カバーだけでインパクトが半端ないと言われる

『平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路』ですが

見本が到着しました!

 

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背表紙こちら。

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今後はこの本が持つ内容的なインパクトについて

あちこちで紹介してゆきたいと思います。

 

ちなみにカバー「愛と希望的観測の街」の美女が評判となっていますが

本文135ページには

20世紀のわが国を代表する映画女優、

原節子さんの写真も掲載されていますよ。

 

写真は、小津安二郎監督の名画『晩春』からのもの。

提供してくださった松竹株式会社に

あらためて厚く御礼申し上げます。

 

ついでに裏カバー「新・東京暮色」の美女も素晴らしいですからね。

 

『平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路』

発売は9月15日です。

みなさん、ぜひどうぞ!!

 

ご予約はこちらをクリック!

COVER+OBI

 

さて。

このところ、マーガレット・ミッチェルの

『風と共に去りぬ』を読んでいます。

 

ペーパーバックで1000ページあまりという超大作

(日本語版は新潮文庫版で全5巻、岩波文庫版なら全6巻!)ですが

20世紀アメリカを代表する小説のひとつだけあって

みごとに読ませる。

 

しかるに注目したいのは

140ページあたりで出てくる

 アトランタ市(ジョージア州の州都)の歴史に関する記述。

 

ミッチェルいわく、

1835年まで、そこには都市どころか村さえなかった。

ところが1836年、

テネシー州を通じて西部にいたる鉄道の建設が決まる。

 

そして1837年、

鉄道の始発駅がここに建設されることになり、

付近一帯は「ターミナス」と命名された。

つまりは「駅ターミナルの地」という意味です。

 

しかるにその後、

ジョージア州各地で鉄道建設が始まり、

それらが次々とターミナスに乗り入れるようになる。

 

こうして町は大発展。

1842年にはマーサヴィルと改名、

1847年にはアトランタとなります。

そして気がついてみれば、

サバンナやチャールストンといった

ずっと古くからある周辺都市より

人口も多ければ活気もあふれる大都市になっていたという次第。

 

で、「アトランタ」が生まれたのと

同じ1847年に生まれたのが

ヒロインのスカーレット・オハラとくるのですが、

それは脇に置きましょう。

 

ここでのポイントは

何もなかった土地に

アトランタという大都市を誕生させたのは

交通インフラの整備だった、という点なのです。

 

この人物が聞いたら大喜びしそうな話ではありませんか。

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とはいえこれは、裏を返せば

交通インフラの衰退は、

地域の没落の引き金となりかねない

ことも意味する。

 

以上を踏まえて、どうぞ。

 

JR北海道、深刻すぎる「台風・地震」ダブル被災

(東洋経済オンライン、9月7日配信)

 

台風21号と北海道胆振(いぶり)東部地震のダブルパンチで

ただでさえ経営の大変なJR北海道が

ますますヤバくなるのではないかという話です。

記事はこちら。

 

いわく。

 

6日夕方の時点で、JR北海道広報は

「インターネットもファックスも使えず、

広報では被災状況を把握できていない」としていた。

代わりに、国土交通省が情報収集を行い、

6日14時の時点で千歳線・南千歳―沼ノ端間で軌道変位が生じていると発表している。

同区間は震源地からあまり離れていないことから、

軌道がどの程度変位しているのか心配である。

 

苫小牧と札幌を結び、

新千歳空港のアクセス線という役割を持つ千歳線は利用者が多く、

同社にとってドル箱的存在だ。

もし運行再開に長期間を要することになれば、今期の収益にも影響を与えかねない。

また、もし復旧費用に莫大な資金がかかることになれば、

経営再建計画の見直しも迫られかねない。

 

JR北海道は

もともと不採算路線が多いうえに

2010年代に入って

事故、データ改ざん、社員の不祥事などがあいつぎ

窮地に立たされていました。

 

なにせJR北海道のサイトを見ると

まっさきにお詫びの言葉が出てくるくらいなのです。

サイトはこちら。

 

たしかに列車走行100万キロあたりの輸送障害発生件数を比較すると

JR北海道は5.2件。

JR東日本は1.3件ですから、なんと4倍です。

関連記事はこちら。

 

