『平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路』

おかげさまで本日もAmazon日米安全保障部門では2冠です。

 

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二週連続の出演となりましたが

「激論! サンデーCROSS」、

いかがでしたか。

 

前半は武貞秀士さん、

後半にいたっては

亀井静香さん

片山さつきさん

萩生田光一さん

という豪華な顔ぶれでしたが、

先週以上に充実した内容になったと思います。

 

とはいえ2012年から国土強靱化を謳っておきながら

今になって、ようやく重要インフラ緊急点検とは

安倍内閣も何をやっていたんですかね?!

 

ついでに緊急点検の結果、

たとえば10兆円規模のインフラ整備が必要とかいう話になったらどうするのか。

 

何だね、どこにそんなカネがあるんだね!!(Ⓒネオ東京最高幹部会)

なんて話にならないことを祈るばかり。

 

アウフヘーベンとインテグレイトの男も、責任を感じているようです。

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ついでに自国の安全保障すらアメリカ頼みの日本が

「国際社会のルールづくり」を主導できるという発想にも、

遺憾ながら現実味が感じられません。

 

左翼・リベラル御用達のスローガン

「憲法九条を世界に」と何が違うのでしょう。

日本が世界に手本を示せると構える点で

論理構造は何も変わらないんじゃないですか。

 

だ・か・ら、

保守も平和主義に取り憑かれていると言うのですよ!

 

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それはともかく。

 

「オール韓国」とも形容された随行団を率いて

18日に平壌を訪れた文在寅大統領は、

19日、金正恩委員長と共同宣言を発表しました。

 

「コリアン・ポリティックス」というサイトに

その全訳が出ているのですが・・・

ご覧になりたい方はこちら。

 

どうも感心しないというか、

日本にとって安心できない内容です。

 

宣言の内容は、大きく分けて6項目。

1)朝鮮半島全域での戦争の危険の除去、および敵対関係の解消

2)南北交流と協力の促進による「民族経済」の均衡的発展

3)離散家族問題解決のための人道的協力の強化

4)和解と団合の雰囲気を高め、民族の気概を誇示するための

  多様な分野での交流・協力推進

5)非核化の実質的な進展

6)金正恩のソウル訪問

となっています。

 

これだけ見れば、結構な話に思えなくもない。

しかし冒頭から、こう来るのですよ。

 

 両首脳は民族自主と民族自決の原則を再確認し、

南北関係を民族的和解と協力、確固とした平和の共同繁栄のため

一貫して持続的に発展させていくことにし(た)。

 

この文脈における「民族自主と民族自決」とは

つまりアメリカの影響力や勢力を排除することではないのか。

 

また第一項では

朝鮮半島を恒久的な平和地帯として作り上げるための

実践的な措置を積極的に採っていく

ことが謳われていますが、

これが朝鮮戦争終戦宣言による

在韓米軍の削減・撤退を意味しているのはほぼ確実。

 

非核化の進展をめざすとした第五項にも、こんな文言が。

 

南と北は朝鮮半島を

核武器と核脅威のない平和の基盤として作り上げなければならず、

このために必要な実質的な進展を早くに成し遂げなければならない

という認識を共にした。

 

ここで言う「核脅威」には

北朝鮮にとっての核脅威が含まれているのです。

さあ、これは一体どこの国の核のことか。

 

ついでに北朝鮮、

核施設の追加的廃棄をほのめかしてはいますが

それはあくまで

アメリカが相応の措置(要するに制裁解除)を取った場合の話ですからね。

 

しかも朝鮮戦争の正式な終結を暗示している第一項と

(在韓米軍の核も含めた)非核化の進展を謳った第五項の間に

南北の経済的協力の推進と、

それによる「民族経済」の均衡発展(=北朝鮮の経済成長)

を謳った第二項と、

多様な文化での協力と交流の促進を謳った第四項が入っている。

 

ちなみにこれらの関係発展は

南北統一につながるものであることが

冒頭で明記されています。

 

言い替えれば今回の平壌共同宣言、

1)まず朝鮮戦争の正式終結を実現させて在韓米軍の縮小・撤退をめざし、

2)つづいて統一を前提とした南北の関係強化を進め

3)非核化はそのあと、アメリカの出方次第

という構成になっているのですよ!!

 

「バカ野郎、だから言っただろうに」(※)個人の感想です。

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のみならず。

第四項で謳われている多様な分野の交流については

2032年のオリンピック共同開催ばかりが注目されているようですが

そのあとにはこんなことが書いてある。

 

「3.1運動」100周年を南北が共同で記念することにし、

このための実務的な方案を協議していくことにした。

 

3・1運動とは

1919年3月1日にソウルで始まった

日本にたいする独立運動です。

4月末まで半島全域で展開され、

日本側も「文化政治」と呼ばれる懐柔策を取らざるをえなかったとか。

 

その100周年にあたるのは、2019年3月1日。

 

・・・そうです。

平壌共同宣言は来年春、

南北が共同でアンチ日本の記念行事をやると謳っているのです!!

 

これで拉致問題の解決条件は「過去の清算」だ、

なんて話になったらどうするのか。

 

ちなみに萩生田幹事長代行は「激論! サンデーCROSS」で、

日韓条約により、

北朝鮮を含めた半島全体にたいする統治の賠償は済んでいるというのが政府の立場

と発言しておられましたが、

失礼ながら、これを額面通りに取るのは難しい。

 

1950年代後半、

わが国は東南アジア諸国にたいして

正式な賠償ではないが、

そのような性格を強く持った無償の資金援助、

いわゆる「準賠償」を行うことにより

賠償と言わずに(=賠償責任を表向き認めずに)賠償する

という手を使っているのです。

 

北朝鮮にたいする「過去の清算」にあたっても

この手が使われる可能性が高い。

萩生田さんも、経済援助は「あり」と認めていらっしゃいましたからね。

 

そして!

 

金正恩をつぶしてくれるだろうと

保守派のみなさんが期待してやまないドナルド・トランプは

平壌共同宣言についてツイッターでこう発言。

 

Kim Jong Un has agreed to allow Nuclear inspections,

subject to final negotiations,

and to permanently dismantle a test site and launch pad

in the presence of international experts.

In the meantime there will be no Rocket or Nuclear testing. Hero remains to continue being……..

 

….returned home to the United States.

Also, North and South Korea will file a joint bid to host the 2032 Olympics. Very exciting!

 

最終的な調整こそ残っているが、

金正恩は非核化をめぐる査察を受け入れた。

そして(東倉里の)核実験施設とミサイル発射場を

各国の専門家が見ている前で廃棄するとのこと。

ミサイル実験も核実験もなしだ。

その間にも、英雄たち(朝鮮戦争当時の米兵)は続々と祖国に戻ってきている。

おまけに南北朝鮮は2032年のオリンピック大会共同開催をめざすという。

とてもワクワクするじゃないか!

元のツイート(前半)はこちら。

後半はこちら。

 

ハッキリ言って、

共同宣言の真意がまるで分かっていないとしか形容できません。

まあ、トランプは在韓米軍を維持したがっていないようなので

あの内容でも困らないのかも知れませんが。

 

これで日米同盟はかつてなく強固なんだってさ!!

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結論。

日本の国益や安全保障の維持という点から見て

韓国は信用できず、アメリカはあてにならない。

 

遠からず、対馬が国防の第一線となることを前提に

アメリカに依存することなく国を守り抜く用意をしておかないかぎり

そのうち取り返しのつかないことになる恐れが強いのではないでしょうか。

 

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ではでは♬(^_^)♬