ご存じの方も多いでしょうが

われらが安倍総理は

総理大臣の役職について

「行政府の長」ではなく

「立法府の長」と言ってしまうクセをお持ちです。

 

で、先週もやっちまったんですな。

どうぞ。

 

安倍晋三首相は2日の衆院予算委員会で、

「私が今ここに立っているのは、

『立法府の長』として立っているわけだ」と答弁し、

直後に「行政府の長」と言い直した。

首相が国会で自身を「立法府の長」と言い間違えるのは

2007年5月、16年4、5月に続き少なくとも4回目。

今回は議場の「あー」という嘆声で気付いてすぐに訂正した。

元の記事はこちら。

 

安倍総理を嫌っている人なら

それ見ろ、三権分立も知らないんだ!!

とか

立法と行政をともに仕切って、独裁者になりたいんだ!!

と活気づくところでしょう。

 

適菜収さんなど、ツイートでこう一言。

措置入院が必要。

もとのツイートはこちら。

 

・・・いや、

もちろん総理大臣が「立法府の長」だというのは

ザッツ・認知的不協和ですよ。

 

し・か・し。

賢明なる読者のみなさん、ひとつ思い出してみて下さい。

『平和主義は貧困への道』の出発点は何だったでしょう?

 

「まだ読んでいないとか、まさかそんなはずはないわよね」(※)お姉さまの発言です。

COVER+OBI

ドキッとしたあなたはこちらをクリック!

 アニメから sayaさんの熱唱まで、豪華絢爛たるプロモーション動画はこちら!

 

そうです。

緊縮財政路線をいっこうに改めようとしないからといって

財務官僚を「悪」とか「アホ」とか批判するだけでは何も解決しない。

優秀であるにもかかわらず

明らかに不合理な緊縮路線をなぜ信奉するのか、

その構造を解明すべきだ。

あの本の考察は、ここから始まったのです。

 

そしてそれが、

戦後日本型の平和主義と貧困化の関連性という

私の知るかぎり、今まで誰も気づかなかった洞察に行き着いた。

 

「今から読んでも遅くはないわよ」と、お姉さんが言っています。

DoG6JFXUYAYqaz-

 

あるいは「経路依存性」

「経路依存と間違えずにはいられなかった

保守界隈のある人物にしてもしかり。

 

これは分かりやすいですね。

この人は自分(たち)が

日本のあり方を根底から変えるんだという

強い使命感をお持ちです。

 

よって

過去の経緯(つまり経路)が

今後のあり方を多分に決めてしまうのが

良いことであるとは

どうしても受け入れがたい。

だから「依存」ではなく「依存」なのです。

 

ただし保守とは

要するに経路依存を尊重することですから

それを「依存症(=中毒)」と見なす立場を

保守と規定して良いかどうかは

控えめに言っても疑わしいものの

それは脇に置きましょう。

 

ここでのポイントは

認知的不協和を指摘して事足れりとするのではなく

どんな前提を想定したらそれが不協和でなくなるか

アウフヘーベンとインテグレイトを試みると

重要な洞察が得られやすいということだからです。

 

正義の味方・アウフヘーベンマンです!

Exif_JPEG_PICTURE

 

ならば。

「行政府の長」であるはずの総理大臣職について

「立法府の長」と言わずにいられないことは

どのようにアウフヘーベンされ、

インテグレイトされるか?

 

ヒントになりそうなのがこちら!

「改憲は安倍色払拭して議論」自民 下村氏

(NHK、11月3日配信)

 

憲法改正をめぐって自民党の下村憲法改正推進本部長は、

ほかの政党からは安倍総理大臣が主導する形での憲法論議に抵抗感が強いとして、

党が主体となって議論を呼びかけていく考えを示しました。

 

下村憲法改正推進本部長は3日、記者団に、

公明党や野党の議員と個別に意見交換していることを明らかにしました。

そのうえで

「『憲法改正には賛成だが、安倍政権の下では議論したくない』という人が多い。

いわゆる『安倍色』を払拭(ふっしょく)し、

自民党全体でしっかり対応していくことが必要だ」と述べ(ました)。

元の記事はこちら(公開期限があります。ご注意下さい)。

 

