三橋経済塾での講演、
日本は右傾化することで左傾化した!
または、お花畑に反発したあげく別のお花畑に迷い込む話
おかげさまで大好評でした。
1時間45分くらい話したと思いますが
会場の皆様が
本当に集中して聞いて下さっているのが
じかに伝わってきましたからね。
ご参加いただいた皆様、
そして三橋貴明さんとスタッフの皆様、
ありがとうございます。
ちなみに三橋さんも昨日のブログで
「政治の基本的なテーゼに関する論考」と題し、
講演について紹介されています。
55年体制下、とくに高度成長期の日本は
安全保障(わけても国防)については否定的だったが
ナショナリズムの基盤は存在していた。
だからこそ、繁栄の道を歩むことができた。
ところが1980年代以後になると、
安全保障については(以前に比べて)肯定的になったものの
グローバリズムの影響のもと、
ナショナリズムの基盤が崩れてきた。
つまり右傾化(=安全保障の肯定)しつつ、
まさにそれを通じて(※)
左傾化(=ナショナリズムの否定)をやらかしたのである。
(※)安全保障の肯定は、アメリカへの協調、ないし従属と密接に関連しているため。
とはいえナショナリズムなしに経世済民はありえない。
だからこそ、わが国は心配するのを止めて経世済民につながる政策をしないようになったのだ。
講演の内容を簡単に要約するとこうなるのですが、
これについて三橋さんいわく。
佐藤先生の講演を受け、わたくしなりに考えたのですが、
「安全保障なしのナショナリズムは成立し得るかも知れないが、
ナショナリズムなしの安全保障は結局は成立しえない」
という「事実」は、極めて重要だと思います。
現在の日本は、右と左、保守と革新が互いに罵倒し合い、
批判し合っている状況になっています。
つまりは、すでに日本国民は分断されてしまっているのです。
野党は些末な問題、スキャンダルで政権にダメージを与えることばかりを追求し、
与党は与党で「反対派をも取り込む」という、
55年体制下では存在した「政治の知恵」を失ってしまっているように思えます。
「言葉」が乱雑になり、抽象用語ばかりが飛び交い、
一見、与野党が激しく対立しているように見え、
両者ともに推進する政策が「緊縮財政」「規制緩和」「自由貿易」という、
グローバリゼーションのトリニティ。
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!
「経世済民」は「経済」の語源でもありますが
この言葉から「経」と「済」を取るとどうなるか。
残るのは「世」と「民」です。
これはなかなかに意味深長。
自分たちは、対立する相手まで含めて
同じ「世」に生きる「民」であり、
つまりは一蓮托生なのだという意識こそ
経世済民の基盤、
ないし大前提ではないでしょうか。
これがなければ、「経済」はたんなる私的な利益の追求になりかねない。
「世」と「民」が加わって初めて、
経済(活動、または政策)は経世済民につながるのです。
エドマンド・バークも、1790年の時点でこう喝破しました。
乞食の小細工とも呼ぶべき財政の裏技を駆使すれば、
社会秩序を根底からひっくり返しても国家は維持できるし、
財産をめぐる所有権も安泰だ。
こんな錯覚に陥った者たちは、祖国を台なしにする(。)
ナショナリズムに裏打ちされない経済政策は、
経世済民どころか国家を破壊しかねないと
すでに見抜いていたのです。
(↓)本書307ページをどうぞ。
そして国民が分断されたとあれば
炎上が頻発するのは理の当然。
やはり、すべてはつながっているのであります。
最後に、講演後の懇親会の様子をご紹介しましょう。
まずはこちら。
つづいて女性陣のみなさま。
ご覧の通り、そろって才色兼備でした。
ではでは♬(^_^)♬
10 comments
Daniel says:
9月 18, 2017
わぁ、女性陣は最高に笑顔が素適ですね。おまけに美人さんばかり。(男性陣は私にはどうでもいい)
私は、頭の良い女性が大好きです。皆さんに、幸あれ!
