神と悪魔の抗争に巻き込まれた
フランケンシュタインの怪物ですが、
ここで問題になるのは
彼に魂はあるのか? ということ。
とくにガーゴイル側では
大論争になります。
魂があるとすれば
怪物は人工的につくられたというだけで
ふつうの人間と変わらなくなる。
しかしガーゴイルの通念では
生命に魂を吹き込むことができるのは神だけなんですね。
人間によってつくられた怪物は
生命こそ持っていても
しょせん魂は持っていないのでは?
その場合
怪物自体が悪魔に取り憑かれてしまう危険もある。
ガーゴイル戦士の中には
これを理由に
怪物を抹殺すべし! と主張する者もいるのです。
たいしてガーゴイルの女王リオノアは、
神がつくったものでなくとも
怪物は魂を持っているのではないか? と考えます。
彼女は怪物に
アダム・フランケンシュタインという名をつけ、
ふつうの人間として扱おうとする。
神がつくった最初の人間がアダムなら
人間によってつくられた最初の人間もアダムと呼ばれるべきだというわけです。
さあ、アダムに魂はあるのか?
ネタバレになるので詳細は書きませんが
ここに「フランケンシュタインのアイデンティティはどこにあるか」というテーマが浮かび上がってくる。
このスチール写真がヒントになるかも知れませんね。
『アイ・フランケンシュタイン』
9月6日(土)より新宿バルト9ほかにて全国ロードショー!
© 2013 LAKESHORE ENTERTAINMENT GROUP LLC AND LIONS GATE FILMS INC.
ちなみにアダム・フランケンシュタインを演じるのは
アーロン・エッカート。
バットマン映画の大傑作「ダークナイト」で
地方検事ハーヴェイ・デントを演じた人です。
デントはある出来事をきっかけに
顔の半分がハンサム、
残り半分が化け物という怪人ツーフェイスになってしまう。
しかるにアダム・フランケンシュタインも
人間にして怪物というキャラクター。
こういった二面性のある役が得意なようです。
ではでは♬(^_^)♬
1 comment
Daniel says:
9月 4, 2014
とても興味深くフランケンシュタイン関係の記事を読んでいます。
ところで、ここで佐藤先生が言及されている「魂」とは、英語で言うと、
「soul」ではなく、「(Holy)spirit」のことでしょうか。
「生命に魂を吹き込むことができるのは神だけ」というところを読むと、
そう思えます。
人は神の似姿(創世記)でありますから、怪物は、人の似姿です。
従って、怪物も神の似姿と解釈されうるのでしょうか。
(では、ドラえもんは?ロボコップは?などとも考えます)
しかし人は、「魂」を持っていていてすらも、悪魔に取り付かれることが
多々あります。従って、怪物が天使と悪魔の戦いの渦中にいることは、
解りやすいのですが、やや単純な象徴化のようにも思います。
早く映画を観て、佐藤先生の仰る「アイデンティティのテーマ」を考えたいです。
しかし、この写真の美女は誰でしょう。アダムに与えられたエバでしょうか?