石破茂さんはこれにたいして

「安倍色を払拭するのであれば、

誰が自民党案について責任を持って語るのかということで、

払拭もなにもできない。

あまりテクニカルなことに走るべきではなく、

安倍総理大臣がわが党の総裁なわけですから、

総裁が党員の前できちんと自分の考え方はこうだと述べていただかないと」

と発言。

 

党総裁である安倍総理をさしおいて

「党全体でしっかり対応」とか

「党が主体となって議論を呼びかけ」というのは

たしかに認知的不協和じみていますから

これについては、石破さんの言い分のほうが

筋が通っているように思います。

 

けれども重要なのは

与党の憲法改正推進本部長が

「安倍色を払拭」などと言いだしてしまうくらい

「改憲=安倍総理の悲願」という図式ができていること。

 

なるほど、多分にそうなのでしょう。

 

しかし憲法改正は

日本国憲法96条によって

国会が発議するものと決められています。

内閣が発議することはできないのです。

 

そして国会は、もちろん行政府ではなく立法府。

 

いかに改憲が悲願であろうと

安倍総理が

総理としての立場で

改憲発議を主体的に進めることはできません。

 

そんなことをしたら

日本国憲法99条に定められた

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、

この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

という遵守義務を破ったことにもなりかねない。

 

要するに総理大臣は

わが国の最高権力者ではあるものの

憲法改正の音頭取りはできないのです。

 

けれども総理大臣として

政権を掌握でもしなければ

そもそも改憲の気運が盛り上がらない。

 

このジレンマが

総理をして

「自分は立法府の長」

ついつい口走らせてしまうのではないか。

 

つまりこの認知的不協和、

とにかく改憲をしたいという執着のなせるわざと考えれば

ちゃんとアウフヘーベンし、

インテグレイトできるのであります。

 

しかしだからと言って

三項加憲などというセコい九条改正を肯定できるか。

あるいは「FTAではなくTAG」だの

「辛酸原則」だのと

国民にたいしウソをつくような真似までして

自国の国益を損ないかねない外交を正当化したがる政府に

緊急事態条項など許して良いか。

 

だいたい。

『平和主義は貧困への道』をめぐる

Amazonのカスタマーレビューにも出ていましたが

経世済民を本気で考えるなら

憲法九条などより

まずもって財政法第四条を改正すべきではないのか??

 

先週、対談したのですが、三橋貴明さんも同意見でしたね。

Exif_JPEG_PICTURE

 

あれこそが財政均衡主義の根本であり、

つまりは緊縮財政路線の根本なのです。

 

ついでに消費税導入を最初に構想した大平正芳総理は、

三木武夫内閣の大蔵大臣として

赤字国債を発行したことについて

「万死に値する」と発言するほど

深い罪の意識を持っていました。

 

消費税の導入には

財政均衡主義に基づく財政再建を迅速に達成する手段

という側面もあったのです。

 

消費税の背後にも、財政法四条がひそんでいた!!

 

眉をひそめる saya さんでした。

Exif_JPEG_PICTURE

 

・・・憲法と違って、

法律なら国会の議決で簡単に改正できます。

 

そして財政法第四条の改正が

じつは憲法九条の改正以上に

わが国の経世済民に貢献しうることは

賢明なる読者のみなさんには

すでに明らかなはず。

 

簡単にできて効果抜群!

なぜ、こちらを先にやらないのか!!

 

というわけで総理には

憲法改正へのこだわりから

「行政府」と「立法府」を間違えているヒマがあったら

私は総理大臣として

わが国のデフレ脱却、

および経世済民の実現のためには

財政法第四条の改正が不可欠だと申し上げたい!

と、ぜひおっしゃっていただきたい。

 

財務省を抑え込むのだって、ぐっと楽になるはずですよ!

 

アウフヘーベンの力を鍛えるために、読むべき5冊はこちら!

61Ti7IO9EOL

 ご注文はこちらをクリック。

 

『対論 「炎上」日本のメカニズム』帯付き書影

紙版のご注文はこちら!

電子版のご注文はこちら!

 

51kPYzkfkfL._SX338_BO1,204,203,200_

紙版のご注文はこちら!

電子版のご注文ははこちら

 

cover_ol

紙版のご注文はこちら!

電子版のご注文はこちら!

 

フランス革命の省察

紙版のご注文はこちら!

電子版のご注文はこちら!

 

ではでは♬(^_^)♬