題名の意味は、読み進めば分かります。

 

前にも書きましたが、

アレハンドロ・ホドロフスキーの父親、

ハイメ・ホドロフスキーは共産主義者。

 

社会主義ロシアの指導者、スターリンを熱烈に崇拝しており、

チリで独裁的な権力を振るっている男、

イバニェス大統領の暗殺をもくろんでいます。

 

ときどき仲間と集まっては、

ああでもない、

こうでもないと、

政治談義を繰り広げる。

 

こんなふうに、です。

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(C) photos Pascale Montandon-Jodorowsky

(C) “LE SOLEIL FILMS” CHILE・“CAMERA ONE” FRANCE 2013

 

だが、ちょっと待て!

スターリンと言えば、

気に食わないヤツをバシバシ粛清したり、

個人崇拝を強要したりと、

とんでもない独裁を展開した男じゃないか!

 

いったい、イバニェスと何が違うんだ?!

 

・・・何も違いはしないんですよ。

本当はね。

ただ、「共産主義は人類に明るい未来をもたらす正しい思想だ」

なんて固定観念に取り憑かれると、

そこが分からなくなる次第。

 

このスチール、

左右で本を読んでいる人たちが、

能面のようなマスクをつけているのは偶然ではありません。

 

主義主張にこだわりすぎると、人は素顔を見失うのです。

 

なに?

だから左翼はバカなんだって?

 

甘い!!!

 

いわゆる保守にだって、

この罠にハマって素顔を失った人はゴマンといますよ。

 

どうしてそうなるのか、

メカニズムをお知りになりたい方は、

「僕たちは戦後史を知らない」か、

「国家のツジツマ」

あるいは「震災ゴジラ!」をどうぞ。

 

それはともかく。

 

ハイメによるイバニェス大統領暗殺計画がどんな結果になるか、

ネタバレになるのでここでは書きません。

 

ただし、全編で最も笑える台詞がここで登場します。

いわく、

 

──イヌが仮装する世界で生きていたくない!!

 

ポイントはこの「イヌ」を、

動物の「犬」と取るか、

「誰かの意向や指示におとなしく従う者」と取るかですね。

 

ハッキリ言ってしまいましょう。

「世の中を良くするために起ち上がろう」なんて叫んでいる連中は、

たいがいの場合、

仮装しているだけの権力主義者です。

 

ちょっといい思いができそうだと思うや、

権力者のイヌへと一発、変身するのですよ!

それがこの世のいつわらざる真実!

 

で、ハイメは大丈夫かな?

 

「リアリティのダンス」、上映情報はこちらをクリック。

 

ではでは♬(^_^)♬