内閣府が今年8月に行った

「人口、経済社会等の日本の将来像に関する世論調査」

の結果について、産経新聞がこんな記事を出しています。

 

50年後の日本、60%が「暗いと思う」

 

記事によれば、この数字、正しくは60.1%。

そのうちハッキリ「暗い」と答えたのは18.5%で、

「どちらかと言えば暗い」が41.6%だったとか。

 

他方、「明るいと思う」という返答は

33.2%にとどまったとのこと。

普通に考えれば

「明るい」「どちらかと言えば明るい」を足して、これなんでしょうね。

 

記事をご覧になりたい方はこちらをクリック。

 

当の内閣府は、サイトを見るかぎり

この調査についてまだ発表していないので、

今ひとつ詳しいことは分かりません。

 

しかし現在の日本人が

自国に将来について、かなり厳しいイメージを持ち始めている

ことは否定できないでしょう。

 

ちなみに年代別に見ると、

「暗い」が最も多かったのが30代。

65.3%の人がそう回答したとか。

 

逆に最も少なかったのは70代。

その年齢に達していれば

良くも悪くも、50年後の日本を見ることはまずありえないのですが、

それでも50.9%が「暗い」と回答したそうです。

 

しかも。

日本がめざすべき社会像については

「緩やかに成長・発展を持続する」が最も多かったものの(42.8%)、

「縮小しながら一人当たりの豊かさが保たれる」も25.4%に達したらしい。

両方を合わせると68.2%。

 

つまり七割近い人は

この国の今後について

良くて緩やかな成長、悪ければ縮小というふうに見ていることになる。

 

裏を返せば「日本を、取り戻す。」なんて

多くの国民は不可能だと思っているんじゃないでしょうか?

 

「歴史を持つ社会は、みずから回復しえぬような病いを決して背負い込まない」

とは、福田恆存さんの名言です(「近代の宿命」より)。

 

とはいえ明治以後の日本は

まさにその歴史を多分に否定する形で、

欧米化・近代化を推進してきた。

 

戦後になると、そこに「戦前の否定」や

「国家(権力)の否定」までが加わります。

 

今や日本は、回復しえないような病いを背負い込んでしまったのではないでしょうか?

 

この問題を提起するのは、ほかでもありません。

回復しえない病気を無理やり治療しようとすることは

かえって患者の体力を弱め、死期を早める危険があるのです。

 

「日本を取り戻すことはできない」

ないし

「日本を取り戻すことは、できない。」(自民党のスローガン風表記)

というのが

われわれのひそかなホンネ、

いや、そうひそかでもないホンネだとすれば

そのことを素直に認めたうえで

日本人が没落の時代をいかに幸せに生きられるようにするか

を考えるのが、責任ある政治のあり方というもの。

 

そして現実を直視できない政治は、

いかに景気のいいスローガンを掲げようと、

堂々めぐりを繰り返すのがオチです。

 

これについては、この本をぜひどうぞ!

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堂々めぐりよりは、幸せな衰退のほうが望ましい。

あるいはこれが、今後の日本を考えるうえでのカギかも知れません。

 

ではでは♬(^_^)♬