かの福田恆存さんは
人の話を聞くときは
その内容だけでなく口ぶりや表情に注意せよ
という趣旨の名言を残しました。
なぜか。
話すときの口ぶりには
その人間がどこまで責任を持って発言しているか
が出るからです。
福田さんの表現を借りれば
肺活量が300しかない人間が
肺活量360を必要とする内容の話をしたら
声も表情も歪むに決まっているという次第。
つまりは無理があることが露呈されるのです。
ただし「無理」とは
福田さんのタトエに出てくるような
肺活量だけの問題ではない。
主張の内容に矛盾や欺瞞があり、
ちょっと突っつかれただけで崩壊しかねないようなときも
当然、声や表情には歪みが出ます。
ついでに「歪み」が、
声がうわずるとか、
表情がひきつるといった露骨な形を取るとも限らない。
とくにインテリの場合、
歪みをあらわにすることを警戒したあげく
ことさら物わかりよさげな猫なで声を出すという形を取ることが多いのです。
ただしこれは、
本当に物わかりが良いのではなく
ツッコミを入れられまいと予防線を張っているだけですので、
猫なで声を出す一方で、
〈ここまで寛大に振る舞っているんだから、つまらないことを言うな!〉
とばかり、
上から目線の態度を取ることになる。
ご存じのとおり
物わかりよさげな猫なで声+上から目線の物腰は、
わが国における左翼・リベラル系インテリの必須アイテムですが、
上記の点を踏まえれば、これにも相応の理由があったと言えるでしょう。
絶対平和主義をはじめとする
非現実的な観念論にひたすら添い遂げるのが
戦後日本の左翼・リベラルの身上。
ヒステリーに陥るのを避けつつ
そこにひそむ矛盾や破綻を隠蔽しようと思えば
物わかりよさげな猫なで声+上から目線
に逃げ込むしかないわけです。
し・か・る・に。
昨日の記事
「現実主義の名のもと、自分の首を絞める方法」でも書いたとおり、
15日に放送・配信されたチャンネル桜の討論の
「どこまで自立したか? 日本」では
サンプルとして永久保存したいくらいの
物わかりよさげな猫なで声+上から目線
を披露した先生がおりました。
あれで話題を憲法九条擁護とか
原発反対とかに置き換えたら
ほとんど大江健三郎か姜尚中ではありませんか。
まあ保守派の先生、いやセンセイの中には
物わかりよさげな猫なで声+上から目線
のレベルに達することすらできず
何か気に入らないことがあると露骨な人格崩壊をきたし、
ひきつった表情とうわずった声でメチャクチャを口走らずにはいられない
という無残な人もいますので、
この方はやはり品格と貫禄があると申し上げるべきでしょう。
W(^_^)W\(^O^)/左翼インテリの水準には追いついたからね\(^O^)/W(^_^)W
し・か・し。
だとしても矛盾は矛盾で、欺瞞は欺瞞。
くだんの先生の言動については
こんなコメントが寄せられています。
「戦争をはじめるということ-大東亜戦争」という討論でKさんは、
本土決戦をするべきだったということに対する反論として、
戦争というものは勝てばいいというものじゃない、
ある程度の戦争目的が達成されたらそこで手を打つべきものだと言うのです。
そうなると日本の戦争目的は達成されたのかという疑問がでてきますが、
Kさんがおっしゃるには
アジアの解放というのは十分に達成されたという解釈なんですね。
では自存自衛のほうはどうか?
こちらに対してはなんと、
自存自衛を達成するには戦いに負けたっていいんですよと言い切り、
さらには本土決戦してまで勝とうという考えは野蛮だと居直るんですね。
年長者への儀礼、
および品格と貫禄が左翼インテリのレベルに達していることへの敬意をこめて
先生の名前はイニシャルにしました。
ついでに誤記を一カ所、修正してあります。
だとしても・・・
ヾ(℃゜)々\(◎o◎)/戦争は勝てばいいわけじゃない?!\(◎o◎)/(゜ロ)ギョェ
ヾ(℃゜)々\(◎o◎)/自存自衛は負けても達成できる?!\(◎o◎)/(゜;)エエッ
ヾ(℃゜)々\(◎o◎)/本土決戦してでも勝とうとするのは野蛮?!\(◎o◎)/(゜◇゜)ガーン
後ニ続クヲ信ズ、
そう言って散っていった
靖国の英霊に申し訳なくないか、おい!!!
