ドイツ人の友人が、
久しぶりに日本にやってきまして
先週、遊びに来ました。
ふだんはデュッセルドルフに住んでいるのですが
移民・難民の問題は
やはり深刻とのこと。
なにせこの友人によれば
EU統合どころか
東西ドイツの統合だって
今なお完了したとは言えないうえ
西ドイツの人間にとっては
理不尽に損をさせられることが多く、
あまり歓迎できるものではなかったと言うのです。
社会主義諸国の優等生と呼ばれた東ドイツでこの騒ぎですぞ。
言っちゃ何ですが
朝鮮半島の統一が実現などしたら最後、
韓国の発展は軽く100年遅れるんじゃないですかね?
それはともかく、
20日にはパリで警官への銃撃事件が発生。
大統領選挙への影響が取りざたされています。
フランス検察のモランス検事によれば
銃撃犯の名前はカリム・シュルフィー。
フランス国籍を持っているとのことですが
名前からして移民の可能性が高いでしょう。
シュルフィーはイスラム国を支持する内容のメモを持っていたそうですが
モランス検事によれば
「イスラム過激派に傾倒した兆候は把握されていない」とか。
強盗や別の警官殺人未遂などで多くの有罪判決を受け、
服役と出所を繰り返していたとの話なので、
凶悪犯罪者ではあっても
必ずしもテロリストではないかも知れません。
ちなみにこの銃撃事件については
イスラム国の犯行声明が出ていますが
彼らが発表した犯人は、ベルギー人のアブ・ユセフ。
で、実際にベルギーでは
アブ・ユセフを名乗る男が警察に出頭しました。
しかしこの人物、
麻薬密売容疑で指名手配されてこそいたものの
今回の事件とは無関係と判明したとか。
どうもよく分からない話です。
ただしハッキリしているのは
国境を越えた人の移動をあまり自由化すると
多大なリスクがつきまとう、ということ。
しかるにこの事態を
500年近く前に
すでに見通していた(らしい)人物がいます。
ご存じ、予言者ミシェル・ド・ノストラダムス、
通称「ノスさま」。
かの五島勉先生によれば
ノストラダムスの予言詩集「諸世紀」(※)第6巻の10には
こんな詩があるというのです。
(※)この邦題は厳密には誤訳(正しくは「百詩編集」)ですが
わが国にノストラダムスの名を知らしめた
五島先生に敬意を表して「諸世紀」としておきます。
いくばくかの期間のうちに、色の神殿ができあがる
白と黒はふたつながら混じり合い
赤と黄もその色を純粋に保たなくなる
かくて血と地震、疫病と飢えと火と洪水がかれらを襲うことになるのだ
(「ノストラダムスの大予言」112ページ)
五島先生いわく、
ノストラダムスは弟子のように可愛がっていた王子シャルル
(のちに国王シャルル9世)に
この詩を「人類滅亡の前兆」の一つとして示したとか。
で、シャルルはこう言ったらしい。
ノストラダムス殿、そなたはこの詩で、
人の肌の色のことを申されているのですね。
ノスさまはうなずいて、
「仰せのとおりです、王子様」と答えたそうな。
(同)
断っておきますが、
五島先生のノストラダムス談義は
控えめに言っても、いささか信憑性に難のある点が多いので
これがどの程度史実を踏まえたものかは関知しません。
上記のやりとりにしても、
「ブロワ城での問答」なる文書に記載されたもので、
パリの国立図書館に原書が残っているとか言うのですが
完全な創作の可能性もあるでしょう。
しかし、そんなことは問題ではない。
ポイントは五島先生がこう書いていること。
ノストラダムスは、べつに混血を非難しているわけではない。
(中略)
混血はおそらくひとつのシンボルにしかすぎないだろう。
この詩のような世界的な混血が行なわれるためには、
その背景に、
大量のスピーディな交通手段が必要だし、
性的な混乱──と言って悪ければ、解放の風潮が欠かせない。
(中略)
そのことが破滅に結びついていく、
とノストラダムスは予感したのだろう。
(同、113〜114ページ)
ピンク色にした部分にご注目。
これはつまり、
自由主義に基づく国境を越えた人の移動の活発化が
文明を崩壊させるようなリスクをもたらす
ということではありませんか。
ノストラダムスは移民に反対だった!!
フランス大統領選の有力候補と目される
「国民戦線」党首のマリーヌ・ルペンさんには
ぜひ選挙演説で
これを引き合いに出してほしいものです。
とはいえわが国では
左翼・リベラルはむろんのこと、
保守と目される政権すら、
国境を越えた人の移動の促進に賛成なんですよね・・・
だ・か・ら
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!
ではでは♬(^_^)♬
7 comments
Daniel says:
4月 23, 2017
和魂だけでなく、「洋才」の研究も必要なようですね。
私は哲学には詳しくないのですが、こういうのを「神は死んだ」というのでしょうか。
博史 says:
4月 23, 2017
>>言っちゃ何ですが
朝鮮半島の統一が実現などしたら最後、
韓国の発展は軽く100年遅れるんじゃないですかね?
