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昨日から今朝にかけて

関東地方は台風15号で大変でしたが

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

 

これを書いている時点では、

福島あたりから太平洋に抜ける形で

日本列島から離れつつあるようですが

今後は暑さがぶり返すとのことなので

体調管理には気をつけて下さい。

 

ちなみに私は先週後半あたりから

少々夏バテ気味。

思えば去年もそうでした。

 

まあ、『平和主義は貧困への道』の仕上げ作業を

締め切りギリギリまでやっていた去年と比べれば

今年の夏バテは軽めですが。

 

「そりゃまあ、アタシは尽くされて当然だもの」(※)お姉さまのお言葉です。

 

そうそう、6日には「FRONT JAPAN 桜」を。

共演はいつもの佐波優子さんです。

 

Tシャツにプリントされているのは、岩手県産のサバ缶「サヴァ?」のロゴです。

 

テーマはこれです。

米中対立とトランプの混乱/地域社会の衰退と学生消防団の活躍

ご覧になりたい方はこちら。

 

なんと今回はコメント欄に

圧倒的に的確な認識を披露された方が登場。

tom cat さんという方です。

どうぞ。

 

佐藤氏のことをいまだに、

「彼は左寄りだ!」とか

「これは保守思想に反している!」と叫びたい人がいるようである。

しかし、そう言う人々が特に盲目になっている点が、

戦後日本体制そのものがもう70年以上も維持されているという事実である。

 

かねてより佐藤氏は”経路依存性”という言葉をキーワードにして、

「この戦後日本体制という経路自体に筋を通して省みることをしなければ、

我々は日本を保守することなどできるはずがないではないか」

と言っているように思う。

事につけて「日本の伝統を!」とか「日本人の心を!」と叫びたがる

(なぜか彼らは叫ぶ)人々は、

その気持ちは分からなくもないが、

結局はそれこそが連続性を欠いた飛躍*なのである。

*つまり急進左翼思想。

 

保守思想こそが重要なのだと思うのなら、

佐藤氏の語ることはとても大きな価値をもってくると思う。

逆に言えば、

現在の日本を否定し、

空虚な妄想に浸かっていればそれで良いという人々は、

知らん顔をして耳栓をしていれば、

それが一番平穏なことであろう

 

「この美貌を見たがらないなんて、かわいそうな人たちね」(※)お姉さまのお言葉です。

 

某経済学者ふうに言えば、以下の通り。

 

保守派のみなさんに申し上げたいのは

みなさんには現実逃避をする自由がある、ということです。

ただしその結果、知性の貧困化がいっそう進み

日本の没落が進む中、妄想の世界に引きこもることしかできなくなっても

それはみなさんの自己責任となります。

 

「いいの、ご主人様の愛さえあれば!」(※)これ自体が妄想かも知れません。

 

というわけで

現在の日本を否定し、

空虚な妄想に浸かっていればそれで良いという人々,

または耳栓保守(Ⓒtom cat)

については放っておくとして

本日のテーマは香港情勢。

 

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は4日、

逃亡犯条例改正案の完全撤回を表明しました。

どうぞ。

 

(長官は)政府の行動について独立調査を行うとも述べ、

抗議参加者に対する警察の対応を検証することもあらためて約束した。

一方、一部のデモ参加者に対する暴動罪での起訴取り下げなど

他の要求は受け入れられないと言明した。

元の記事こちら。

 

反対運動を展開した側が提示した

いわゆる「5大要求」とは

運動の「女神」こと、周庭(アグネス・チョウ)によれば以下の通り。

 

1. 改正案の完全撤回

2. 警察と政府の、市民活動を「暴動」とする見解の撤回

3. デモ参加者の逮捕、起訴の中止

4. 警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施

5. 林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現

周庭のツイートこちら。

関連記事こちら。

 

林鄭長官は(1)と(4)を受け入れ、

残りを拒否したことになります。

 

で、反対派はどう出たか。

 

民主化活動家らのオンラインフォーラムで

抗議行動を組織するのにも使われるLIHKGでは、

「5つの要求のうち2つに応じると言う。受け入れられるか?」

との書き込みに、15分未満の間に415の否定の反応があった。

 

周庭はツイッターでこうコメント。

 

条例の撤回は喜べません。遅すぎました。

私たちは、5つの要求を求めています。これからも戦い続けます。

関連記事こちら。

 

同じく反対派のリーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)もツイートでいわく。

 

We urge the world too to alert this tactic

and not to be deceived by HK and Beijing Govt.

They have conceded nothing in fact,

and a full-scale clampdown is on the way.

