みなさま、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
・・・まあ、
今年は来年より良い年になる(Ⓒ中野剛志)という原則にしたがえば
あけましてご愁傷さまでございます
とすべきかも知れませんが、
そこはそれ、
ウソをウソと承知で楽しめるようにするのが
文化の重要な機能の一つ。
というわけで、
あけましておめでとうございます!
今年は2冊ほど新刊が出る予定。
3冊まで行くかも知れませんが、これはスケジュール次第ですね。
「おはよう寺ちゃん 活動中」や
「FRONT JAPAN 桜」など
各種メディア出演も、昨年にもまして充実させるつもりです。
ただし12月28日のブログ
「2019年は『大英雄』の時代だ! ただしタイトルに騙されないように!!」
でも書いたとおり、
明日、1月2日の「おはよう寺ちゃん」はお休みをいただきます。
ご注意下さい。
もちろん、
トークライブ「勝手にしやがれ! 天下国家」も
どんどん盛り上げてゆきますよ!
・・・さて。
わが国はいよいよ、総崩れの感を呈してきました。
まずTPP11が発効。
日欧EPAも国会承認(2月1日発効の公算大)。
種子法は廃止。
入管法は改正。
水道法も改正。
漁業法も改正。
IR法も成立。
USJTAも(あいかわらずTAGなどとごまかしつつ)交渉入り。
日ロ平和条約交渉では、北方領土の主権をすべて放棄する恐れが濃厚。
消費税も予定通り、10月に10%へと引き上げそう。
にもかかわらず、
ILC(国際リニアコライダー)の招致には否定的!
と、こう来るのです。
「落ちるかどうかじゃない、どこまで落ちるかだ」(※)個人の感想です。
さすがに保守界隈の一部では
もう自民党は支持できない、こうなったら反グローバリズム勢力の結集だ!
という声も出るにいたりました。
この方針自体は、とりあえず妥当なもの。
た・だ・し。
そこまで路線転換を図るのであれば
過去6年あまり
あらゆる不都合な指摘にたいして
目をつぶり耳をふさぎ、
それどころかヒステリーを起こしてでも
必死になって安倍内閣(つまり自民党政権)を支持してきた
自分たちの目の曇り具合について
なぜ、そこまで判断が狂いまくったのか?
という反省や総括がなされるべきでしょう。
これをやらないまま「反グローバリズム」を
「安倍総理断固支持」に代わる新たな錦の御旗のごとく振りかざしたところで
早晩、
認知的不協和に陥って自滅するのは目に見えている。
反グローバリズムが間違っているからではありませんよ。
主体性などまるでないまま
安直に反グローバリズムを唱えているだけだからです。
「ちゃんとアウフヘーベンしてみせい、いうこっちゃ」(※)個人の感想です。
つけ加えるならば
いくら失敗を繰り返しても、
自分の判断能力や主体性について疑ってみようとせず
反省や総括抜きで新たな目標を掲げることこそ
わが国の左翼・リベラルのお家芸。
これについては
『平和主義は貧困への道 または対米従属の爽快な末路』の第六章で
「自滅の空回り」として詳細に論じましたが
今や保守にも
この手の空回りに陥る人々が多々見られる。
そもそも、わずか10年前、
もう自民党は支持できない
という心情の高まりによって成立したものこそ
あの民主党政権ではなかったか?!
これを空回りと呼ばずに何と呼ぶ。
保守派ほどのアカはなしというのが
2010年代末のわが国における
いつわらざる真実だったりするのですよ!
「そのうち、保守派ほどのバカ話になったりして・・・」(※)お姉さまのお言葉です。
アニメから sayaさんの熱唱まで、豪華絢爛たるプロモーション動画はこちら!
