8月18日に放送された

BS日テレ「深層NEWS」

「戦後70年に向けて再考 日本の戦争と戦争責任」。

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おかげさまで大反響でしたが

面白かったのは番組中、

白井聡さんが「太平洋戦争」という名称を不適切なものと主張、

「大東亜戦争」にすべきだと説いたこと。

 

太平洋戦争と呼ぶと、

対米戦ばかりが強調されてしまう。

日本は中国大陸をはじめ、

アジア各地で戦っていたのだから

大東亜とすべきだ。

 

というのが理由。

この主張の何が面白いか?

 

白井さんはリベラル系に分類される人ですが、

日本のリベラル、ないし左翼は

「大東亜戦争」という呼び方を

戦前風でよろしくない

と否定する傾向が強かったのです。

 

このためネットには

今や左翼は

わざと大東亜戦争という言葉を使うことで

注目を集めようとしているのではないか?

という趣旨の意見も見られました。

 

とはいえ、いちがいにそうとも言えません。

 

じつは左翼にも以前より

反米、ないし反植民地主義の観点にもとづき

大東亜戦争という名称を肯定する動きがあったのです。

 

代表例は映画監督の大島渚さん。

大島さんは1968年、

『大東亜戦争』というドキュメンタリー番組を

くしくも日本テレビのためにつくったのですが

タイトルについて、こう述べています。

 

「太平洋戦争」という呼び名は、

歴史を偽造するものである。

あの戦争の戦域は、太平洋に限られたものではない。(中略)

客観的に見ても、

あれがアジアにおける覇権争いだったことは確かである。

日本とアメリカの覇権争いが、

植民地化されていたアジア諸国の独立運動と

複雑にからまりあいながら、

アジア全域にわたって展開されたのがあの戦争である。

 

その意味では、

「大東亜戦争」はベトナム戦争にまでつながっている。

将来においては、

アジア諸国の立場から、

これらの戦争はすべてひとつながりのものとして、

「アジア解放戦争」として一括されるだろう。

(大島渚「体験的戦後映像論」より。朝日選書、1975年)

 

最後のフレーズにご注目。

大島監督、アジアの解放という理想を信じつづけているのです!!

 

白井さんだって、もしかしたらそうかも知れませんよ。

 

保守とリベラル、ないし左翼の区分けは

ふつう思われているほど明確なものではないのです。

 

ではでは♬(^_^)♬