ローリング・ストーンズの名曲のひとつに
「ギミー・シェルター」があります。
1969年の名盤『レット・イット・ブリード』の
冒頭を飾ったもの。
不安感を煽るような女声コーラスをバックに
ミック・ジャガーが
オレの命を嵐が脅かす
レイプや殺人がもうすぐ起こる
と歌います。
逃げ込めるシェルターがないと
オレはもうすぐ死んでしまう、というわけ。
ちなみに『レット・イット・ブリード』は
「無情の世界」
(原題:YOU CAN’T ALWAYS GET WHAT YOU WANT)
という曲でしめくくられますが
「ローリングストーン・レコードガイド」は
1960年代がたどりついた結論とは、要するにこの2曲に尽きる
とコメントしました。
YOU CAN’T ALWAYS GET WHAT YOU WANT
とは
欲しいものが得られるとは限らない
ということですから
若者が愛と平和、ついでに革命を求めたイメージの強い60年代も
実際には恐怖と挫折のうちに終わったことになります。
現に1969年12月6日
(なんと「レット・イット・ブリード」の発売翌日)、
アメリカをツアーしていたストーンズの開いた無料コンサートでは
警備を受け持っていたヘルズ・エンジェルズによって
観客の黒人青年が刺殺される事件が発生。
その様子をとらえたドキュメンタリー映画のタイトルも
ずばり「ギミー・シェルター」と言いました。
しかるに、次の記事をどうぞ。
核シェルター「日本からの注文急増」米の製造会社
(毎日新聞、8月14日配信)
北朝鮮情勢の緊迫が続く中、
カリフォルニア州はロサンゼルス郡にあるシェルター製造会社
「アトラス・サバイバル・シェルターズ」に
内外からの問い合わせが殺到、
とくに日本からの注文が急増しているというのです。
同社では、
特に日本からの需要増加を受けて日本事務所を開設し、
南部テキサス州に日本向け専用の製造工場を作って対応しているという。
住宅などの地下に設置する小型シェルターは、
運搬や工事費などを含め3万ドル(約330万円)から。
避難用トンネルや除染室などを備えたものは
同約6万ドル(約660万円)以上する。
(中略)
それでも7月以降、同社製シェルターには、
日本からの注文が30件以上入ったという。
まさにギミー・シェルター!!
まあドナルド・トランプは
北朝鮮がグアム周辺に向けてミサイルを発射した場合、
「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒りを解き放つ」
と発言していますからね。
ついでに北朝鮮問題について
「軍事的解決などない。忘れてしまえ」
と語ったスティーブ・バノンは、
トランプの側近中の側近と言われていたにもかかわらず、
電撃辞任する始末!
これはひょっとして大炎上か?!
となると、シェルターがほしくなるのも分かる話。
前にも書きましたが
わが国における人口当たり核シェルター普及率は
0.02%ですからね。
ちなみにお隣の韓国でも
とりあえず政府指定のシェルター(核対応かどうかは不明)に
現地の邦人を全員収容できる余裕があるとのこと。
で、日本は自国民の0.02%ぶんしかシェルターがないんだってさ!
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!!
となると最悪の場合、
わが国にもエドマンド・バーク言うところの
「炎と血の洗礼」がやってくるかも知れません。
ならば2010年代のたどりつく結論とは何か?
