今回の総選挙をめぐっては
自民党の圧勝、
希望の党の惨敗、
立憲民主党の躍進という三点セットが
もっぱら注目されています。
というわけで、
その陰に隠れてしまった感のある話題をひとつ。
みなさま、
丸山和也参議院議員をご記憶でしょうか。
そうです。
2016年2月16日に開かれた
参議院憲法審議会の席で
日本がアメリカの51番目の州になったとしても
憲法上の問題はないんじゃないか?
という旨を発言、
物議をかもした方。
当該の発言では、
思い切ってアメリカの州になってしまったほうが
日本にとってさまざまな意味で良いはずだ
という認識も披露されました。
ここにひそむ問題については
『右の売国、左の亡国』の第一部
「日本は世界の中心で消滅する」において
じっくり取り上げましたので
詳細はそちらをご覧下さい。
しかるに・・・
丸山議員、選挙中にこんな発言をしたらしいんですね。
ハフィントンポストの記事をどうぞ。
自民党の丸山和也参院議員が、
10月19日、岩手県一関市での演説会で
「相手候補に投票する人は脳がおかしい」などと発言したと
河北新報や朝日新聞デジタルなどが報じた。
相手候補とは無所属で立候補している小沢一郎氏のこととみられ、
小沢氏は事務所の公式Twitterで「到底許しがたい」と批判している。
発言があったのは、衆院選岩手3区の自民党候補者の個人演説会。
「判断力、脳がおかしいとしか言えない」という趣旨の発言をしたという。
ここで言及されている河北新報の記事も、抜粋してご紹介しましょう。
応援弁士として演壇に立った丸山氏は
相手候補に投票する有権者を「認知症と言ったら怒られるけど、
判断力、脳がおかしいとしか言えない」と批判した。
演説会後「言い過ぎたかもしれない」と釈明した。
記事にも出ていますが、小沢一郎さんはこの発言についてツイートで厳しく批判。
いわく。
自民党参議院議員の一関市でのこの発言は、
認知症で苦しまれている方々やそのご家族、
そして何より岩手県の全有権者を愚弄するものであり、到底許しがたい。
(10月20日)
この自民党議員は謝罪どころか撤回すらしないようだ。
こちらを侮辱するならともかく、認知症で苦しむ方々や有権者に対する冒涜は絶対に許せない。
(10月21日)
ちなみに岩手3区は
自民党の藤原崇候補と
無所属の小沢一郎候補の一騎打ちだったので
丸山議員の言う「相手候補」は小沢さん以外にありえないのですが
これを脇に置いたとしても
小沢さんの批判はもっともです。
なぜか。
選挙結果を見ると
小沢候補は13万票あまりを得て当選しました。
9万6千票あまりで敗れた藤原候補も
比例区で復活していますが、それはともかく。
はたして丸山和也議員は、
この13万人の有権者が
そろって正気でないと考えているのでしょうか?
だとすれば由々しきことです。
正気でない以上、
これら13万人の声には耳を傾けなくてもいいはず。
いや、選挙権を持っていること自体が本来おかしいという話にもなりかねません。
政治的立場が異なる者は
判断力、思考能力に根本的な欠陥がある(はずだ)
という丸山式の発想は
政治的立場の異なる者は
自分たちと同じ権利を持つ人間として扱われるべきでない
という結論へと
必然的にたどりつくのです。
しかるにナショナリズムとは
同じ国に生まれた者は
さまざまな違いがあっても「同胞」である
と見なす発想。
つまり丸山議員の発言の背後にひそむのは
ナショナリズムの否定にほかなりません。
そう考えれば、
日本はアメリカの51番目の州になったほうがいい
と主張する人物が
対立候補に投票するヤツは正気じゃない
と口走るのも、
まったく当然の帰結と言えるでしょう。
このような分断・排除の発想が
炎上政治を引き起こすのは、
みなさん、すでにご存じのとおり。
しかし
炎上に頼って生きる者は炎上によって滅ぶ
というのも
世のシビアな真実であります。
希望の党の「創業者」さんもそうですが
丸山議員の場合は、
さらに分かりやすい結末が待っている。
つまりですな。
トランプ大統領、
ないしアメリカの有力政治家が
こう言ったらどうするのでしょう。
自国の主権を放棄して、他国への併合を望むような政治家は
認知症とまでは言わないまでも
正気とは認めがたいほどに
思考力・判断力が欠けている!