 

世界にたいして訴えたい。

(譲歩するふりをして抑圧を強めるという)この手口に警戒せよ。

香港政府、および北京政府に騙されてはいけない。

彼らは実際には何も譲歩していないし、

全面的な制圧に出ようとしている。

黄之鋒のツイート(スレッド)こちら。

 

はたせるかな、事態はこんな具合に推移します。

 

条例撤回後も混乱収まらず=空港への交通妨害は阻止ー香港

(時事通信、7日配信)

 

香港は林鄭月娥行政長官が4日に逃亡犯条例改正案の正式な撤回を表明した後、

初の週末を迎えたが、抗議活動はやむ気配が見えない。

 

6日夜から7日未明にかけて、

催涙弾を使う警官隊と数百人とみられるデモ隊が激しく衝突。

7日午後には国際空港への交通妨害が呼び掛けられたが、

当局が取り締まりを強化し、大きな影響は出なかった。

元の記事こちら。

 

激しいデモは8日にも発生。

共同通信の報道では、

デモ隊がアメリカ領事館付近を行進、

中国共産党を駆逐せよ。香港を取り戻せ

と連呼しながら

香港当局者への制裁を盛り込んだ法案を

アメリカ議会が早期に可決するよう求めたとありますが、

現地の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が、

時系列で詳細に報じたところによれば、

それは全体のごく一部。

共同通信の記事こちら。

SCMPの記事こちら。

 

領事館前のでの集会のあと(午後4:29)、

港鉄(香港最大の鉄道路線システム、略称MTR)の中央駅で

デモ隊が窓ガラスを割るなどの破壊行為に走る(午後5:16)。

さらに付近の路上に放火(午後5:47)、

MTR中央駅のF出口も放火されました(午後5:55)。

窓ガラスの破壊も続きます(午後6:19)。

SCMPによる動画つきツイートこちら。

 

午後7:01には、

俳優・歌手として人気の高いスーパースター、

アーロン・クオックの運転するランボルギーニが

騒ぎに巻き込まれて立ち往生する一幕も。

クオックいわく、「娘のオムツを買いに行くところなんだ」。

動画つきツイートこちら。

 

騒乱は真夜中まで続いたとのことです。

 

周庭には悪いものの

これは暴動ですよ、どう見たって。

器物損壊も放火もガンガンやっているんですから

政府側としても逮捕・起訴しないわけにはゆかんでしょう。

 

となると5大要求のうち

(2)と(4)はアウト。

(5)も難しいでしょうから、

デモは収まらない恐れが強いのですが

ここで考えるべき点がある。

 

かりに林鄭長官が

5大要求のすべてを受け入れたら、

反対派は納得しておとなしくなるのか?

 

黄之鋒のツイートを、もう一度振り返ってみましょう。

先に紹介したスレッドで、彼はこう言っているのです。

 

HK people are well-aware of her notorious track record.

Whenever there are signs of sending a palm branch,

they always come with a far tighter grip on exercising civil rights.

 

香港人にとって、林鄭長官の汚いやり口はおなじみだ。

こちらの勝利を認めるような振る舞いは、

政治的自由の行使に関する厳しい制限とつねにワンセットなのだ。

で、制限のほうが譲歩よりずっと徹底的とくる。

もとのツイートこちら。

 

この論理にしたがったら最後、

5大要求がすべて通っても

それは見せかけだ! 

林鄭は辞任したが、本質は何も変わっていない!

だいたい辞任が遅すぎる!

戦いを続けるぞ!!

ということになるのは目に見えている。

 

アメリカ領事館前に集まったデモ隊など

中国共産党を駆逐せよ。香港を取り戻せ

とまで叫んでいるのですから

もはや中国からの独立でも達成しないかぎり

納得するはずはないのです。

 

裏を返せば、

香港が中国の一部であるかぎり

いくら行政府側が譲歩しても

反対派は収まらないのではないか。

 

実際、SCMPによれば

マレーシアのマハティール首相は6日、

香港の事態は「一国二制度」の限界を示すものだとして

次のようにコメント。

 

今回の事態に収拾がつかず、

反対派がおとなしくならないまま

自治の徹底や独立へと要求をエスカレートさせるなら

中国も黙っていないだろう。

元の記事こちら。

 

黙っていないとは、

要するに実力で介入するということです。

 

「一国一制度」(=完全な中国化)か

「二国二制度」(=香港独立)のほか

落としどころはないのではないかという次第。

 

とはいえ香港は中国の一部。

独立はいかんせん無理でしょう。

ならば反対派が激しいデモを続けることは

「一国二制度」の終わりを

むしろ早めることにならないか。

(※)もともと「返還から50年」の期間限定ですから、

2047年には終わることになるのです。

 

ならば、なぜ黄之鋒や周庭といった人々は

現実的な落としどころをさぐろうとしないのか?