momo says:
9月 18, 2017
テレビの討論番組などであれこれ討論するわけですが、あれはその場にいる論者全員が、日本が良くなる為に話し合っているという前提があります。
しかし当たり前すぎるこの前提が、当たり前のように無視されているのが現状だと思います。
日本とはどの国か?日本国民とは誰か?国益とは誰の何の利益なのか?など、議論の前提となる言葉の定義なり意味を確認する必要があるのではないでしょうか。
これは国会でも見受けられます。「国益の為にTPPに参加する」って言うけど、国益ってどこの国の国益だよ、と。
言葉が乱雑になるってこういう事なんでしょうか。相手と言葉の意味を共有できてないというような。それって国家分裂の兆候なんじゃないかな。相手とコミュニケーションが取れないんだから。
レギーム作 says:
9月 18, 2017
この記事を拝見し、何故か70年代初頭の特撮ヒーロー番組、宇宙猿人ゴリが出てきまして。
最初は、ゴリが差し向けた公害怪獣を公害Gメンとスペクトルマンが倒すって内容だったのに、
段々とそれが薄れ、「公害Gメン」が「怪獣Gメン」になってしまったヤツです(題名も変更)。
スポンサーに財布の紐を握られている以上、彼らに喧嘩を売るようなマネはできなかったわけで。
最終的に悪役ゴリに勝ちましたが、ある意味、本質的な勝利を掴む事はできなかったのかなと。
こういうのをギャグとして「大人の事情」ってヤツで片づけるのはアリだとは思いますが、
保守派の一部が現政権を擁護する際に、大真面目にそれを持ち出してくるってのが・・・。
安全保障を他国に握られて(握ってもらって頂いて?)いる以上、
三橋さんがおっしゃる通りナショナリズムは成り立たず、「経世済民」から「世民」が、
ナショナリズムがフェードアウトしてしまうのは、そりゃあそうなるよなぁって思いました
(うーん・・・毎度全然まとまっていない)。
poti says:
9月 19, 2017
まぁ、あんな首相を支えている自民党議員共からすれば、身内にあらずんば日本国民にあらずなのでしょうが。
取り敢えず全員粛清したいですね。
コバ says:
9月 19, 2017
どうやら総理は消費税増税が前提で解散するみたいですね。自民党(緊縮財政+グローバリズム) VS 民進党(緊縮財政+グローバリズム)という、非情(誤字ではありません)に熾烈な戦い…もとい宇宙人のギャグが繰り広げられそうですね☆
因みに山本太郎や共産党は反増税…。やはり総理大臣に物を申すとかではなく、この全体状況をどうするかですね…
キリで穴を開けるようにゆっくりと変えて行くのが政治だといっていた人もいましたが、全体状況も経路も無視してキリで一体どこに穴を開けるんですかね(笑)
穴だらけの欠陥住宅が出来ないと良いのですが(笑)
豆腐メンタル says:
9月 19, 2017
グローバリズム路線で増税ねぇ。
いまだに対立軸すら無いとは。
選択肢ぐらい用意しなさいよ。
劣化じゃなく崩壊じゃないか。
「大義なき解散」与党内からも批判 公約の内容は急転
http://www.asahi.com/articles/ASK9L5RD2K9LUTFK005.html?iref=pc_extlink
コンビニも「技能実習」対象に
https://jp.reuters.com/article/idJP2017091801001722
momo says:
9月 20, 2017
百歩譲って農業技能実習ならまだしも、コンビニって(笑)
実習と言ってもATMの使い方とかタバコの番号を覚えるくらいしか思いつかない。
何の技能を学んで祖国で生かすつもりなんだろうか。
しかもあっさり実現しそうなのが怖い。
豆腐メンタル says:
9月 20, 2017
MOMOさんこんにちは。
三橋貴明さんはさすがです。
>もはや悲劇ではなく、喜劇でございますね。
と実に簡潔にまとめていらっしゃいます。
Bad Endが手招きしているそうです。
私たちが観客で作り事ならどんなにいいでしょう。
尊敬する経済に関わる先生方が「千載一遇のチャンスを逃す」と理路整然と警鐘を鳴らし続けてこられたにもかかわらず、というのがまたね。
恐怖プロパガンダや経路の上書きはかようにも難しいものなのですね。
宣伝って怖いですねぇ
kuma says:
9月 20, 2017
国を守るために国民を犠牲にする、という点では戦中も現在も同じですね。
我々もモロニックファイティングに駆り出される一億総火の玉なのですね。
玉田泰 says:
9月 24, 2017
遅くなりましたが、講演の大好評おめでとうございます。
「一蓮托生なのだという意識こそ経世済民の基盤、ないし大前提」という文章に目を開かせられました。僕自身、一日本人として生き、死にたいと願います。
その意味で、中国の奴隷でも生きられれば良いと言うTVのコメンテーターの存在に、唖然とします。
日本(人)を諦めずに、その想いを抱いて今日を生きようと、強く思いました。