三橋貴明さん、
三日連続で取り上げてくださいました。
今度はブログではなく
「新日本経済新聞」のメルマガです。
タイトルは
「『自国通貨を持つ日本が、日本円建ての国債の債務不履行になる』というおかしな論理」。
いわゆる「財政破綻論」をめぐる
財務省、御用学者、その影響を受けたマスコミ、および政治家の振るまいが
絵に描いたようなキッチュの様相を呈しているとのこと。
まったくその通りだと思います。
最近、来日したポール・クルーグマンは
日本国債が債務不履行に陥ることなどありえない! と喝破しましたが、
三橋さんや藤井聡さんといった方々は、
以前から同じことを繰り返し主張していました。
しかるにメディアは、どのような対応を見せたか?
メルマガから引用しましょう。
(財政破綻などありえないと主張した箇所の)多くは「カット」されます。
三橋らの正論はカットした上で、
「明らかに無理がある財政破綻論を
国民が共有しているはずだということを根拠に、
消費税増税や政府支出削減を正当化し、
『日本円を発行できる日本政府が、日本円建ての負債の返済不能になるはずがない』と、
彼らにとってまことに都合が悪い事実を主張する論客(三橋ら)を排除する」
というのが、まさに財務省や御用学者、彼らに影響を受けたマスコミ、政治家たちの姿なのです。
ここに描き出されたメディアの反応が
昨日の記事で触れた
政治的に正しい無視の仕方のバリエーションであることは
もはや言うまでもないでしょう。
そして、どうにも無視するわけにはゆかなくなると
賛成だろうと反対だろうと、否応なしに受け入れなければならないものとして
☆☆☆☆!!ガイジン様の権威!!☆☆☆☆
が持ち出されるわけです。
だから言ったでしょうに。
わが国では
日本人ごときが本当のことを言ってはいけない
という暗黙のルールがあるのですよ。
なんか、歌いたくなってきますね。
何を?
むろん、こちら!
真実に興味があるようなフリなんてしなさんな
真実はちゃんと手に入るんだ
けど、誰も欲しがらない
気が滅入るだけだから
キーーッチュ!!
(ミュージカル『エリザベート』より、「キッチュ」)
しかるにお立ち会い。
日本におけるキッチュのあり方は
「キッチュ」の作詞家、ミヒャエル・クンツェの想定よりもさらにスゴい。
歌詞の中でクンツェが提示しているのは
「美しい嘘」vs「気の滅入る真実」という構図です。
これならば、
美しい嘘のほうを選ぶのも
少なくとも心情的には理解できる。
けれども財政破綻キッチュの構図は違う。
「日本経済は破綻するという嘘」vs「そんなことはありえないという真実」の組み合わせです。
真実のほうが美しく、嘘のほうが気が滅入るんですよ!!
で、
いったい何が悲しくて、
気の滅入る嘘のほうをわざわざ選びたがるんですかね?!?
元気づけられる真実にたいし
なお意地になって背を向けるというのは
信じがたいまでに自滅的な心情のなせるわざとしか思えません。
裏を返せば
わが国におけるキッチュの問題には
たんに現実を直視できていないという以上の
根深いものがあるのです。
だから正論はカットされる。
だから経済学者は嘘をつく。
だから日本は「右傾化」して属国化する。
これらすべては、根底でつながっているのです。
ではでは♬(^_^)♬
5 comments
母は偉大 says:
4月 5, 2016
政府が公式に「日本が財政破綻するなどありえない」、すなわち「我々は間違っていた」と日本人に向けて認めることは果たしてできるのでしょうか。
大蔵省は1995年に財政危機宣言を出し、1997年に消費税を上げ、結果、日本は現在に至るまでデフレ不況を続けています。1997年以降自殺者は一万人増えつい最近まで三万人台を続けてきたのでした(統計上、変死者に含まれた方々も入れればより多くの人々が亡くなられています)。
中野剛志氏や藤井聡氏も動画等でおっしゃっていました(政治家の前でもおっしゃってました)、「戦争もせずに十数万人以上の方々が国家の政策によって死んでいる」「もうこれ以上日本人を殺さんでくれ」と。
この事実を認めるということは、時代が時代なら暗殺の嵐が吹き荒れかねない事態に入ることになりませんか。薬害エイズどころの騒ぎじゃありませんよ。政治というものは追いきれない責任をしょってなお行うものだから間違いが起きれば大変なことになるのは世の常ではありますが、20年ですよ?いくらなんでも・・・。
またその間違いを後押しするような発言を繰り返してきた学者、マスコミ、政治家、財界人等等の立場はどうなるんでしょうか。この「大きな嘘」を前提に議論を展開してきてしまった言論人たちの立場は。焚書坑儒したくなりませんか。
故橋本龍太郎首相は、増税後彼の友人の経済苦による自殺を受けてか、増税は間違っていたと懺悔したそうですが、現在の支配層にはそれすらできそうに見えないのです。
ちなみに自殺って亡くなった方は一人でもその影響は何人にも及ぶもので、社会に対して物質的にも精神的にも多大な衝撃なんですよね・・・。一億層活躍?笑えないジョークにもほどがあります。
しきしま says:
4月 5, 2016
要するに日本人って、ドMなんでしょうか(^^;)
福岡のワマツ says:
4月 5, 2016
財政破綻論者は、「気の滅入る嘘」を利用して政治的意図(または理念)を達成しようとしているのでしょうね。
つまり、財政危機を口実に、財政「健全」化、緊縮財政、増税等を達成しようと。
その場合、論者の言論は、徹頭徹尾、政治的理念の体系(イデオロギー)の発露でしかないのでしょう。
そのため、彼らにとっては、不都合な正論なんて「クソ」だし、それをいう言論人などは「クソ野郎ども」で「Shut up!」てな感じなのでしょうね。
しかし、危機を煽ることで不利益を甘受するようにクソ真面目な日本人を扇動し、イデオロギーの世界へと誘導している連中こそ、よっぽど「クソ野郎ども」ですよ。しかも導く先は、さしづめ「クソまみれの『美しい国NIPPON』」といったところでしょうか。
破綻しているのは、財政ではなく、イデオロギーの方だと思うのですがね・・・┐(´ー`)┌
追伸
佐藤さんの『戦後脱却-』を購読して、「キッチュ」ってホントおもしろい(興味深い)なと思いました。それからは、テレビや新聞の情報にふれるにつけ、「またキッチュってるなぁ」と思うことが多いです。
mash says:
4月 5, 2016
正にそれこそがかぎカッコつき右傾化なんだとおもいます。
自民党というのは世間一般では保守右派政党と言われてますが
自民党は本当に保守政党なのかと疑ってる面もあります、それは新自由主義とか国連主義とか増税問題とか移民問題とか英語の問題とか。保守的な事もやってますが保守とは言えない事もどんどんやってます
かといって民進党や野党が良いとは思えません。だからこそ今の日本はキッチュなんでしょうが(笑)
しかし自民党は一応は建前上保守政党なんだから、自民党のやる事は全て白紙委任する自民党政権から出てくる法案はどれも保守的なんだと白紙委任しちゃう事が一番良くないと思います。
勿論野党のおかしな政策にも異唱えることは大事だと思います。それが日本のキッチュ化防ぐ物だと思ってます。
マゼラン星人二代目 says:
4月 6, 2016
>いったい何が悲しくて、
>気の滅入る嘘のほうをわざわざ選びたがる
世上、コメディより悲劇の方が意外と俗受けする、とか。