先に取り上げた

稲田朋美・自民党政調会長「雨乞い」発言について

三橋貴明さんもブログで論じています。

 

というか、

ブログで呆れています

としたほうが正しいのですが・・・

 

ご存じのように政調会長は

経済成長だけではPB(プライマリーバランス)黒字化のメドが立たないとして、

成長による税収増をめざす議論を

「雨乞い」と規定しました。

 

これにたいして三橋さんいわく。

 

そもそも、なぜPBを黒字化しなければならないの? 

財政健全化の定義は、

「政府の負債対GDP比率の低下」

であり、政府の借金残高を減らすこと(PB黒字化)ではないでしょ?

 

という根本的な問題は、

ひとまず脇に置いておいて

(この問題を脇に置かなければならない時点で、レベルが低すぎるわけですが)、

PBを黒字化したいならば、税収を増やさなければなりません。

税収を増やすためには、国民の所得を増やさなければなりません。

国民の所得の合計を何というか。

いまさらですが、GDPです。

PBを黒字化するためには、GDPを成長させる必要があるのです。

(カッコは原文。明らかな表記ミスを二箇所修正)

 

もとのブログをご覧になりたい方はこちら。

 

純然たる正論です。

とはいえ、ここで気になったのですが・・・

 

もしや政調会長、どうせGDPは成長するはずがなく

ゆえに税収も増えっこないと思っているのでは?!

 

三橋さんが指摘する通り、

GDPが増えなかったら(さらに言えば減ったら)

「政府の負債の対GDP比率」が低下することはありえません。

 

ただし政府のPB黒字化だけであれば、

GDPが成長しなくとも

歳出をメチャクチャに削減することで

少なくとも一時的には達成される

(ないし、達成の方向に進むかのように見える)可能性がある。

 

政調会長、

財政健全化とはPB黒字化ではなく、政府負債の対GDP比率低下である

という根本的な点を

意図的にハズされたのかも知れません。

 

むろん歳出をメチャクチャに削減すれば

経済の状態がガンと悪くなるので

税収は減少するでしょう。

ちょっと長い目で見れば、PBも良くなるはずはない。

 

しかしそれにたいし、さらなる歳出の大幅削減で対応したら?

 

すなわち

経済をどんどん収縮させてでも、PBを黒字化する

という

自滅的な〈財政健全化〉を追求するおつもりなのでは。

 

となると、

「まっすぐ、景気回復。」

なるスローガンは

今や完全に否定されているのでしょう。

 

自民党は景気回復を放棄した。

そう見なすべきではないでしょうか。

 

ところで。

かのトマス・ペインは「コモン・センス」

独立戦争によって負債が生じたとしても

独立を勝ち取ればアメリカ経済は飛躍的に成長するので

何ら心配はない

という旨を説きました。

 

 

 電子版もご用意しています。

 

裏を返せば

自滅的な〈財政健全化〉の発想は 

独立を勝ち取る気概の欠如と

関連しているのも知れませんよ。

 

ではでは♬(^_^)♬