アメリカの新聞漫画に
「ディルバート」(DILBERT)というのがあります。
同名のサラリーマンが主人公で
昨今の同国における
企業内の不条理がネタとなっている。
しかるにアメリカでは、
新聞漫画がよく卓上カレンダーになるんですね。
毎日毎日、
日めくり形式で漫画が楽しめるという仕掛け。
中身は2〜3年前のものが多いのですが
露骨な時事ネタが少ないので
賞味期限切れということはありません。
というわけで、
私の机の脇には
ディルバートの卓上カレンダーがあるのですが・・・
4月13日のネタは傑作。
上司が部下に「営業部門を統合するぞ!」と告げます。
で、部下が理由を聞く。
返事は以下の通り。
組織を派手に改編すると、
何やらスゴい経営戦略を持っているような
錯覚にひたれるだろう?
ついでに社長は
これを口実にして副社長の一人をクビにする気なんだ。
(注:アメリカの大企業では副社長が多数いる場合が多いのです)
この前のゴルフコンペで負けた腹いせだよ。
爆笑・失笑・嘲笑の嵐!!
・・・というところですが、
真のギャグは、果たしてこれを笑えるかどうか。
いわゆる改革志向の根底には、
制度を派手に変えると、
それだけで何か重要かつ有意義なことをしているような気になれる
という自己陶酔が
しばしばひそんでいるように思うのです。
それが個人的な鬱憤晴らしと結びついていればなおのこと。
実際、エドマンド・バークに言わせれば
フランス革命にしても、
進歩主義者の自己陶酔が
新興ブルジョア層の(貴族にたいする)鬱憤晴らしと結びついて
起きたものなのです。
人間は誰でも自己欺瞞の天才。
自己陶酔や私怨を
「天下国家を思う気持ち」だと信じ込むぐらい
朝飯前と言わねばなりません。
ではでは♬(^_^)♬
1 comment
akkatomo says:
4月 14, 2015
根本的には、現在の日本の惨状は日本人自身に問題があるのは言うまでもありませんが
自己欺瞞という観点から捉えなおした場合、現在の普通の、
少なくとも平均的な大衆人と考えられる方々は根っこに
1)退屈 2)権力への欲望 3) 2)が逆転した形でのルサンチマン
があり、而も規範や伝統が揮発してしまいました結果、
これらがむき出しの姿で現れてしまつた。
為に、常々自分の退屈しのぎと本質的な欠乏感から逃れる為にアレコレしている内、
遂に自己と他者との区別をすら失い、
精神的に、日々派手な事をブチ上げる人々と一体化してしまつた、
そのような状態にあるのではないかと佐伯先生のご著書を拝見しつつ思う今日この頃。
民の声が既に発狂しているような気がしないでもございません。
レイム=ダクさんの言葉に引き直せば、贅沢病というはやり病が進行して
退屈病となり、大衆分裂病となり、金銭を媒介した癒着が進みまして
国家の発狂という病状を呈しているのかもしれません。
金で心を汚してしまえ、なる死ね死ね団でも暗躍していたのでせうか。