1960年代よりもさらにヤバく、
こうなるのではないかと思われます。
ギミー・シェルターと、トゥー・サンズ・イン・ザ・サンセット(ピンク・フロイド)。
「夕暮れ時の二つの太陽」という意味ですが
二つ目の太陽とは
じつは核爆発のことなのです。
日が沈もうとしているのに、核の太陽があがった
人類もこれで終わりなのだろうか
という歌。
小松左京さんの言うとおり、どんなものにでも終わりはあるのです。
あとは、どんな終わり方をするかですよ。
ではでは♬(^_^)♬
5 comments
momo says:
8月 22, 2017
政府「核シェルターは各家庭でご購入ください。少しだけ補助金出しますよ」
金融機関「おトクなローンが組めます!フリーターの方でも安心!」
日本の事だ、これくらいやってのけそう。
レギーム作 says:
8月 23, 2017
>どんな終わり方をするかですよ。
ギミー・シェルターと、トゥー・サンズ・イン・ザ・サンセットを紹介して頂き、早速聴いてみた所、
共通するのは終わらせ方で、どちらも何らかの楽器のソロと共にフェードアウトしてました。
(ライブ・バージョンではどうなのか分かりませんが)
下手な考えを巡らせるに、これはある種の諦めというか、
「終わることは確実だが、どう終わるのかは選べねえ!ただ奏で続けるだけだ!」と、
そんな風に伝わってきました。
終わり方すら、どうすることも出来ない、という事なのかもしれません。
一方で、私の頭の中にとっさに浮かんできたのは、ディープ・パープルの「紫の炎」なんですが・・。
この曲は終止感バリバリで、私にはどこか、どうにかなると思っている所があるのかなと・・。
いやぁ、こりゃ絶望が足りませんなw
福岡ワマツ says:
8月 23, 2017
>わが国における人口当たり核シェルター普及率は0.02%
自閉性の高いイデオロギー(または世界観、あるいは物の見方)は、まるで精神的なシェルターのようなものだと言えやしないでしょうか。
ここで仮に「自閉的イデオロギー」=「精神的シェルター」と設定すると、このシェルターの普及率はひょっとすると我が国では意外と高いのではないでしょうか。もちろん憶測なのですが。
とはいえ、精神的シェルターが核攻撃のインパクトとショックに耐え得るほどにレジリエンスなのかどうか、私には不明です。
ただ、居心地は良いんだろうなと推察します。きっと世界認識が自身に都合の良い形で歪んでいるのでしょうから。
その居心地は良さは、病みつきになる程なのかもしれませんね。
Daniel says:
8月 24, 2017
これだから、日本は、朝鮮半島を全土領有していた方がよかったのですよ。
朝鮮半島って、結局日本本国からは大赤字だったと言われていますが、満洲国も、樺太さえも、大赤字だったのです。
例えば、樺太(全島)も沖縄も日本固有の領土ですが、現在の沖縄でも、少なくとも85%は本土からの交付金、補助金で成り立っています。(←誰か反論してみろ!)それでも苦しいのです。
朝鮮半島どころか、満洲国全体も日本の(準)国土であったことを考えると、今の体たらくは、私には耐えられません。
アメリカも、ロシアも、中国も、勝手極まりない。全部日本に任せておけば本来よかったのに。米露中だって、その方が彼らの国策に沿うと思うんですがね。
Daniel says:
8月 24, 2017
これは単なる付記ですが、台湾経営は、相当早くから黒字に転換しました。ズバリ、砂糖のお蔭です。(バナナも結構、強力な兵器(笑)でしたが)。砂糖なんて、江戸時代では高級品の極みでしたが、戦前日本期で日用品に転換します。日本料理に甘味が多いのは、そのためでもあるのです。一度味わった甘味には、戦後でも停滞させられない。
南洋群島も、砂糖や鰹などで、僅か十年ほどで、黒字に転換しています。ですから、現地では減税に次ぐ減税です。南洋諸島は戦後、米統治に服しましたが、果してそれで良かったのか。
先生、私はちょっと言いたいことがあります。「南沙諸島」なんて、呼ぶこと止めませんか?(別に呼んでませんが)
あそこは、「新南群島」なんですよ。つまり、嘗て日本が領有権を行使していたところなんです。
サンフランシスコ講和条約で、日本は確かにあそこの領有権を放棄しましたが、それは別に同時に、何処かの国にそれを譲り渡すものでも決してなかったのですよ。樺太と同じです。
譲渡先は、中国でも、フィリピンでもなく、ベトナムでもなく、どこでもないのです。だったら、「南沙諸島」も、英名たる「スプラトリー諸島」でも、日本としては、呼称としておかしい。
樺太(何度も何度でも言いますが、ここは日本固有の領土)は、ロシア領と認めた訳でも何でもないのに、日本政府が率先して現地をロシア語読みしています。ふざけるなよ、日本外務省。佐藤優、鈴木宗男は危険です。二島と引き換えに、樺太、千島(北千島)をロシア領と認めかねない。
日本戦後外交のパッパラパーは、そろそろ改めねばなりません。