デイヴィッド・ボウイは
遺作となったアルバムに
「★」というタイトルをつけました。
これで「ブラックスター」と読みます。
しかるにTPPは、
畏友・中野剛志さんによって
「黒い条約」と形容されたことが。
ならば「■■■」と表記するのもありかも知れません。
これで「ブラックパートナーシップ」と読むのです。
・・・それはともかく。
4月8日の記事
「TPPと墨塗り教科書、または占領は終わっていない」について
ショーンFさんから以下のコメントをいただきました。
今回の黒塗りver.は、
当初、政府が黒塗りしか出せないと回答したものを、
それでもいいから出せ、と(注:民進党に)要求された結果のようなので
(それにも関わらず、こんな不誠実なものを出して!と批判するのが
相変わらずの民進クオリティ)、
この点では余り政府を批判しても詮無いことかなと思います。
また、甘利氏がタフネゴシエーターか否か
(どの分野で譲歩したのか否か)を審理するわけではないので、
交渉経過自体を議論しても不毛な気もします。
文中にある「黒塗りver.」とは、
むろん自民党がTPP承認などをめぐって
国会に資料として提出した
完全黒塗りの交渉文書のことですが・・・
まず整理しておきますと、
文書の資料提出をめぐって
ショーンFさんの述べたようなやりとりが
自民・民進間であった点は
報道でも触れられています。
つまり今回の件には
「売り言葉に買い言葉」という側面もあったのは間違いない。
しかし問題は、
完全に黒塗りした文書を資料として提出することの是非。
これが認められるのなら
まったくの白紙を資料として提出することも「あり」のはずです。
何も読み取れないことでは同じなんですから。
すなわち「資料を提出する」ということの意味が
根底から崩れかねません。
民進党の近藤洋介議員は
■■■■■(※)について
「ここまで黒いと思っていなかった」と述べたそうですが、
たぶん、一部の語句のみが黒塗りされた状態を想像していたのでしょう。
(※)「黒塗り文書」を塗りつぶしてみました。
とはいえ
一部の語句のみが黒塗りされた文書と
完全に黒塗りされた文書では
こめられた含みがまったく違う。
前者の含みは「すべてを明かすわけには行かない」ですが
後者の含みは「何も明かすつもりはない」です。
けれども何も明かすつもりはないのであれば
それは資料とは呼べません。
となると■■■■■の提出はやはり、
民進党、さらには国会審議をナメた振る舞いと言われても仕方ないでしょうね。
ついでに。
信じがたいまでに自滅的な側面が少なからず見られる民進党ではありますが
甘利大臣とフロマン代表との会談記録を要求したのは
意図してかどうかはともかく、なかなか良い点を突いていました。
ショーンFさんのコメントでも暗示されていますが、
今回の交渉では、日本側がかなり譲歩した可能性が高い。
でなければ、資料が■■■■■に化けることもないでしょう。
しかるに交渉段階で譲歩を強いられた分野こそ
TPPが発効した場合、
わが国の権益が脅かされる恐れの強い分野。
甘利大臣が
1)どの分野で
2)何を
3)どれだけ
譲歩したか把握しておくことは、
彼が〈タフネゴシエーター〉だったかどうかなどという点とは関係なく
日本の国益を守るうえで重要な意味を持つのです!
まあ民進党のことですから
そんな大局的なビジョンなどないまま
「甘利大臣はここで譲歩した! 公約違反だ! 内閣総辞職に値する!」といった
政局キッチュな主張を並べたい一心で
会談記録の公開を要求したのかも知れません。
というか、きっとそうでしょう。
だとしても、■■■■■が正当化されるわけではない。
どうせ塗りつぶすなら
TPP自体をブラックアウトしてはいかがですかね?
■■■は、■■の■■を■■し、
■■■■への■■■■をもたらす■■■■だ!
今のうちに■■■■■■■せよ!
ローリング・ストーンズ初期の名曲
「ペイント・イット・ブラック(黒く塗れ!)」を聴きつつ
そんなことを思う今日この頃でありました。
ではでは♬(^_^)♬
12 comments
転石 says:
4月 10, 2016
ペイント 是無 ブラック
paint them black ♪
幇間どもの 顔を靴墨で 黒塗りし 国会答弁させるのだ
この面が 全てだ。。。で どうよ♪
アンジェラマオ says:
4月 10, 2016
ここでも書くよ
こんな重大な条約を黒塗りして国民に隠そうとしてる事を批判する事をせん無き事なんていう人間は■■■だと思う
SATOKENJI says:
4月 10, 2016
コメントの一部を黒塗りにしました。ご了承ください。
マゼラン星人二代目 says:
4月 10, 2016
>けれども何も明かすつもりはないのであれば
>それは資料とは呼べません。
(現時点で)規定不能だが確かに存在する、これは現実だ、夢ではない、
(もちろん、特定秘密保護の対象にもならない)
少なくともそのことが確認できるのならば、その限りにおいてそれは資料的価値を有する。
「これが最悪だと言えるうちは最悪ではない」
外交には存在そのものが知らされない「密約」というものがある。(これは今なお中東の戦乱の火種にもなっている)
その域に達していないだけ、まだマシと言えなくもない。
SATOKENJI says:
4月 10, 2016
■■■■■が存在することは
密約が存在しないことの証明にはなりません。
よって、最悪ではないと言い切ることはできません。
ついでに、すべて塗りつぶされている以上、
■■■■■がTPPの資料だと断定することもできません。
まったく関係ない文書を塗りつぶして
TPP関連のタイトルを上から貼り付けただけだったらどうしますか?
