どうも最近、日本の政治は
言葉や論理を超越した
〈何でもあり〉
または〈やった者勝ち〉の世界へと突入しつつあるようです。
たとえば稲田朋美政調会長は
経済成長による税収増を期待する発想について
「当てにならない(経済)成長を当てにして、
雨乞いをしてPB(注:プライマリーバランス)黒字を達成させるとか、そういう話ではない」
と発言!
ちなみに「当てにならない成長」とは
目下、政府がめざしている
名目3%、実質2%の成長を指していると思われますが
それが当てにならないとすれば
2%のインフレ目標設定は何だったのでしょうか。
ひょっとして、あれも雨乞いの一種とか?
しかし、もっとスゴいのがこれです。
麻生財務大臣は、再来年4月の消費税率10%への引き上げについて、
その時の景気が悪化していれば中止する考えを示唆しました。
麻生財務大臣:「(Q.景気が腰折れした場合、2017年の消費税引き上げはなくなる場合もあるのか?)
急激に歳出を落とすことによって、
結果的に景気が腰折れしてGDPがマイナスになるとか、
何々がマイナスになりますとか、株価も落ちます…
と仮に極端な例になった場合は当然のこととして、
それで予定通り2%歳出(消費税の言い間違い)を上げた時の揺り戻しは、
この前(消費税を)3%上げた後の揺り戻しの騒ぎどころではなくなる」
麻生大臣は記者会見で、
景気が腰折れしてGDP(国内総生産)がマイナス成長になった場合、
2017年4月に消費税率を引き上げたら、
その悪影響は去年の消費増税を上回るという見方を強調しました。
そのうえで、麻生大臣は、
消費税の引き上げを中止しないで済むよう2017年までは過度な歳出の削減はせず、
歳出の拡大も容認する姿勢を示しました。
それはまあ、
消費税の10%引き上げはしないほうがいいとは思いますよ。
しかし昨年11月、安倍総理は何と言って衆議院を解散したのか?
当時の記事から拾ってみましょう。
安倍晋三首相は18日夜、首相官邸で記者会見し、
法律で来年10月と定める消費税率10%への引き上げを
2017年4月まで先送りする考えを明らかにするとともに、
こうした判断について国民の信を問うため
衆院解散・総選挙を断行すると表明する。
この先送りは「再度の先送りをしない」こととセットになっていました。
つまり昨年の総選挙は
〈2017年4月には消費税を10%にする〉ことを確定するために行われたのです。
ならば再度の先送りも
解散・総選挙なしには許されないんじゃないでしょうか?
だいたい、わざわざ国民の信まで問うて決めたことについて
選挙から半年足らずで中止を示唆するとは。
いや、麻生大臣の真意は
10%引き上げのためにも景気浮揚を
だと思いますよ。
だとしても
2017年までは過度な歳出の削減はせず、
歳出の拡大も容認する
というのは、
つまり2018年からは徹底した緊縮財政で
とんでもないデフレになるということでは?
稲田政調会長が歳出額の目標設定を行おうとしているのも、2018年度です。
以上を総合すると
経済政策に関する政府のホンネは
「まっすぐ、景気回復」にあらず
「とにかく消費税10%、あとは野となれ山となれ」
だとしか思えないのです。
で、なにが日本再生?!
わが国のパラドックスは、
いよいよ深刻な様相を呈してきたと言わねばなりません。
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
kazu says:
6月 15, 2015
おはようございます。
記事を読んでて思いましたが、そもそも自民党は条件が満たされない限りTPPは原則参加しない、との方針の下、政権を取ったんじゃありませんでしたっけ?
それが今じゃ、国民も一緒になってTPA法案の行方をハラハラ見つめるばかり。
みんな揃ってアルツハイマーになっちゃんたんじゃないか、と心配になります。
更に、昨日のNHKかなにかの討論を見ていて、高村さんが安保法制の議論について「・・・ということをさせて頂きたいということで国民の皆様にお願い申し上げている」と発言していました。同種の発言は野党議員もしていますが、この言葉の使い方、決定的におかしいと思うのですがいかがでしょう?
KEIZU says:
6月 15, 2015
佐藤氏の本日の記事は、ただただ戦慄を覚えるのみです。麻生さんは元々、リーマンショックや大地震などの、クライシス(カタストロフィ)級の出来事が起きない限りは増税するといったことを言っていた覚えがあります。それが、たかだか日本国内の経済的の腰折れ如きで増税やめてしまうとは。言ってることが違うじゃないですか。
ここは表現者の皆様に頑張っていただくしかないと思います。