かのスタジオジブリも、
はじめのうちは常駐スタッフを置かず
一作ごとにスタッフを集め
完成したら解散
という方針を採っていました。
そのほうが経営的にも無難だったんでしょうね。
しかし1989年、
「魔女の宅急便」(これも傑作!)が
配給収入20億円を超えるヒットとなります。
配給収入は興行収入のだいたい半分ですから、
興行収入に直すと40億円。
「千と千尋の神隠し」が
300億円を超える興行収入を叩きだしたあとでは、
だから何?
と思われるかも知れません。
けれども当時、これは画期的なことだった。
だって「魔女の宅急便」以前のアニメ映画で
配給収入20億円超えを達成した作品は
1978年の「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」だけなんですよ。
十年ぶりの大当たりだったのです。
これを受けて、
宮崎監督と鈴木プロデューサーは相談します。
日本のアニメの製作現場が置かれている状況は貧しい。
このままでは本当に良いものをつくることはできない。
スタッフを社員化し、
固定給を出そう。
(注:それまでは出来高制だったのです)
そしてギャラ倍増を目標にする!
新人の育成も始める!
1991年の次作「おもひでぽろぽろ」の完成までに
これらの目標はすべて達成できたそうです。
だが問題は、
アニメの製作費は80%が人件費
ということ。
ギャラ倍増とは、実質的に製作費倍増ということなんですよ!!
こうして
1)新作をつくりつづけ、
2)かつ、それをヒットさせつづける
ことが、ジブリ存続の条件となったのでした。
つくらないことは許されない。
興行的失敗も許されない。
厳しい話です。
つづきはまた明日。
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
fukudome says:
8月 8, 2014
私も家内制手工業的モノ作りに携わっているものとして、佐藤先生のご意見と危惧に共感しています。一度失われた技術を再集積することは容易ではありません。製作の中心、宮崎監督がこの技術集団の解体をすんなり容認できるのか、関心を持って見守っていきたいですね。
頓珍漢 says:
8月 9, 2014
一中小企業が、経世済民を目指したんですね。
なんて・・・ 、 涙が 滲んで・・・。
一方でそんな貴重な企業が在るかと思えば、
政財官メディアは、大3事の矢を、束にしてでも放つ・・・
グサッ!愚さグサッ!グサグサグサッ!愚サぁーッ!!
穴だらけにされた身体の紅い怒りは、
怒噴出っ。ぶシゅーーーーーーッ!!
シチュエーションコメディーなのかスプラッターなのか?な、
文劇はお呼びでないっ!(自己批判で終わるコメント、スミマセン)