早いもので、今年も12月となりました。
先の金曜日、11月30日には
久しぶりに銀谷翠さんと『FRONT JAPAN 桜』を。
他方、
中野剛志さんが10月に京大で行った講演が
「超人大陸」で配信されています。
もちろんアウフヘーベンマン主催なのですが
題名がなんと「没落について」。
自分の所属する某組織を
それとなくディスって始まるという
じつにクールな講演です。
ついでに話の中で
さまざまな先人の名言が引用されますが
ニコロ・マキャヴェリ
フリードリヒ・リスト
オルテガ・イ・ガセット
マーガレット・サッチャー
オズヴァルト・シュペングラー
に並んで
ブルース・リーがしっかり登場。
25分20秒すぎです。
紹介された言葉はもちろん・・・
「やっぱり、あれは絶賛だったのね♥」(※)お姉さまの発言です。
アニメから sayaさんの熱唱まで、豪華絢爛たるプロモーション動画はこちら!
ついでにツイッターで知ったのですが
「世界で一番受けたい授業」というテレビ番組に
さる元財務官僚が出演、
例によって例のごとく
「国の借金ガー」的な話を開陳したあと
突如として「二度と戦争はしてはいけない」なる旨を発言、
どうしてそんな話になるんだ?!
と人々を困惑させた模様。
とはいえ、
賢明なる本ブログ読者のみなさまには
どうしてそうなったかは明らかでしょう。
そうです。
財政均衡主義/緊縮財政志向の根底には
やはり戦後日本型の平和主義があったのです!
「財務省のお墨付きが出たんだわ。だから言ったでしょう」(※)お姉さんの発言です。
た・だ・し。
日本国ならぬ防衛省については
デフォルト(債務不履行)か? という兆候が見えています。
どうぞ。
防衛省が国内62社に支払い延期要請 米兵器ローン圧迫
(中日新聞、11月29日配信)
防衛省が今月初め、国内の防衛関連企業六十二社に対し、
二〇一九年度に納品される防衛装備品の代金の支払いを
二~四年延期してほしいと要請したことが、
関係者への取材で分かった。
高額な米国製兵器の輸入拡大で
「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンの支払いが急増。
編成中の一九年度予算の概算要求では、
要求基準を事実上二千億円超過したため、
国内企業に「返済猶予」を求める異例の事態となっている。
「おいおい、ご利用は計画的にというのを知らんのか?」(※)看板たちの感想です。
企業側はこれにたいし、
資金繰りへの影響などを理由に反発。
そりゃそうでしょう。
ところが、企業側が同意してくれないと支払いの先送りができない!
どうする、防衛省!!
♬だから国防も宇宙のジョーク、あっソレ♬
・・・こうしたんですね。
2019年度に納品予定の契約を変更して
追加の発注を行うことを提案。
そのかわり、支払いについては
追加分が納入されるとき(2021〜2023年度)に
一括で頼めないか?
と持ちかけたのです。
ちょっと待て!
支払いができないからもっと注文するって
いったい、どういう話だ?!
「これまた、アウフヘーベンできんなあ・・・」(※)個人の感想です。
問題の「兵器ローン」が膨れあがった構造について
記事はこう説明します。
安倍政権以降、輸送機オスプレイや早期警戒機E2Dなど
米国政府の「対外有償軍事援助(FMS)」に基づく
高額兵器の輸入が急増し、
FMSのローン残高は本年度一兆一千三百七十七億円と
五年前の約六倍に拡大している。
一九年度に支払時期を迎えるローンは、
国内産兵器分と合わせて二兆六百四十七億円。
同時に、支払額より四千四百億円多い
二兆五千百億円の新たなローンが発生し
「自転車操業」の状態となっている。
(※)記事の内容と直接の関係はありません。
そのせいで来年度予算の概算要求に盛り込まねばならない
2000億円程度の米軍再編関連経費を盛り込む余地がなくなり
国内企業への支払いを待ってもらう以外に
手がなくなったとのこと。
東アジアには何か気にくわないことがあると
お前の首都を火の海にしてやる!!
と叫ぶ国がありますが
わが国の場合、
わざわざ攻撃を受けるまでもなく
防衛省が火の車になっていたという次第です。
「落ちるかどうかじゃない、どこまで落ちるかだ」(※)個人の感想です。
しかしこの話、
整理するとこうなるんですよね。
1)アメリカの高額な兵器をどんどん買った/買わされたせいで、
兵器ローンこと後年度負担が急増した。
2)そのせいで、アメリカ軍の再編に関連した経費を
概算要求に盛り込む余地がなくなった。
3)首が回らなくなってしまい、国内の防衛関連企業への支払い
(航空機や艦船の部品を扱っているものだそうです)を待ってもらうしかなくなった。
4)ただし、「待ってくれ」と言って待ってもらえるわけではないので
追加注文をするところまで追い込まれた。
早い話、
アメリカのご機嫌を取っているうちに
アメリカ(軍)の動向に対応することができなくなり、
ツケを国内企業に回した
ということではありませんか。
いったいこれは、どういう国防だ?!?
こんな体たらくでは
自主防衛など永遠にできるはずがない!!
