「文藝春秋SPECIAL」の最新号が
昨日、5月26日に発売されました。
今回のテーマは
「永久保存版 教養で勝つ大世界史講義」。
さまざまな論者が
世界史の重大事件について語っています。
畏友・中野剛志さんは
「なぜイギリスで産業革命が始まったか」。
いわゆる経済(学)的な要因のみならず、
政治的な要因、
とくに国家が果たした役割の重要性を指摘しています。
で、私も寄稿させていただきました!
「ウェストファリア条約 宗教戦争の終わらせ方」。
ご存じの方も多いと思いますが
ウェストファリア条約とは1648年、
三十年戦争を終結させるために結ばれたもの。
いわゆる「主権国家」の時代は
この条約の締結をもって始まります。
つまりは歴史の巨大な転換点だったのですが、
当時のヨーロッパの状況を知れば、それも無理のない話。
なにせ三十年戦争によって
ドイツでは全人口の35%が死滅したのです!!
いわゆる「昭和の戦争」における
わが国の犠牲者すら、
全人口の4%ちょっとにすぎないのですから
これはまさに「死屍累々」というより
「この世の終わり」だったでしょう。
ちなみにこのころ、
イギリスではピューリタン革命が起きていましたが
同革命の支持者たちは
1650年代に黙示録(=この世の終わり)が訪れると信じていたそうです。
かくも崩壊寸前となったヨーロッパを
どうにか救わなければ!
・・・これが、ウェストファリア条約に課せられたテーマでした。
世界の情勢がますます混沌として
なかなか展望が見えないのは現在も同じ。
17世紀半ば、
ヨーロッパの知性たちが「世界の再建」にどう取り組んだかは
知るに値することだと思いますよ。
「永久保存版 教養で勝つ大世界史講義」
ぜひご覧下さい。
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
akkatomo says:
5月 27, 2015
幸いなのは、同様の文化的地盤・アイデンティティを持つ人々だけでヨーロッパが構成されていた事でしょうね
ローマなどはそのまま崩壊してぐちゃぐちゃになった訳ですし
この観点からみると、確固たる自己認識、文化認識を持っている人間であるほうが
より協力関係を結びやすく、結果として生き残りやすいのでしょう
まぁ、危機の時代にはわが身だけが可愛い人間や大衆の類は淘汰されるのでしょう
マゼラン星人二代目 says:
5月 29, 2015
> 17世紀半ば、
>ヨーロッパの知性たちが「世界の再建」にどう取り組んだかは
「同様の文化的地盤・アイデンティティ」を依りどころにした、それこそ、(神聖)ローマ(帝国)のもとでの地域統合の断念。
ウェストファリア条約なるものに画期性があるとすれば、おそらく、この点だったと理解しています。
「同様の文化的地盤・アイデンティティ」によらない「手打ちの作法」がどう模索されたか。
これをこそ学びたいものです。
とかくすると「同様の文化的地盤・アイデンティティ」が「戦う理由」たりうるかのように言われがちな時代においては、なおさらです。