昨日の記事「カオスとパラドックス」では

言葉をカオス的(=メチャクチャ)に使う者は

頭の中にパラドックス(=矛盾だらけの思考)を抱え込むにいたり、

それによって、現実を実際以上にカオスだと受け止める

という議論を展開しました。

 

そのような者が

現実への有効な対応に失敗することは

申すまでもありません。

 

しかるにですな。

 

言葉をカオス的に使うせいで

頭の中がパラドックスの塊となった者は

当の事態にどう対応するか?

 

そうです。

言葉をますますカオス的に使うことで

都合の悪い現実を受け入れまいとするのです。

 

すなわち

言葉のカオス→頭の中のパラドックス→現実への対処失敗→さらなる言葉のカオス

という

自滅的な堂々めぐりが形成されることに。

 

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(↑)あまりのことに卒倒するオレンジ公です。

 

ここで紹介したいのが

三橋貴明さんが昨日配信したブログ「衝撃の実質消費」

 

本年4月の実質消費が

総務省の調査によると、前年同月比1.3%減になったことを扱ったものです。

ちなみに実質消費が前年同月を割り込むのは13ヶ月連続との話。

 

三橋さんいわく。

 

結局、政府が主張していた、

「消費税増税の悪影響は一時的。すぐにV字回復する」

あるいは、

「消費税増税の影響は、金融緩和でカバーできる」

といった論調は、全て「ウソ」だったのです。

14年4月の極端な実質消費の落ち込みから一年が経過し、

さらに消費が落ち込んでいるのです。

消費税増税の悪影響は継続しており、収束の見込みは現時点ではありません。

 

 

ただし三橋さんの言う「衝撃」とは、この数字自体ではないのです。

4月の実質消費について、市場予想の中央値が3%増だったこと。

どうしてそこまでハズせるのか? という話なのですよ。

いわく。

 

実質消費が落ち込みを続ける中、

何をどうすれば実質消費が増えるという見込みが立つのでしょうか。

謎です。

さらに衝撃的なのは、上記の結果を受け、総務省が消費の基調判断を、

「このところ持ち直している」

に据え置いていることです。

もはや、日本語の使い方から学び直すべき、という段階だと思います。

 

みなさんご存じのとおり、三橋さんは

経済を正確に理解するためのデータ(数値)の重要性を

つねに説いている方。

 

しかし「衝撃の実質消費」からも明らかなように

言葉のカオスに陥った人々は

いかなるデータを突きつけようと考えを変えないのです。

さらなる言葉のカオスに突き進むだけ。

 

その意味で現在、わが国では

言葉のカオスがデフレを生む

状況が成立していると言っても過言ではありません。

 

言葉を正しく使うことで、

おのれが陥ったパラドックスから少しでも脱却しようとする。

経世済民はこの努力から始まるのです。

 

でないと、イブセキヨルならぬ

イブセキジダイが待っていますよ・・・

 

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