私の少年時代、

つまり1970年代ですが

ハロウィンはわが国ではほとんど知られていませんでした。

 

キディランド原宿店はこのころから

ハロウィン関連商品を販売していたようですが

同店が販促のために日本初のハロウィン・パレードを行ったのは

1983年のこととされています。

 

東京ディズニーランドが

「ディズニー・ハッピー・ハロウィーン」を開催するようになったのは1997年。

川崎市が「カワサキ・ハロウィン・パレード」を開催するようになったのも同じ年です。

 

すなわち20世紀も終わりになって

ようやく広まってきたものの

今やすっかり定着。

下手をすればクリスマスよりも盛り上がる感があります。

 

しかるに2000年代後半あたりから

ハロウィンがらみのトラブルも発生しはじめる。

 

2007年にはJR山手線や大阪環状線で

数十人のグループが

車内の蛍光灯を外す、

網棚の上に寝転ぶ、

電車を遅延させるなどの騒ぎを起こしました。

 

2014年には渋谷に

仮装者が多数集まったため大混乱となり、

機動隊が出動する事態に。

 

以後、ハロウィンの渋谷と言えば

アナーキーな騒乱が恒例となります。

今年はすでに27日の夜から

28日にかけて発生。

 

軽トラックが横倒しされるなど

暴徒化する者まで出たあげく、

暴行、痴漢、盗撮などで

逮捕者も5人出たそうです。

自動販売機に水を入れたグループもいたとか。

トラック横転の動画つきツイートはこちら。

 

翌日は

街中に空き缶やビンがちらかり、

「毎年のことで、これからもっとひどくなり、

営業に支障をきたします」(不動産会社)という有り様だ

とのこと。

元の記事はこちら。

ゴミの散乱した街頭の画像つきツイートはこちら。

 

長谷部健・渋谷区長も

「10月31日のハロウィーンに向けたお願い」

という緊急コメントを発表。

 

27日〜28日の事態に

大変憤りを感じる

とした上で、

区としても警察との連携を改めて強く進めていく

犯罪に至らなくとも、ルール、マナー違反をしている人たちの様子も多く報道されている

そのような人たちは、渋谷を愛し、

この街を誇れるものにしていく思いのない人たち

(渋谷を愛する人々の)努力や思いを踏みにじる一連の行為は、

到底許せるものではない

と非難しています。

関連記事こちら。

 

ジョン・カーペンター監督の有名なホラー映画

『ハロウィン』ではないものの

そのうちハロウィンの夜に

本当に死人が出るようなことになるかも知れませんよ。

 

ちなみにアメリカでは19日、

『ハロウィン』のリブート版が公開され

わずか10日間で

製作費(1000万ドル)の17倍以上の興収をたたき出す大ヒット

になっていますが・・・

 

なぜ平成日本では

ハロウィンが広く定着、

かつ危険な盛り上がりを見せるようになった のでしょう?

 

ここで紹介したいのが

アメリカの作家・詩人エリカ・ジョングが1981年に刊行した

『魔女たち』という大判の美麗本。

わが国でも1982年、サンリオから訳が出ました。

 

記事の内容と直接の関係はありません。いや本当に。

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その122ページには、こんな記述があります。

 

もともとハロウィーンは、

太陽の衰えを知る

(そしてそれを回復させようとする)祭りです。

キリスト教以前では、大きなかがり火を燃やし、

太陽がそれを真似してくれるように元気づけました。(中略)

模倣魔術によって太陽を再燃させようとする試みだったのです。

 

これはかがり火祭であり、

収穫感謝祭であり、

大地の実りと死者の魂の両方を

穫り入れるという意味がこめられています。

また、夏の女神(母なる女神)が

冬の神に支配をゆずりわたす日でもあります。

 

言い替えればハロウィンは

太陽の衰退・没落を惜しむ日であり、

繁栄の夏が忍耐の冬に切り替わるのに備えて

食料を備蓄しておく祭りだったのです。

 

そしてこの夜に跳梁する化け物の正体は死者。

冬の神の支配が始まる前に

彼らの魂も安全な場所にしまっておくということなのでしょう。

 

しかるに平成のわが国は

良くて停滞、悪くて衰退を繰り返してきた。

おまけに少子化・高齢化で

今や人口が減り始めている。

つまり生者より死者のほうが多くなってきているのです。

 

平成日本でハロウィンが広く定着し、

クリスマスをしのぐような盛り上がりを見せているのは

国のあり方それ自体がハロウィン的になっているからではないでしょうか。

 

実際、ディズニー・ハッピー・ハロウィーンと

カワサキ・ハロウィン・パレードが始まった1997年は

消費税が5%に引き上げられて

GDPが伸びなくなり、

国民の平均所得が下がりはじめた年。

要するにデフレ不況に突入した年です。

 

JR山手線や大阪環状線で騒乱の起きた2007年は

貧困が社会問題として浮上したころ。

アメリカでサブプライム・ショックが起きた年でもあります。

翌年はもちろん、リーマン・ショック。

 

そして渋谷のハロウィンがパニック的になった2014年は

消費税が8%になった年。

これらの符合は偶然か。

 

『シャイニング』のジャック・ニコルソンみたいに映っていますが、撮ったのは saya さんです。

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さらに。

『ハロウィン』(オリジナル版)の大ヒットによって

アメリカでは殺人鬼映画がブームになりますが。

その作劇の基本パターンは以下の通り。

 

1)何らかの特別な日に、惨劇が発生する。

2)歳月が経ち、惨劇も昔話となっている。

3)ところが、過去の惨劇のきっかけになったのとそっくりの出来事が起きる。

4)それを引き金として、惨劇が繰り返される。

 

つまりは「否認されてきた凄惨な過去」が甦る次第。

しかるに戦後日本は、

太平洋(大東亜)戦争の敗北という惨劇を否認することで成り立っている。 

 

しかも1995年、

阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が起きたときも

2011年に東日本大震災が発生したときも

「第二の敗戦」という言葉が流行した。

 

戦後は破局へと回帰する

というのは

私が2013年に出した『震災ゴジラ!』のサブタイトルですが

してみると平成は

「太陽の没落・衰退」への不安が高まる中、

否認されてきた過去の惨劇が繰り返されるのではないかという

予感が高まっていった時代になります。

 

さあ、これがハロウィンでなくて何だ?!

 

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平成日本でハロウィンが危険な盛り上がりを見せているのは

国そのものが黄昏れており、

遠からず冬の時代が来るという恐怖が、

国民規模で予感されているからではないでしょうか。

 

なにせ末路が爽快に感じられるご時世ですからね。

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となると来年以後、

渋谷の街はもっと危なくなるかも知れませんよ・・・

 

「間に合ううちにお逃げなさい」(※)お姉さんの警告です。

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ではでは♬(^_^)♬

 

(おまけ)

すっかりホラー映画風になった楽屋にて。鏡の中に sayaさんがいるのに注目。

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