おっと、言い過ぎたかも知れない。
W(^_^)W\(^O^)/だから日本は宇宙のジョーク\(^O^)/W(^_^)W
(↓)「愛国心を追放したあと、その穴を理屈で埋め合わせることはできない」(111ページ)
ではでは♬(^_^)♬
8 comments
福岡ワマツ says:
10月 29, 2017
「自分を棚に上げて他者を批判する」という型の言動は、おそらく人間の性なんでしょうね。
丸山和也参院議員といえば、
2013年の参院選で比例代表の自民党候補として153,303票(全国区で)を獲得して当選された方ですね。
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/profile/yb001015.htm
いや、別に、丸山議員を代議士として選定した有権者に対して「認知症と言ったら怒られるけど、判断力、脳がおかしいとしか言えない」と言いたいわけではありません。(仮に思っていたとしても言わないけれど。)
それに、丸山議員を候補者として選定した自民党の幹部に対して「認知症と言ったら怒られるけど、判断力、脳がおかしいとしか言えない」と言いたいわけでもありません。(仮に思っていたとしても言わないけれど。)
私が申し上げたいことは、
判断力・思考能力に根本的な欠陥がある者達が、
判断力・思考能力に根本的な欠陥がある者を、
自らの代表者・指導者として選定することは、
我々の人間社会でよくあることではないか、
ということです。
いやむしろ、これまで度々繰り返されてきたことを、歴史が物語っているような気もしております。
そのように考えてみますと、
「自分だけは特別で例外」と自分を棚に上げている人間に対しては、「認知症と言ったら怒られるけど、判断力、脳がおかしいとしか言えない」と言えないわけでもないとは思います。
マゼラン聖人二代目 says:
10月 29, 2017
>政治的立場が異なる者は
>判断力、思考能力に根本的な欠陥がある(はずだ)
>という丸山式の発想は
>政治的立場の異なる者は
>自分たちと同じ権利を持つ人間として扱われるべきでない
>という結論へと
>必然的にたどりつくのです。
必然的にたどりつくかどうかは、「愚行権」というものを認めるか認めないかにもよるでしょう。
とまれ、対立候補に比例復活を許すほどに小沢さんの力が相対化されており「小沢一択」でなくなっているこの状況だからこそ、そうしたなかで敢えて小沢さんを選んだ人達について、その意思を尊重してみせる姿勢が(少なくともポーズだけでも)求められるはずだったのは確か。
レギーム作 says:
10月 29, 2017
「丸山式の発想」を単純に対偶っぽくすると、
判断力、思考能力がカンペキなら、政治的立場は(俺らと)同じ(はず)だ、
と導ける(はず)。
つまり、完全無欠のエース丸山(達)!
これは・・・この人のナショナリズムうんぬんといいますか・・・。
丸山氏は「酒飲み」ってイメージが、昔出てたテレビからあったんですけど、
どうも彼はアタマがお菓子(甘党)。
レギーム作 says:
10月 29, 2017
更に、超絶論理飛躍を覚悟で申せば、
丸山氏は、自分と政治的立場の異なる者を、認知症と診断(?)したと言えます。
「丸山式の発想」が真なら、彼と政治的立場を一にしている者は、
認知症ではないと診断できるということになります(!?)。
では今現在、認知症を患っていて、丸山氏と政治的立場の異なる者が今後、
彼の政治的立場を支持する側に転向したとしたら・・・。
日本全国でウン百万人と苦しんでいる認知症。今後もっと増えるとされてます。
丸山氏の政治的立場を支持するだけで、認知症じゃなくなるってんだから、
きっとこのオッサンは、とんでもないヤブか、救世主なんでしょう!
私の身内で、認知症に苦しんでいた方がいたので、
マジで腹立たしい限りなんですが。
SATOKENJI says:
10月 29, 2017
まあ、その気になれば
「自分と違う政治的立場を取る者は認知症だ。
ただし、同じ政治的立場の者にも認知症はいる」
と構えることはできますけどね。
レギーム作 says:
10月 30, 2017
>彼と政治的立場を一にしている者は、
認知症ではないと診断できるということになります(!?)。
私の気付く限り、ここが飛躍どころか大誤りでしたー(汗)
ひっくり返しただけ・・・これは詭弁過ぎるっ!
出だしでつまずいている以上、もはやアレなのですが、
さらに丸山=救世主説には重大な欠陥が・・・。
彼は相当数の人間を、認知症と診断しているワケですから、
むしろ増やしてしまっていることになりまして。
途中で認知症の定義がすり替わってました・・・。
こんな変なコメントをしてしまったことで、
「佐藤先生のブログなんだから慎重なコメントを心掛けるぞ!」という認知と
見事にぶつかってしまっていて、軽い不協和状態に陥ってしまっている私ですが、
「オレのアタマもお菓子だから仕方がない!(不協和要素の軽減)」
で乗り切りたいと思ってます!
いえ・・・スイマセンでしたー( TДT)
レギーム作 says:
11月 8, 2017
上のコメントですが、ご指摘、ご教授頂いた事に対する感謝がすっかり抜け落ちてしました。
随分時間がたってしまい誠にすみません。ご教授頂き誠にありがとうございました。
玉田泰 says:
11月 3, 2017
この記事を読んで、真っ先に思ったのが辻元清美氏でした。どうしても辻元氏に投票した人の正気を疑ってしまう自分がいます。本人をろくに知らない浅はかな者の偏見なのかな?
僕もまた、同類なのでしょう(苦笑)。