総選挙の投票日です。
世論調査などによると、
今回の選挙は有権者の関心が盛り上がらず、
投票率が史上最低(小選挙区)を記録した2012年の前回選挙と比べても
いっそう低くなるのでは、とのこと。
これが選挙結果にどう影響するかについては、
与党有利になるという説もあれば
野党有利になるという説もあります。
とはいえ何にせよ、
投票はなるべくした方が良いと思います。
関連してご紹介したいのが、
「スター・トレック」のヒカル・スールー役で知られる
日系アメリカ人俳優、ジョージ・タケイさんのエピソード。
より正確には、
タケイさんが自伝「星に向かって」で語った
彼の父親、タケクマ・タケイさんをめぐるエピソードです。
タケイさん一家は戦時中、
日系人収容所に入れられました。
カリフォルニアとオレゴンの州境に近い
テュール・レイク収容所というところでは
アメリカ政府の姿勢に反発した人々が、
ジープで監視する兵士にたいして
「ケトー(毛唐)、地獄に落ちろ!」と英語で叫んでいたとか。
かなりひどい環境だったようです。
しかるにタケクマさん、
戦争が終わり、日系一世の市民権申請が認められるようになると
取得に向けて積極的に動く。
息子はこれにたいし、
「自分たちにひどい仕打ちをした国の市民になぜなりたいのか」
と聞いたそうです。
タケクマさんいわく。
市民権を持つとは、特定の国、または都市、
あるいはコミュニティの一員となることを意味する。
だが、より本質的に言えば、
それは自己の基盤となる価値観を選び取ることなのだ。
あらゆる欠点にもかかわらず、
アメリカは立派な理想を持つ国だ。(中略)
私は市民となることで、
アメリカが理想に近づくのを手助けする道を選ぶ。
立派な言葉ではありませんか。
父親の影響を受けてか、
ジョージさんも政治への関心が高い人物。
ただしご本人によると、
彼が支持した候補は決まって落選する
(ご自分でロサンゼルス市議に出馬したときも含めて!)
とのことですが、
これは別の話でしょう。
参政権を持つのは市民であることの証拠。
投票するとき、みなさんは日本が理想に近づくのを手助けしているのです。
ではでは♬(^_^)♬
2 comments
マゼラン星人二代目 says:
12月 14, 2014
>投票するとき、みなさんは日本が理想に近づくのを手助けしているのです。
というより、人々が投票に行かなくなるその度に、(理想的であってもなくても)国家の統合それ自体が損なわれてゆくことでしょう。
>「自分たちにひどい仕打ちをした国の市民になぜなりたいのか」
「なりたかねーよ、別に」というわけです。
カインズ says:
12月 14, 2014
投票自体は期日前投票で行ってきましたが、理想に近づくための手助けという高尚な気分を抱くことは出来ませんでした。なにしろ、主要な政党が全て新自由主義やら財政均衡論に囚われているのですから。悪い意味で甲乙を付けがたい選挙でした。選挙のお題目もアベノミクスの成否という抽象的なものですし、投票率も低くなるでしょうね。
個人的には、今回の選挙は理想に近づくための手助けというポジティブなものではなく、崩壊のスピードを少しでも遅くするといったネガティブなものに感じられました。人体に例えれば、入院生活から脱して再び元気に生きるための処方箋ではなく、余命を一日でも長くするための延命治療というイメージです。そして、その延命治療と称して効かない薬ばかりが並んでいる。低下するであろう投票率は、「無駄な薬はもう結構」という意思表示に思えます。