けれども、これには事情があるんですね。

どうぞ。

 

寒冷地を走るJR北海道の路線は

本州より過酷な条件であるがゆえに、

設備の早めの修繕、更新が必要だった。

にもかかわらず、経営難もあって1990年代後半から軌道修繕費と設備投資費を抑制し、

国鉄末期に投入された老朽車両すら新車に置き換えられなかった。

元の記事はこちら。

 

つまりは国鉄を分割して民営化したことのツケが

こういう形で回ってきたのです。

 

もともと厳しい条件にあるのですから

北海道の鉄道インフラなど、どうでもいいというのでないかぎり

政府の思い切った支援が不可欠のはず。

ところが、話はこうなる。

 

JR北海道は、国土交通大臣から事業改善命令と監督命令を受けた後、

2014年に第三者委員会「JR北海道再生推進会議」を発足し、

道知事や国交省、有識者を交えながら緊急対策を議論することになった。

 

第三者委員会は2015年6月に報告書をまとめた。

JR北海道が安全対策のため設備投資費と修繕費を捻出するためには、

慢性的な赤字状況を解消せねばならない。

そして、経営の持続可能性を担保するために

「事業範囲の『選択と集中』」を検討することを求めた。

 

出ました、選択と集中!!

要は不採算路線を廃止しろという話。

達増拓也・岩手県知事の名言にならえば「鉄道の店じまい」です。

 

こうして、極端に利用の少ない駅や列車の廃止、

特急の減速や減便、そして赤字線の廃止までもが現実のものとなった。

 

JR北海道が2016年11月に発表した文書によると

同社が単独で維持するのが難しい線区は

13線区1,237キロ。

 

逆に単独で維持可能な線区は

11線区1,151キロ。

なんと、維持できない線区のほうが多い!!!

文書のPDFはこちら。

 

(※)記事の内容と直接の関係はありません。

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かりに「単独で維持するのが難しい線区」がすべてなくなると

北海道の東部と北部は

鉄道インフラがなくなってしまいます。

 

2016年(この年も、北海道は3つの台風に見舞われました)の段階で

すでにこんなありさまだったのですよ。

そこに台風21号と、胆振東部地震と来る。

 

ご存じのとおり、インフラ整備に関するわが国の姿勢は

「何だね、どこにそんなカネがあるんだね?!?」(Ⓒネオ東京最高幹部会)

のアキラ・スタイルが基本。

 

よって今回の災害ダブルパンチは、

JR北海道の店じまいを加速させる恐れが強いのです。

だが、それでいいのか。

 

なるほど、「風と共に去りぬ」の時代と異なり、

今や交通インフラは鉄道だけではない。

国も北海道も、

高速道路や空港などの整備を行ってきています。

JR北海道の経営が苦しくなったのは

じつはその結果という側面もあるらしい。

 

と・こ・ろ・が。

 

それはあくまで春から秋の話である。

冬季になると、人々の言うことは「手のひらを返したように」なる。

要するに「JRさまさま」なのだ。

低気圧が通れば吹雪となり、そうなれば空港は閉鎖、

高速も通行止めになる。

 

だが、鉄道だけは130年の歴史が蓄積したノウハウで、

余程のことがなければ「動かす」ことができている。

 

新千歳が吹雪で閉鎖になってもほとんどニュースにならないが、

JRが運休を出すとすぐに報じられるのは、

マスコミがJRに意地悪をしているのではない。

そのぐらい、冬季の空港閉鎖は当たり前であって、

その反対にJRの大規模運休は珍しいからだ。

元の記事はこちら。

 

さあ、これでも鉄道インフラがなくなって大丈夫なのか。

 

JR北海道が店じまいを進めたら最後、

北海道の半分くらいは決定的に衰退するのではないでしょうか。

となれば当然、人の住まない土地が増える。

それを(たとえば)中国資本がどんどん買っていって、

中国人向けの開発を進めたらどうなるか。

 

「落ちるかどうかじゃないんだ、どこまで落ちるかなんだ」(※)個人の感想です。

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北方領土はおろか

北海道までが

風、いや吹雪と共に去りぬ・・・

なんてことにならないためにも

JR北海道は、国益を賭けて維持すべし!

これが結論であります。

 

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