5/20のブログ、
および「新日本経済新聞」で紹介した
さかき漣・原作原案、平松禎史・脚本監督のアニメ「イブセキヨルニ」、
もうご覧になったでしょうか。
このほど平松監督が
本サイトでの掲載用にと、
作品のスチール画面を8点お送り下さいました。
静止画で見ると、
動画で見るときとはまた違った味わいがありますし、
細部をじっくり眺めることができます。
そこで8点の画像のうち、
本日は4点をご紹介しましょう!
© さかき漣 © nihon animator mihonichi LLP.
まずはメインタイトル。
この前にプロローグとして、
2010年代後半、某国が日本を核攻撃し
それをきっかけにわが国が「大エイジア連邦」に飲み込まれる・・・
という説明があるわけですが、
文字通り、大陸から暗雲が押し寄せています。
かのアルフレッド・ヒッチコック監督は、
登場人物が転落の人生を歩み始める場面で
その人物をわざわざ下りのエスカレーターに乗せたと言われますが、
こういう表現ができるのが視覚演出のいいところ。
まさに「暗雲はエイジアから」です。
つづいてこちら。
© さかき漣 © nihon animator mihonichi LLP.
自由革命が起こるところですが、
映像がじつに丁寧につくられていることが
お分かりいただけるでしょう。
建物の手前の辺など、3D処理もされている感じです(違っていたらすみません)。
そしてGK登場!
© さかき漣 © nihon animator mihonichi LLP.
GKは字幕の通り、
「駒ヶ根覚人」のイニシャルですが
「自由革命」のイニシャル(JK)とも非常に近いことに気づかれましたか?
これは意図的なものと思われます。
ただJKにしてしまうと、まったく違う連想が生じかねないので(笑)、
GKにしたのではないでしょうか。
同時に注目したいのは、
GKが「虚像」「幻影」として登場すること。
しかもこの画像、建物の壁に投影されているのですから、
GKが日本人にとって、新たな「壁」(=障害)となることも暗示されます。
この壁の使い方、
「ピンク・フロイド/ザ・ウォール」という映画
(アラン・パーカー監督、1982年)に出てきた
イギリスの風刺漫画家、ジェラルド・スカーフによるアニメを
ちょっと連想させられました。
で、4枚目。
© さかき漣 © nihon animator mihonichi LLP.
大エイジア連邦は崩壊した、
さあ日本を取り戻そう! と力説するGKですが、
グローバル の文字が
すでに出てきたりしてます。
革命の顛末やいかに?
続きはギャラリーの2回目をどうぞ。
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
平松禎史 says:
5月 23, 2015
ありがとうございます!
ヒッチコックの暗雲の演出ですと「疑惑の影」がもっとも直接的でしょうか。
この映画の主人公であるチャーリー(チャールズ)伯父さんは姪で同じ名前を持つチャーリーとその母(つまりチャールズの姉)家族の「希望の星」として登場します。
しかし、映画冒頭で示されるように、彼は詐欺師で未亡人連続殺害魔で指名手配中の身なのです。
それと知らずに、チャーリーは退屈さに行き詰まった家庭(まるで大阪市?)を救ってくれる救世主としてチャーリー伯父さんを迎えるのです。
その駅のシーンで、蒸気機関車の煙が駅ホームを真っ黒に染めていく場面は、無邪気な期待がチャーリー自身を危機に陥れる不吉な予兆になっています。
…という場面を意識したわけではないんですが、やはり影響はあるかもしれませんね(^_^;)
akkatomo says:
5月 23, 2015
虚妄としての映像と実物としての建築物。
これもまた、意味深な対比で御座いますね。
映像は無視できても建造物は無視できないので。