K先生が本当にこれらの発言をされたのであれば
(「どこまで自立したか? 日本」での言動に照らし、
遺憾ながらそうだと思いますが)
先生は物腰のみならず
主張の内容についても
左翼・リベラルと化していると言わねばなりません。
戦争や国家関係をめぐる認識が
まるっきりリアリティを欠いている点において
これは絶対平和主義も真っ青の非現実的な観念論だからです。
だ・か・ら
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!
この話、重大なので続きをやるかも知れません。
ではでは♬(^_^)♬
3 comments
GUY FAWKES says:
4月 19, 2017
>物わかりよさげな猫なで声+上から目線の物腰
私論を申し上げれば、保守層と呼ばれる方々は教育論の界隈でやたらと「体罰」の正当性を主張し、賛同推進をしています。
特にその中でも石原慎太郎元都知事が肝煎りの教育者で◯塚宏(◯塚ヨットスクール校長)というお方がいらっしゃいますが、
この方のテレビ番組やチャンネル桜での討論での物腰がまさにこのアイテムを常に提げておられるんですね。
いつも猫なで声で居丈高な言葉遣いと態度、更に相容れない意見を言う相手を嘲笑う様な笑みを絶やさないでいるのです。
私にはその態度が実に不誠実な様に見えて仕方ありませんでした。
そもそも、子どもに体罰を振るう前に何故大人同士で試してみないのでしょうか?
佐藤先生は博学でいらしても教育論については専門外かもしれない以上、体罰についての是非はここでは保留しますが…
また保守の方々は未成年者の犯罪を取り決める「少年法」についても厳罰化、ないしは廃止を唱えております。
ですが、その論拠とされる「少年犯罪の増加・凶悪化」は警察発表の統計を見れば否定されております。
https://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/hikoujousei/H27.pdf
平成27年度 少年非行情勢
また「被害者感情への考慮」という点についても報復という感情論の域を出ておらず、
そもそも法治国家としてその様な論理的妥当性が担保されない感情論は如何なものか。
一方、ご年配の方を誹謗するつもりは毛頭ありませんが、激増しているのは高齢者による犯罪です。
しかし、何方も「高齢者への厳罰化を施行する法律を作れ!」とは仰いません。
https://news.yahoo.co.jp/feature/511
キレるお年寄りにどう向き合う 増える暴言・暴力トラブル
些か話が逸れてしまったかもしれませんが、私が申し上げたいのは割と身近な点でも
保守は非現実的な観念論をおっ広げ、物腰や主張の内容共に左翼・リベラル化しているのではないかということです。
玉田泰 says:
5月 28, 2017
本土決戦は野蛮か?
大和魂を持ち合わせていたのなら野蛮などではなく当然かもしれませんね。
(これは保守ではなく、右翼の考え方でしょうか?)
SATOKENJI says:
5月 28, 2017
保守とか右翼とか悩む必要はありません。
本土決戦を野蛮と言ったからには、以下の三点について自分の立場を表明する必要があるだけのことです。
1)本土決戦を説いた政府や軍は野蛮だったということで良いか。
2)かりにそうだとしたら、そんな政府や軍の遂行した戦争も野蛮だったことになるが、それで良いのか。
3)本土決戦をやると言っておいて、結局やらなかったことが、戦死者への裏切りにあたることはどう考えるのか。
K先生が、このどれ一つとして答えられないのは明白と言わねばなりません。
というか、答えられないからこそああいうことを仰るのですがね。