とはいえ、相次ぐ売国・・・
もとへグローバル化政策のせいで
安倍内閣の前途が微妙になってきたことも否定しがたい。
(※)そのうち保守界隈では
「自民党(政権)はダメだが安倍総理(ないし内閣)は支持」などという
認知的不協和丸出しの主張が出てくるかも知れませんが
これについてはタコのタワゴトとして片づけたいと思います。
今年は夏に参院選があるわけですが
ついでに衆院選もぶつけたダブル選挙にすることで
政権基盤を強化したい、
そう総理が判断してもおかしくはありません。
と思ったら、やはり兆候が表れました。
どうぞ。
「同日選、頭の片隅にもない」 安倍首相、ラジオ番組で否定
(毎日新聞、12月30日配信)
安倍晋三首相は30日放送のラジオ日本の番組で、
来夏の参院選に合わせて衆院解散・総選挙を行う
同日選の可能性について「衆院の解散は頭の片隅にもない」と述べて否定した。
いわく。
来年は皇位継承もあり、
G20(主要20カ国・地域)首脳会議、ラグビー・ワールドカップもある。
消費税(の10%への引き上げ)も乗り越えていくことが大切。
こういうことで頭が今、いっぱいで、(解散は)片隅にもない。
いやいや、総理も率直に本心を吐露したものではありませんか。
わが「政治経済用語辞典」(2017年版)を参照すれば、これが意味するところは明々白々。
ちゃんと項目があるのですよ。
【頭の片隅にもない】
腹の奥底にはある、ということのさりげない表明。
いやもちろん、
もし負けたら退陣か、
少なくとも憲法改正断念ですけどね。
「政治経済用語辞典」は、本書に収録されています。
「ちょっと分かりやすすぎる!」(※)個人の感想です。
初笑いにふさわしい発言でしたが
じつは総理、
いっそう笑える発言もされている。
どうぞ。
ロシアが返還後の北方領土への米軍進出を警戒していることに関し、
米側から基地を設置しないとの了解を得ているかを問われた首相は
「それはまだない」と明言した。
そのうえで
「来年、私自身がロシアを訪問してプーチン露大統領と首脳会談を行う際、
具体的な議論を始めたい」と語り、
1月下旬の日露首脳会談で米軍の展開問題も含めて
協議を本格化する考えを示した。
この前の「FRONT JAPAN 桜」でも指摘しましたが
日米安全保障条約、
および日米地位協定にしたがうかぎり
日本は自国のどこに米軍基地を置くかについて
決定権はおろか拒否権もありません。
で、アメリカの了解すら得ていないとなったら
ロシアが主権なんて返すわけないでしょうが。
だいたい総理、
この前の首脳会談ではプーチンにたいして
歯舞・色丹には米軍基地を置かない
と明言したと報じられています。
これが事実なら
旦那の了解なしに
現地妻がその場のノリで出まかせを口にした
と受け取られても仕方ないでしょう。
で、プーチンが総理と率直に話し合うとでも?
やはり日本は宇宙のジョーク!!
昔から、笑う門には福来たると申します。
年頭からこれですから、
今年もきっと良い年になるでしょう。
もちろん、2020年と比べればの話ですが!
2019年を明るくスタートするために、読むべき4冊はこちら!
ではでは♬(^_^)♬
6 comments
拓三 says:
1月 2, 2019
新年 明けましておめでとう御座います。
本年も己の思考を巻き戻し検証する作業を与える様な面白い記事を配信していただける事と勝手ながら感謝の言葉と同時に期待をこめこれを新年の「おねだり」とさせていただきますw
で、安倍やけど今やプーちゃんとトランプちゃんの前では「蛇に睨まれた蛙」状態じゃね ?
私の記憶が確かならば、確かトランプが大統領選で勝利し、就任式を待たずに真っ先にトランプタワーに菓子折持って会いにいった日本人が二人居ましたな。一人は政治家。一人は実業家。実業家の方は数兆円規模で米国の経済協力の手助けをお約束されていたのに大変な事になってますな。先はどうなるかは解らんけど所詮一企業。で、問題は政治家。困りましたな。一政治家ならともかくそれが一国の総理となれば…..。同じ穴の狢の片割れを見ていればその政治家の心境が目に見えて解ると言うもの。またトランプよりもプーちゃんの方が一枚も二枚も上。遠の昔に答えは出てると思うで。音痴集団の日本のインテリだけが上手い戦術と思ってたんとちゃうかw 今や蛙。言いなり。
今年は良い年でありますように。
matom says:
1月 3, 2019
先生、明けましておめでとう御座います。
本年初ブログ、さっそく笑わさせていただきました。
いやぁ、今年もまた良い年になりそうで、何とも楽しみなことです。
さて、山登りというのはやはり、目標(絶景)へと向けた一歩一歩を楽しむべきものと思いますが、
ここは一転して、爽快な山下りを楽しむというのも良いように思えてきます。
今から登ってゆく人々に、こう爽やかな笑顔を向けて、
「いや君、上はなかなか悪いものではなかったよ」
と、いそいそ降りてゆくのが今の日本人の末路なのでしょう。
(少なくとも、そうした自覚なしにこの国がもう一度山登りに挑むような活力を取り戻すことはないでしょう)
つまり問題は、どこの世代が踏ん張るのかということです。
それが、今の十代、二十代の世代であれば良いと思っております。
遠巻きながら、今年もまた先生の著作、並びにお顔を様々なところで拝見できることを楽しみにしております。
今年は、我が国がゆっくりと下っていける良い年であるようにと、願っております。
SATOKENJI says:
1月 3, 2019
小沢一郎さんも、衆参ダブル選挙の可能性について言及したそうですよ。
けんぶー says:
1月 4, 2019
新年あけましておめでとうございます。
去年は自分にとって(こういういい方はあれかもしれませんが)佐藤健志再発見!
