G7では首脳宣言受け入れ拒否を宣言して

仲裁役として活躍した(らしい)安倍総理の顔をつぶし、

かと思えば米朝会談では

金正恩にたいして

心の友よ、兄弟よ(Ⓒ剛田武)と言わんばかりの態度を取ってみせ

FOX NEWS から朝鮮中央テレビ級の賛辞を受けた

ドナルド・トランプ大統領。

 

ちなみに会談後も北朝鮮にたいしては

制裁をさらに一年継続する方針と

非核化に期限を設けないことを同時に表明するという

認知的不協和のにじみ出る姿勢を見せています。

 

さらに今週は

生産拠点を海外に移転させる方針を決めた

ハーレーダビッドソン社にたいし

ツイートで罵倒と恫喝を展開。

 

移転なんざしてみろ、

ハーレーダビッドソンの終わりの始まりだ!

あいつらは白旗を掲げ

尻尾巻いて逃げ出しやがった!

・・・だそうです。

元のツイートはこちら。

 

私が敬愛するフレンチ・ポップスの大物

セルジュ・ゲンスブールの曲のタイトルではありませんが

まさに HARLEY DAVID SON OF A BITCH.

 

むろんこれは

ハーレーダビッドソン(HARLEY DAVIDSON)

ろくでなし(SON OF A BITCH)をかけたものです。

興味のわいた人はこちら。

ライブ版がいいという人はこちら。

 

しかしセルジュはシャレで歌っているのにたいし

トランプはマジだからなあ。

 

何というか

思い通りにならないことがあると

見境なくキレるジャイアン性格が

いよいよ丸出しになってきた感がありますが・・・

 

そんなトランプについて

歴史上最も偉大な大統領の一人として名を残すかも知れない

と発言する人物が登場!

 

誰だ、そいつは?

なんと、

『イレイザーヘッド』

『ブルーベルベット』

『ツイン・ピークス』

『マルホランド・ドライブ』などの作品で知られる

アメリカのカルト映画監督デヴィッド・リンチ!!

 

セルジュ・ゲンスブールともども

やはり私が深く敬愛する人物です。

 

問題の発言が飛び出したのは

イギリスの新聞「ガーディアン」が

6月23日に配信したインタビューの中。

いわく。

 

He could go down as one of the greatest presidents in history

because he has disrupted the thing so much.

No one is able to counter this guy in an intelligent way.

 

Our so-called leaders can’t take the country forward,

can’t get anything done.

Like children, they are. Trump has shown all this.

 

トランプは史上最も偉大な大統領の一人として名を残すかも知れない。

彼はアメリカ政治を根本からひっくり返したからだ。

彼にちゃんと対抗できる者はいないじゃないか。

 

「国の指導層」とか呼ばれる連中は

本当のところ、アメリカの舵取りなんかできていない。

まるっきり成果が挙がっていないじゃないか。

あいつらは子供同然だ。

トランプはそれを暴露したのさ。

元の記事はこちら。

 

ただしリンチは

トランプも成果を挙げているとは思っていません。

しかしトランプの一大ちゃぶ台返しによって

さらなる新しいリーダーが登場し、

経世済民をなしとげる余地が生まれているのではないか、

と評価しているのです。

 

しかるにアメリカの右派ニュースサイト「ブライトバート」が

6月24日にこれを取り上げるんですな。

おまけに「トランプも成果を挙げているとは思っていない」という箇所をカットして。

元の記事はこちら。

 

さあ、ジャイアン性格のトランプが喜ばないはずがない。

6月25日、

ガーディアンではなくブライトバートの記事について

「映画監督デヴィッド・リンチ、トランプは偉大な大統領として名を残すかもと発言」

と引用ツイートで紹介。

問題のツイートはこれ!

 

世界の映画ファンは騒然となります。

 

リンチは27日、

トランプに宛てたメッセージを公表。

ブライトバートの引用の仕方は誤解を招くものだったとして

こう述べました。

 

遺憾ながら、あなたが現在の姿勢を取り続けるかぎり

偉大な大統領として歴史に名を残す可能性はない。

これはあなたとアメリカの両方にとって

じつに悲しむべきことだ。

あなたは人々を苦しめ、国を分断に追いやっている。

 

今からでも正しい方向に舵を切ってほしい。

明るい未来がみんなに訪れるよう、

アメリカを導くのだ。

あなたなら、国を一つにできる。

メッセージ全文はこちら。

 

しかし、ちと遅すぎた。

26日、サウスカロライナ州で演説したトランプは

ブライトバートの記事について

いっそう認知的不協和な形で紹介。

 

なにせ、のっけからこう言ったのです。

デヴィッド・リンチは史上最も偉大な大統領の一人として名を残すかも知れない!!

元の記事はこちら。

 

♬認知する〜な〜あ〜ら、ちょいと不協和音頭、ヨイヨイ

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自分とリンチの区別がつかないくらいですから、

その先はさらにメチャクチャ。

 

リンチが自分を評価した(じつはしていないのですが)理由については

「アメリカ政治を根本からひっくり返した」という発言に

「大統領になってからの業績も素晴らしい」を勝手に追加。

 

「どんなクライテリオンで言っているんだろう?!」(※)個人の感想です。

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ついでにブライトバート、

リンチは民主党員で、2012年大統領選ではオバマに投票したくらいだが

今ではトランプが当選して良かったと考えているようだ

という旨を書きました。

 

ガーディアンの記事にはこれに該当する内容がありませんので、

この記述がどこまで正しいかはいささか疑わしい。

 

ところがトランプ、

これを鵜呑みにするのはもとより、

リンチ本人が「トランプが当選して良かった」と言ったかのごとく紹介しているんですよ!!

 

「これはもはやリンチの映画以上にシュールだ」(※)個人の感想です。

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その一方、トランプはこうも発言。

これでハリウッドでのデヴィッド・リンチのキャリアも終わりだな。

 

なんで?

 

自分を支持したから(じつはしていないのですが)?

自分に代わってアメリカ大統領になるから(同上)?

 

いやいや、

トランプは自分自身とデヴィッド・リンチの区別がついていないのですから

この発言、

自分のキャリアも終わりが近いのではないかという不安を

リンチに投影する形で告白したものかも知れません。

 

なにせCNNが最近行った世論調査によれば

トランプは弾劾を受け、ホワイトハウスを去るべきだ

と考えるアメリカ人は42%に及ぶ。

このレベルの数字が出たのは

リチャード・ニクソン大統領が

ウォーターゲート事件で辞任に追い込まれる数ヶ月前、

1974年3月いらいとか。

ちなみにこちらは43%でした。

関連記事はこちら。

 

わが国が「100%共にある」などと言って

どこまでも添い遂げようとしている国は

こういう人物によって治められていることを

あらためて認識すべきではないでしょうか。

 

「あとはただ、沈黙」(※)ハムレットの台詞です。

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