の記事
「フリードリッヒ・リストの晩春、または新しい『表現者』へ」でも書いたとおり、
今週は23日にもチャンネル桜に出ます。
そこのところ、よろしく!
ではでは♬(^_^)♬
5 comments
momo says:
12月 21, 2017
私は世代的に保守の横暴と無能ぶりしか見てきていません。
民主党は自民党の焼き直しですから、本質的には左翼ですが立場的には保守と同じ事をしていましたし。
でも保守サイドに左翼的、リベラル的な価値観が蔓延しているのは感じ取れます。
果たして左翼は負けたんでしょうか?左翼の名を捨て実を取り、世の中の価値観を変革する事に成功していませんか?
アメリカでは極左が保守を名乗っているそうですが、ほとんど全く同じ状況ではありませんか?
まあアメリカの属国に意見の相違なんてないと言われればそうですが。
豆腐メンタル says:
12月 21, 2017
さらにスムーズな先生の2回目。ここを読んでからの”桜”は復習です。
また今回は、新経世済民新聞の浅野さんのコラムにまで敷衍し、まるで天声人語のようだと関心しました。笑
お話は共に理念にまつわる深いテーマ。
右派や左派、国や個人、保守や革新、過去や未来、力と想い、男と女、本気と浮気などなど。。複雑に絡み合ったベクトルを解すのは凡人には無理。美の追求者が恍惚と縁を切るぐらい難しいと思うのです。
振り返れば、「財政再建派」「構造改革派」「積極財政派」は、何のために存在するのか考えさせられた今年でした。
…ということで勝手な2017年前半のMVP(モーストバリュアブルページ)は『すべての道が日本否定に通じるなか、適菜収さん・中野剛志さんと飲む』6/17
の救いようのなさに一票。「今年は来年より良い年になるでしょう」が名言と化してゆく。ハメを外さないと。。
tinman says:
12月 22, 2017
番組面白かったです。
“親米”(13分13秒前後)で「英国王のスピーチ」を思い出しました。
ということで、「ヒトラーに屈しなかった国王」も観に行こうと思います。
「ナショナリズムが外国人によって強められる」ことを期待して。
もちろん『さよならの朝に約束の花をかざろう』も観に行きますよ!
tinman says:
12月 22, 2017
(親米だけでもネタバレのおそれがあると後から思ったのですが、
だからといって親独と書くと余計にわけがわからなくなります。
杞憂です。”親米”佐藤先生が承認されたのだから。ごめんなさい。)
tinman says:
12月 22, 2017
訂正:”親米”「で」佐藤先生が承認されたのだから。
荒らしてごめんなさい。