という年でした。
著作をさかのぼって追いかけている最中でございます。
現在、『バラバラ殺人の文明論』『夢見られた近代』を読んでいますが…、
10年前に書かれた本とは思えない、この間我々は何をやっていたのかと。
おんなじことを繰り返し、そのたびに少しずつ悪くなってその流れの集大成が
現政権なのかと。
しかも今でもそこそこの支持率があるという…
爽快になる日も近いかもしれませんね。
豆腐メンタル says:
1月 5, 2019
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
新春キャスター討論拝見しました。
相変わらず人の言葉を自分の言葉に言い換える無教養な年寄りがいるなと笑。全体としては自然で穏やかな良い意見交換でした。
ところで先生の述べておられた「平成は昭和の完成」発言でピンときたもので。
昭和&平成を通じた日本のポップカルチャーに目に付くモチーフがあるなと。それは”増殖する覇者”です。
覇者への驚怖だがバーサーカーとも違う。リミット無しの想像を超える急激な増殖が特徴です。ルパンvs複製人間のマモーが原点かも。
すぐに思いつくのは、AKIRAの鉄男、老人Zの介護ベッド、もののけ姫の祟り神、千と千尋の神隠しのカオナシ、日本発とは違いますが攻殻機動隊が原点とされるマトリックスの黒服黒サングラス。
さて。多くの物語では”増殖する覇者”は敵として倒されます。
ところが先生も紹介されていたレディ・プレイヤー1ではどうでしょう。
なんと「エクストラライフコインという節度ある良き増殖」としてまとめられたではありませんか。これぞアウフヘーベンとインテグレイト。
きっと現在の”増殖する覇者”ことグローバリズムもいつか倒れることでしょう。
それはこの節度ある良き増殖によってもたらされるのかもしれませんね。
書き込みが自分でも怪しいですが笑
おまけです。適菜収先生は最近「バカがバカを支持すれば国は滅びる」と「それでもバカとは戦え」の寄稿で、言わば”増殖するバカ”に触れています。(この過激さ笑)
>ニーチェは、現代は「排泄する力をもはやもたない一つの社会」(「権力への意志」)だと言った。
>排泄物をため込めば、今のようなクソまみれの社会になる。国家の解体はすでに最終段階に入った。
やはりニーチェは西洋のことを述べているように思います。まるでEUの危機の予言。
しかし西洋の”排泄する力をもはやもたない一つの社会”の反対に、東洋の”増殖による危機”があるようでこれも気になりました。
豆腐メンタル says:
1月 7, 2019
桜の経済討論の藤井先生が水を得た魚状態で安心しました。
今までよくぞ耐えてこられた!と涙ぐましく思ったほどです。
特に二時間目。「思想の不在」「バランスの欠如」「アウフヘーベン(半笑」
そして藤井先生の「キャピタリズムキャピタリズム」論。
例えばケインズの社会科学、例えばシビルエンジニアによる計画に根ざしたキャピタリズムの修正が問題。「デフレ下における保護貿易の必要性は高い」。。これは。。
上で私がもごもご書き込んだ「増殖する覇者」と「節度ある良き増殖」ではないですかぁ。
バカやってないで平成も終わるし賃金上げて行きましょうぜ。