それで何が防衛省。
あらためて「庁」に降格させるべきじゃないですかね。
のみならず。
アメリカの高額兵器にしたところで
本当に日本の安全保障のニーズに基づいて買っているのか
どうも疑わしい。
こちらをどうぞ。
トランプ大統領、F35購入に謝意 日米首脳が会談
(ロイター、12月1日配信)
安倍晋三首相は20カ国・地域(G20)首脳会議が開幕した
ブエノスアイレスでトランプ米大統領と会談した。
トランプ大統領は冒頭、
日本が最新鋭ステルス戦闘機F35を購入することに関し、
「非常に評価したい」と謝意を表明した。
同時に「米国の対日貿易赤字は相当に大きく、迅速に解消されるべきだ」と強調した。
おいおいおい、
これじゃわが国は
アメリカの対日貿易赤字を削減するためにF35を買ったとしか思えないじゃないか!
(※)ふたたび、記事の内容と直接の関係はありません。
ちなみに安倍総理、
G20の中において、このような首脳会談が実現するのも
日米同盟がいかに強固であることの証拠だ
と語ったそうですが、
今回のG20では米中首脳会談も実現しております。
きっと米中同盟も強固になりつつあるんだろうな、うん。
要するに
アメリカの現地妻(Ⓒ平貧)たるわが国は
自国を守るため(のはず)の兵器を買うときですら
旦那さまであるアメリカの機嫌を取ることを
最優先課題としている可能性が高いのです!!
それでローン破産寸前とくるのですから
ずばり、男に貢いで身を滅ぼす女のテンプレじゃないですか。
「どうも最近、首筋が痛いと思ったら、首が回らなくなっていたのね」(※)お姉さんの症状です。
しかし、文句をつけるだけが能ではない。
防衛省は今回の一件で、
わが国の経済政策の宿痾(しゅくあ。通弊のこと)とも呼ぶべき
財政均衡主義を否定する方向へと
偉大なる一歩を踏み出したのです。
中日新聞の記事の最後には、こう書いてあるのですよ。
防衛省会計課の話
契約変更の説明会で、装備品の部品不足に備えて在庫を確保するため、
追加で発注する仕組みを提案した。
発注規模や金額は、まだ検討段階で分からない。
支払いを後ろに延ばすのは、いろいろな契約の方法の一つで、
歳出化経費の先送りではない。
最近のわが国では
デフレではないがデフレ脱却はできていない
とか
外国人労働者は、いかに移民の定義を満たそうと移民ではない
とか
歯舞・色丹の二島返還に舵を切っても、四島返還の方針は変わらない
といった
認知的不協和丸出しのフレーズが飛び交っていますが
支払いを後ろに延ばすのは経費の先送りではない
というのが、これに加わったわけであります。
付記するならば
「いろいろな契約の方法の一つ」という箇所も、
11月19日の記事
「言っては何だが、プーチンは総理をどこまでもタコにするつもりではないだろうか。」
でご紹介した
(北方領土返還には)いろんなバリエーションがある
という某政府高官の言葉と瓜二つ。
つまりは「しょうもないウソ話」(Ⓒ西部邁)なのですが
今回に限って言えば、そんなウソ話にも大いに価値がある。
いいですか、
支払いを先延ばしにするのは先送りではない
のですぞ。
これが正しいとすれば
財政再建を先延ばしにするのも先送りではない
はず。
ならば!!
財政再建を先延ばしにして、将来世代にツケを回すな
という、
財政均衡主義/緊縮財政志向派の主張も
一撃で粉砕されるはずではありませんか。
先延ばしにするのは先送りじゃないんですから。
やったぜ、防衛省!!!
自分たちのみっともないありさまをどうにか糊塗しようと
認知的不協和丸出しの詭弁をこねくり回したあげく
防衛省会計課は
おそらくはそうと気づきもしないまま
財政均衡論者を打倒したのであります。
先延ばしは先送りではない。
みなさん、
このロジックを最大限に活用して
積極財政を実現させてゆきましょう。
防衛省よ、ありがとう!
日本再生へのさらなる理論武装のため、読むべき5冊はこちら!
ではでは♬(^_^)♬
4 comments
アトロ says:
12月 2, 2018
国内企業に支払いを猶予してもらえるというのは、借金まみれだとされている政府及び省庁の支払い信用力が高いという意味では。
SATOKENJI says:
12月 2, 2018
記事によれば、猶予してもらえるかどうかはまだ確定しておらず、
個々の企業との交渉になるそうです。
拓三 says:
12月 3, 2018
政府は国民との信用を無くしたいの ?
簡単は話ですがカネとは信用。通貨発行権があり他国に対し債務が無ければ国家は国民と政府の信用さえあれば破綻はしない。バランスシートも信用が前提であり国内の債務と債権は常に比例するものである。しかしどれだけPBが健全であろうが国民と政府の信用が崩れれば国家は破綻する。
何故に政府は嘘を付いてまで国民との信用を潰そうとするのか ?
佐藤氏が仰る平和主義がバカを生むのか ?
それとも根本的にバカなのか ?
0から物が出来た過程を考えなければならない。
与えられた世界から始まる思考はツギハギだらけの矛盾に覆われ安倍の様な人間に落ちぶれる。安倍の様な人間になりたくないでしょw
拓三 says:
12月 3, 2018
追加
逆説で言えばどれだけ消費税が上がろうと、どれだけ国民が貧困に苦しもうが国民と政府に信用があれば破綻しないと言うこと。財務省はそれを解っているからこそ必死で正義面したプロパガンダを垂れ流す訳。
この先、貧困が財務省のプロパガンダを信じるとはおもいませんが。
政治家はどちらを取るのでしょうか。あっ、貧困取ったかw