覆水盆に返らずとはまさにこのことですね。
だからこそ国家が分断させるような政策は愚かであると。
しかしながら、ここで厄介なのが、第二次世界大戦後、
日本国家が分断されなかったのは
1.本土決戦を取りやめ、無条件降伏した
2.アメリカにより単独占領された
3.1,2を踏まえ、「アメリカを中心に世界が1つになりつつある」
という妄想のもと、日本人も一つにまとまってきた
の3点による可能性があることです。
現在の「右の売国」、もとい国家分断に繋がりかねない政策実施
の背景には、上記要素を含んだ、我が国の敗戦経緯がある。
しかしながら、上記要素が満たされない形で敗戦を迎えたとすると
敗戦時にそもそも国家が分断されていた可能性がある。
私の仮説が100%正しいとは言いませんが、
例によって厄介なパラドックスですね。
Daniel says:
4月 23, 2017
これは反論というよりは、むしろ補足なのですが、
敗戦後、日本は分断されていますよ。宗谷海峡と珸瑶瑁水道(納沙布岬沖)のラインで。固有の領土である樺太と千島が切断されています。
地勢的にも、歯舞群島と色丹島が、納沙布岬の部分水没、つまり北海道の一部であることは知られていますが、樺太本島沖にある海馬島(露名:モネロン島)は、利尻島、礼文島の仲間であり、実は樺太というよりは、北海道の一部なのです。
近年、北方四島以外の北方領土が、片仮名のロシア名で表記するよう、ほぼ統一されるに至ったのは、分断の事実を糊塗し、同地域及び地域住民(旧来からの在住日本人もいます。彼らは、残留孤児や拉致被害者と同じではないですか)を売り渡した象徴的な証拠なのです。
今や右も左も、彼らを挙って売り渡したのです。
かつて残留孤児は帰還事業を国家で官民挙って行いました。拉致被害者も、取組が不十分とはいえ、やはり国家が官民挙げて行っています。だったらこれは、余りに不公平で無慈悲な切捨てでないか。竹島を巡って李承晩ラインで命を落した日本漁民でさえ、このような扱いは受けていない。
少し補助線を引きましょう。ロシアは樺太千島こそ、日露間の緩衝地帯と考えている。恐らくは本当は日本から不法に奪い取りつつある領土だと理解している。それが証拠に、樺太千島の開発を敢えて行わず、軍港などの大規模軍事施設も置いていない。サハリン州全体でも、かつての南樺太の人口を下回っているのです。あれから70年以上経過しているのに。同地域のロシア人は、ほとんど棄民状態です。元来囚人の島流し用地にしてましたしね。
日露間の緩衝地帯は、オホーツク海で十分なのです。これは、もっと直接対決している米露領土間の距離を見れば分ります。アラスカ・アリューシャンと、カムチャツカは、指呼の間ではないですか。カムチャツカ半島南部には、クリミア戦争の舞台にもなった、ペトロパブロフスクという天然の良港(不凍港)がありますが、ここはロシア原潜の出撃基地になっているにも関わらず、アラスカからの米国人観光客が、陸続として観光に訪れているんですよ。
ソウルメイト says:
4月 23, 2017
日本人ってのは、海外の流行に敏感で舶来ものをむやみにありがたがる習性があるのは、わたしごときがあらためて申すまでもなく周知の事実。で、日本人があたかも植民地の人間が宗主国に憧れ慕うかのごとく情景してやまないアメリカに誕生したのが、アンチ・グローバリズム、自国優先主義のトランプ大統領。ついでにイギリスはEUから脱退して、次にフランスでアンチ・EU、自国優先主義を唱えるルペン女史が大統領に選出されでもしたら、もはやアンチ・グローバリズム、自国優先主義の世界的潮流は決定的なものとなるでしょう。ろくな見識や定見を持たないわが国のアホでマヌケなマスメディアの連中が、この流行に飛びつかないわけがないと思います。で堤未果さんとか三橋貴明さんとか、鈴木宣弘さんなんかのマスメディアの露出が激増してめでたくわが国にもアンチ・グローバリズム、自国優先主義の機運が醸成されればいうことはないんですがね。ろくでもない国際条約なんて締結しさえしなければ、自滅的な国内政策がとられてもまだなんとかなると思いますしね。喫緊の課題は、なんとしても過激なグローバリズムを阻止することだと思います。
風街 says:
4月 25, 2017
既に御存知かもしれませんが、国家社会主義を信奉してるサラさんという(おそらく)ドイツ人の方が、政治的な理由で母国を離れ、今は日本で暮らしていらっしゃるのですが、流暢な日本語で欧州をはじめとする移民の問題について発信しています。(「サラのチャンネル」)もう時代はここまで来ているのかと、、そして彼女が日本を選んだ理由。考えること、学ぶことがたくさんあります。もちろん先生の本も、本屋さんで買って読みたいと思います。
玉田泰 says:
5月 19, 2017
日本が移民国家になるとしたら、それはもう日本という名の別な国なのでは?
Motohiko says:
11月 18, 2019
ユダヤ人でありながら、移民の受け入れを反対していたというのは興味深いですね。しかしながら、ノストラダムスはフランス生まれの中世時代の王室を支えて生きた人であるから、国柄を失う事の怖さは予測出来たのかも知れません。ルネサンス、フランス革命、近代主義は、日常生活の身近な存在であり、気が付いたら私も含め、移民の受け入れを促進していたという事になりかねませんね。