1980年代、
構造改革路線のハシリとなった
「行政改革」が進められたとき
増税なき財政再建
というスローガンがありました。
行政改革の牽引役となった
経団連会長の土光敏夫さんなど、
周囲から何を言われても
「増税なき財政再建!」
「増税なき財政再建!」で
押し通したと言われます。
しかるに現在はどうも
経世済民なき増税断行
が、語られざるスローガンになっているようです。
こちらをどうぞ。
自民・稲田氏「消費増税1%刻みも」
自民党の稲田朋美政調会長は20日、
来年4月の消費税率10%への引き上げについて
「決めたから絶対に2%ということではなく、
まず1%上げる考えもある。
上げ方もいろいろな道筋がある」と述べ、
増税幅を1%にとどめる選択肢もあり得るとの見方を示した。
記事によれば稲田さん、
「(熊本)地震対応に全力を挙げるべきで、今、増税延期かどうかを議論すべきではない」
「増税延期しても財政再建の道筋を示す必要がある」
とも述べたとか。
・・・昨日の「新日本経済新聞」にも書きましたが
地震対応に全力を挙げるのなら、
消費税の増税延期どころか、むしろ5%への減税を議論すべきではないでしょうか?
「決めたから絶対に上げねばならないということではなく、
景気拡大のために下げる考えもある」
という話に、なぜならないのでしょう。
別の記事によれば
稲田さんは消費税の8%引き上げについて
「3%のインパクトは非常に大きかった」
「固定概念にとらわれることなく議論する必要がある」
とも述べているのです。
だったら3%引き下げることは
日本経済に非常に大きな良いインパクトを与えるはず。
固定観念にとらわれずに議論するのであれば
消費減税というオプションは当然、ありだと思うのです。
しかし、そういう話にはならない。
やはり消費減税を主張している三橋貴明さんなど、
ブログでこう怒っています。
よくもまあ、震災で被災者たちが困窮している状況で、
「増税」を口にできるものです。
(中略)
何が悲しくて、長期金利でマイナス金利に陥っている我が国が、
しかも震災からの復興のためにも経済規模を拡大しなければならない我が国が、
国民経済を縮小させることが明らかな「増税」をしなければならないのでしょうか。
どうやら
税率の上げ幅については固定観念にとらわれず議論すべきだが
財政健全化のために税率を上げねばならないという固定観念を疑ってはならない
ということのようです。
さしずめ「財政健全化キッチュ」ですね。
けれども経世済民をなおざりにして
財政健全化にこだわることが
本当に国、ないし国民のためになるのでしょうか?
どうもこのままだと、
どころか
財政健全化キッチュで、日本は疲弊して没落する
ことになりかねません。
固定観念を捨てるのであれば
完全に捨てようではありませんか。
ではでは♬(^_^)♬
3 comments
くっぽ says:
4月 22, 2016
稲田朋美先生と言えば、珍奇なゴスロリファッションを披露し
全日本国民に強烈な違和感を生じさせ、政府主導のクールジャパン構想に
疑問の一石を投じた大臣として記憶に新しい方であると思います。
この手の誤解なら、娘さんにたしなめられる程度ですみますが
財政まで勘違いなされては、如何なものかと感じます。
このゴスロリ誤解は、どこぞのデザイナーの方がご指南されたそうですが
財政にも、このようにドコゾノ輩がご指南されたのかと容易に想像できます。
どちらも同じ道筋の現象なのでしょうね。余りにも事実からずれてしまうと
当の本人が道化に映ってしまいますね。
しかし、財政発言もそうですが、ゴスロリのファッションの時に、大臣それ
違いますよ!と言える人物が回りにいなかったのでしょうか・・・
フルート says:
4月 22, 2016
「地震対応に全力を挙げるべきで、今、増税延期かどうかを議論すべきではない」
「基本は(来年)4月に増税する」
「3%のインパクトは非常に大きかった」
「決めたから絶対に2%ということではなく、まず1%上げる考えもある。上げ方もいろいろな道筋がある」
「増税延期しても財政再建の道筋を示す必要がある」
「固定概念にとらわれることなく議論する必要がある」
記者団の聞き出した稲田朋美政調会長の発言の正確な順番までは私には分かりませんが、それでも私が思ったのは、稲田朋美政調会長は消費税を一気に3%上げた事のまずさに触れてはいても、この{「議論すべきではない」のだが「議論する必要がある」消費税の増税という「道筋」「を示す必要」性}の成り立ち方を考えたら、やっぱりこれらの発言は、経世済民の思想から来たものではなくて、結局のところ自分達の失敗をごまかす為に、今までより更に余計に大きく見せなくてはならなくなった自分達の政治的な影響力の誇示という目的から来たものな可能性が大なのでは・・という事についてです。(私も失敗はよくしますが、、){議論すべきではないが議論する必要があり、示される必要があるとされる消費税の増税という道筋}の無際限性に、{それ程までに自分達が批判されるのはおかしいし、多くの人が支持したから、自分も支持した}的な無責任のループ(政治家と政治家・政治家と有権者・有権者と有権者)を感じました。
福岡ワマツ says:
4月 23, 2016
稲田朋美氏といえば、月刊『正論』言論人の方々に「女性初首相」として期待されている「保守の星」ですね。そして安倍総理に近い、らしい。
「だから、キッチュに対する免疫が弱いのかな?」と勘ぐっておりましたら、実は「経済がわかっていない」ということらしいですね。(情報源は三橋貴明氏の『おはよう寺ちゃん活動中』4月20日放送分での発言。)
稲田氏は「道義大国実現」という高邁な政治理念をアピールしておられますが(公式HP)、「不況期(又は震災時期)に増税」という判断には、さぞ立派な「道義」があるのでしょうね。
一方で、「キッチュ大国実現」にはまた一歩近づいているように思えます。