というわけで、資料的価値を有すると言い切ることもできないのでした。
マゼラン星人二代目 says:
4月 10, 2016
>まったく関係ない文書を塗りつぶして
>TPP関連のタイトルを上から貼り付けただけ
つまりは、蓋を開けて出てくるのが、
日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね
日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね
日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね
日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね日本死ね
(以下同文)
という類の文字列だったら何とする、とのこと。
文書の真性性の保証もできない官僚制、TPPそのものはどうあれ、この一点だけでも統治の正統性が雲散霧消する話です。
マゼラン星人二代目 says:
4月 11, 2016
>というわけで、資料的価値を有すると言い切ることもできないのでした。
入口論を軽視している、甘い。というお立場。
文書が(広い意味での)偽物(の疑義が濃厚)であれば、TPPの正確な内実を知るうえでの拠り所にはならない。そうなると、その面での資料的価値はたしかに失なわれることになる。その点、もっと厳しくみるべきだったのでしょう。
しかし、それならそれで、別の意味での資料的価値が出てくる。為政者の対応の不誠実性の動かぬ証拠に使えるからです。これだけでも、TPPというものの後ろ暗さを暗示するのに十分であるし、ひいては、それこそ密約の疑惑も視野に入ってこようというものです。
もちろん、それだけで決め手にはならないが、話を次に進めるうえで、重要な橋頭堡にはなり得るのではないでしょうか。そして、為政者の側から見ればそれは取りけしの利かないヘマをやらかした、ということでもある。
それにしても、民進党のことを小馬鹿にしてみせるのもいいが、ここはむしろ、「自民党さん、大丈夫ですか」と言うべきではないのか。
>(広い意味での)偽物
公文書として要件を満たしてないので本物とは認められないという場合と、表紙に中身が伴ってない(看板に偽りあり)から偽物としか言いようがない、という場合の二通り。
ショーンF says:
4月 11, 2016
佐藤先生、私のコメントをお取り上げいただきありがとうございます。
「すべてを明かすわけにはいかない」と「何も明かすつもりがない」という区別はその通りかと思いますが、そもそも、今回は後者であることを初めから政府は言っているので、その意味では言行は一致しています(佐藤先生であれば、このような状況で、どのような文書を出す、または出さないのか、お考えがあればお聞きしたいです。)。前者の場合、「では、明かせる部分はどこだ」ということが問題となりますが、それぞれの政府が自らに都合よく、「自国が勝ち取った、または相手からの要求を退けた部分」を開示するなどということはできるはずがないわけです。
また、どの分野で譲歩したか把握することが重要なことは全く同意しますが、その結果出てきた条約内容をその分野の利害関係者が精査して、自らにどのような影響が出るのか予測できないというのも情けない話だと思うのです(もちろん、把握していればより簡単に予測できるとは思いますし、一見無関係と思われることが想定外の形で影響を及ぼす可能性を否定するつもりもありませんが。)。
半ライス大盛り! says:
4月 13, 2016
コメント見て思い出しましたが、
80年代には、顔に靴墨を塗りたくった、シャネルズ(後に改名)と言うグループが
居ましたっけ。
その時のデビュー曲が『ランナ・ウェイ』だった事を思うと妙な説得力を
感じてしまいます。
SATOKENJI says:
4月 13, 2016
改名後は何というグループになったんでしたっけ?
半ライス大盛り says:
4月 13, 2016
ラッツ&スターです!
確か、ファンの女性にいたずらして
一時活動停止してましたね。
その後、改名をして再スタートです。
都合が悪くなると改名するって・・・(どこかの政治政党みたい)
また、メンバーの一人がネットで有名な、田■さんでその後
この手の犯罪を繰り返す事になりました。
いや、個人的には、このグループに何ら悪意も何もないのですが
なんとなく、類似性を感じてしまい、コメント投稿してしまいました。
せい says:
4月 14, 2016
黒塗りというと発禁本を想像してしまいます。
>ショーンFさん
佐藤さんは、私のようなニュースのヘッドラインしか読まないような興味のない人(大まかな要点は本などで把握するようにはしてるつもりですが、首相の今日の動静のような細かな所まではよく知らない)にもわかるような、モノの道理を説いている印象を受け、大変分かりやすく有難いです。よく知らないのですけれども、「政府は初めから後者であると言っている」とは「黒塗りでしかだせない」と政府が回答したことでしょうか?素朴に考えて、「完全に黒で埋め尽くす」とは言っていないと思うので、前者の「すべてを明かす訳にはいかない」=多少は明かせる部分もあるだろう、と受け取る事も可能であったろうと思うので、断言はできないのではないかな、と思いました。素人考えですが。