 

ここで面白い記事を紹介しましょう。

アンドリュー・シェンとシャオ・ゲンが8月27日に発表した

「香港の真の問題は社会的不平等だ」。

ニューズウィーク日本版にも

「香港デモの敵は、北京ではなく目の前にいる」

として掲載されました。

英語版こちら。

日本語版こちら。

 

要約すればこういうこと。

 

香港の騒乱について、

自由民主主義(反対派)VS 権威主義(香港政府+北京)

の構図でとらえるのは間違いである。

香港人の不満の大きな要因は社会的格差なのだ。

 

社会の不平等性を計るジニ係数で見ると

(0が最も平等、1が最も不平等)

香港は0.539。

過去45年間で最大とか。

先進国で最も不平等とされるアメリカが0.411ですから

かなり深刻です。

 

しかも香港は住環境が悪い。

上海の1人当たり居住スペースが36平方メートル(※)なのにたいして

香港は16平方メートルしかないのだとか。

(※)日本語版では24平方メートルになっています。

 

そして香港の議会(立法会)は、

職能団体から選出される議員が半数を占めることもあって

既得権益を守る傾向が強く、

事態を改善できないそうなのです。

 

いわく。

Hong Kong’s protesters believe they haven’t been heard.

But it is the city’s own elites, not China’s government,

who have failed them.

 

香港の反対派は

自分たちの声が政治に反映されていないと思っている。

だが彼らに耳を貸そうとしないのは中国政府ではなく、

ほかならぬ香港のエリートなのだ。

 

香港のエリートには

当然ながら親中派が多いでしょうから

この論理展開には少々、強引な感もある。

それらエリートが香港民衆の不満を無視するのは

自分たちの利益を確保すべく

中国政府の意向にばかり耳を傾けているからではないのか?

という反論は十分ありうるはずです。

 

そして、この点まで考慮に入れると

反対派がかたくなになる理由が見えてくる。

 

1)香港は中国の一部であり、一国二制度は期限つきのものにすぎない。

2)ゆえに政治的自由への制限はいずれ強まる。

3)中国返還いらい、格差は拡大した。

4)そしてエリートは自分たちの声に耳を貸そうとしない。

 

つまりは八方ふさがり。

そのことへの絶望感が

逃亡犯条例改正案をきっかけに爆発したのに違いない。

 

しかるにお立ち会い。

極東の一角に、よく似た状況に置かれた国があるのですよ。

つまり、わが日本。

どうぞ。

 

1)日本はアメリカの従属国であり、日本の主権は制約つきのものにすぎない。

2)ゆえに従属が深まれば、主権への制限も強まる。

3)アメリカの意向に沿った構造改革とグローバリズムによって、格差は拡大した。

4)そしてエリートは国民の不満に耳を貸そうとしない。

 

(※)記事の内容と直接の関係はありません。

 

思えば香港が中国に返還されたのは

デフレ不況が始まった1997年。

 

大国に従属しなければやってゆけないが

従属すればするほど自由がなくなり、

かつ格差が拡大するという点において

香港と日本は良く似ているように思われるのです。

 

となると香港の騒乱も

いろいろな意味で、他人事とは言えなくなってくる。

 

逃亡犯条例改正案が撤回されただけでは解決にならない

という反対派の主張は、

こんなふうに考えてくれば、全くその通りなのです。

ただしこの論理を突き詰めると

中国政府と正面切って対決しなければなりません。

 

同様、わが国の主権を取り戻すには

(たとえば)消費税引き下げや廃止を実現するだけでは十分ではない。

しかしこの論理を突き詰めると

対米従属の経路からの脱却が不可避となる。

アメリカと正面切って対決しなければならないのです。

 

どこまで原則に従うべきなのか?

逆に、どこかで現実的な落としどころをさぐるとしたら、

何を捨てて、何を守るべきなのか?

 

これは簡単に答えが出る問題ではありません。

しかし不都合な話に耳栓をしたまま

香港の人々に自由を!

習近平、けしからん!

トランプ旦那さま、貿易戦争で成敗してくれ!

などと叫ぶ(なぜか彼らは叫ぶ)ばかりでは

良くて無益、悪ければ自滅的な結末が待っているでありましょう。

 

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ではでは♬(^_^)♬

 

(おまけ)佐波さんの画像をもう一枚どうぞ。