シンセサイザーを使った作品で有名な
作曲家・冨田勲さんが死去しました。
ご冥福をお祈りいたします。
今年は1月のデイヴィッド・ボウイを皮切りに、
ジョージ・マーティンやプリンスなど
音楽業界で大物が次々に亡くなっているのが
寂しいかぎりです。
冨田さんの作品で
私の印象に残っているのが
1974年の映画『ノストラダムスの大予言』のスコア。
公開当時にLPが出たあとは
1990年代にCDが出たきり(たぶん)なので
今となっては、あまり聴く機会はないかも知れませんが
妖しくも神秘的な
幽玄の音楽となっています。
しかるにですな。
前から気になっているのが
この映画のメインテーマと
1990年代に人気を呼んだアメリカのテレビシリーズ
『Xファイル』のメインテーマとの類似性。
こちらはマーク・スノーという人の作曲ですが
テンポやアレンジこそ違え
基本の曲想が良く似ているのです。
もしかしてスノーさん、
どこかで『ノストラダムス』の曲を聴いて
それが記憶に残っていたのではないでしょうか?
人類の未来をめぐって
隠されていた巨大な真実が明るみに出るという点で
二つの作品のコンセプトには共通項がある。
ならばメインテーマを作曲する際、
あるいは自分でもそうと意識しないまま
冨田さんのメロディに影響を受けるということは
ありうると思うのです。
関連してご紹介したいのが
『宇宙戦艦ヤマト』のスコアをめぐる
作曲家・宮川泰さんのコメント。
それによれば
ヤマト発進のテーマとなったメロディは
ポール・マッカートニーが007映画のために書いた曲に
ヒントを得たのだそうです。
となれば当然、
『死ぬのは奴らだ』(LIVE AND LET DIE)となりますが、
なるほど、これは聴けばすぐに分かる。
ポールが「♪ LIVE AND LET DIE〜♪」と歌い上げたあと
長めの間奏が入るのですが
その出だしのメロディがヒントでしょう。
どんどん高く上ってゆく感じが
ヤマト発進のテーマに通じています。
こういった影響の与え合いこそ
文化を豊かにするものではないでしょうか?
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
玉田泰 says:
5月 9, 2016
冨田勲さん亡くなられましたか。
壮大な音楽性で世界に名を轟かせた方でしたね。
そして未だにネットニュースでの号外に接してから、心の傷が癒えないのがプリンスの死。
パープルレインでの大ブレイク後も守りに入らず、果敢に音楽的挑戦を続けてリスナーもそれにしっかり着いていくと言う、大黄金期を体験した者として、更にここ最近の動向から再びの本気モード、第二の黄金期か? と個人的に盛り上がって居ただけに、悔やみ切れません。
それからボウイ。新譜リリースの際の、バックにジャズミュージシャンを従えた新境地、との情報を受けてネットで注文した後の突然の訃報。訳も分からず届いたアルバムを聴いたところ、自分の死後へのメッセージのような部分は確かにあるものの、全体的には新しい音楽スタイルの獲得に対する喜びに満ちた瑞々しい楽曲の数々。二重三重に驚愕しました。
ボウイもプリンスも、どこの誰かも判らない「あなた」とダイレクトに繋がろうと切望したアーティストでした。
共に、自身の死すら表現の一部にしてしまった観があります。人はそこまで自らの表現に真摯に向き合えるものなのでしょうか?
偉大なる先人達の死を悼みます。
SATOKENJI says:
5月 9, 2016
ボウイはプリンスについて、
「あれだけ様々な要素を取り込んだ音楽を作りたがるアーティストは、オレ以来はじめてだ」
と評したことがありましたね。