まずは告知から。

22日、「FRONT JAPAN 桜」を佐波優子さんとやりました。

テーマはこれです。

トランプ非常事態宣言の問題点 / 保育士不足で自治体ができる事[桜H31/2/22]

ご覧になりたい方はこちら。

 

それから中野剛志さん、施光恒さん、柴山桂太さんとやっている

東洋経済の研究会についても

最新の記事が配信されています。

 

[前編]「道徳教育を受けた人は収入が多い」は本当か

[後編]実は役に立つ「論語の素読」と「偉人教育

 

東洋経済オンラインはリベラルな読者が多いのか

コメント欄に見られる認知的不協和の度合いが高い。

中野さんはけっこう怒っているようですが、

宇宙のジョークとしてはなかなかですよ。

 

それはともかく。

 

いよいよ、第二回米朝会談が近づいてきました。

金正恩はすでに特別列車で北朝鮮を出発、

中国に入ったとのこと。

 

朝鮮中央通信は24日午前、

金委員長が27、28両日にベトナムのハノイで行われる

朝米再会談のため23日に平壌駅を出発したと具体的に報じた。

また、住民が読むことのできる党機関紙、

労働新聞も24日付1面で

金委員長が専用列車から手を振る写真などとともに

金委員長のベトナム訪問を報じた。

 

最高指導者の身の安全を第一に考える

北朝鮮メディアとしては異例の早さで出発を報じたといえる。

 

昨年6月のシンガポールでの朝米初会談の際には、

北朝鮮メディアは金委員長の動線を事前に公表しないという基本原則から、

金委員長のシンガポール訪問について

出発と現地到着を同時に報じていた。

元の記事こちら。

 

これを報じた聯合通信は

今回の北側の報道姿勢について

1)金正恩の身辺警護や、留守中の体制安定についての自信の表れ

2)北朝鮮も「普通の国」だというアピール

ではないかと書いています。

 

とはいえこれに

3)会談で成果を挙げられるという自信の表れ

を加えるべきかも知れません。

 

で、これにも相応の根拠があります。

 

今月9日、

トランプはこうツイートしているんですね。

North Korea, under the leadership of Kim Jong Un,

will become a great Economic Powerhouse.

He may surprise some but he won’t surprise me,

because I have gotten to know him & fully understand how capable he is.

North Korea will become a different kind of Rocket – an Economic one!

 

北朝鮮は金正恩の指導のもと、偉大な経済的躍進を遂げるだろう。

それを見て驚く者も多いだろうが、オレは驚かない。

オレは金正恩をよく知るようになって、

彼がどんなに有能か、分かっているからだ。

北朝鮮はミサイルをもてあそぶロケット国家から

経済を天高く打ち上げるロケット国家になるだろう!

元のツイートはこちら。

 

同じ日、北朝鮮の公式ニュースサイト

DPRKニュースサービスもこうツイートします。

 

Supreme Leader Kim Jong Un thinks US President Donald Trump is okay

最高指導者金正恩同志は、ドナルド・トランプ米大統領はいいヤツだと考えている

元のツイートはこちら。

 

両者の熱愛ぶりに、恥じらいを隠せないジョアン・チェンさん。[要出典]

 

ドイツのニュースメディア、DWニュースは

会談がベトナムで開かれること自体にも意味を見出しています。

いわく。

 

ベトナムはかつてアメリカと戦ったし

その後もしばらく西側諸国に敵対的な態度を取ったが

1986年以後の改革路線により

アジアで最も急速に成長する国になった。

(※)一人当たり所得は5倍近くになったそうです。

 

しかるに経済を自由化した後も

ベトナムは共産党の一党独裁が続いているし

政治的自由は今なお制限されている。

 

つまりベトナムを会談場所に選んだのは

北朝鮮が朝鮮労働党の一党支配のまま

アメリカと和解して経済成長を遂げる

ということの象徴的暗示ではないのか?

動画記事はこちら。

 

昨年の会談場所だったシンガポールも

経済的には繁栄している(一人当たりGDPは日本以上)ものの

政治的な自由は制限されており

「明るい北朝鮮」などと呼ばれたりすることを思えば

DWニュースの分析にも納得させられるものがあります。

 

のみならず。

一党支配のもと、政治的自由を抑圧したまま

経済的に躍進した国の代表格といえば中国。

 

今回、金正恩は特別列車を使い

中国を縦断する形でベトナムに向かっているのです。

すべて鉄路で行くとしたら4500キロ、

2日あまりかかるにもかかわらず、ですぞ。

 

祖父・金日成がかつてそうしたように

どこかで飛行機に乗り換えるかも知れないという観測もありますが

中国の国境に近いベトナムの駅で歓迎の準備がなされているということなので

どうも、そうではなさそうです。

関連の動画記事はこちら。

 

もしや金正恩、

体制存続と経済発展について

手応えをつかんでいるのでは?!

 

ついでに気になるのは

肝心の非核化について

あまり展望が見えているようには思えないこと。

どうぞ。

 

トランプ大統領、北朝鮮の非核化「急がない」 会談前に予防線

 

トランプ米大統領は19日、北朝鮮の非核化に関して、

ミサイル発射や核実験がない限りは「急ぐことはない」と述べ、

早急な実現を追求しない考えを示した。

 

トランプ氏は「会談では、とても前向きなことが起こるのではないか」

楽観的な見通しを示しつつ、

核・ミサイル実験の中断をはじめとした

緊張緩和を既に達成した「実績」を強調することで、

非核化交渉で目立った進展がなかった場合も見越して

期待値を下げる思惑もあるとみられる。

 

さらに「核問題が解決すれば、

北朝鮮は驚異的な経済強国になると私は信じている」と語り、

北朝鮮の発展を支援する考えを改めて強調した。

元の記事はこちら。

 

なるほど、そうですか。

しかし「非核化なければ見返りなし」という

本来の原則に照らすかぎり

非核化を急ぐことはないと発言するのは

大して前向きのことは起きないと発言するようなもの。

 

にもかかわらず、「とても前向きなことが起きるのではないか」と来た。

すなわちトランプ発言には

非核化の前に見返りを与えるつもりだという含みがうかがわれるのです。

はたせるかな、韓国紙「中央日報」にはこんな記事が。

 

(アメリカの)代表的保守シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の

スー・ミ・テリー専任研究員は

「私はわれわれが非核化協定の代わりに

北朝鮮を核保有国として合法化する側に進むのでないか深い懸念を持っている」

と明らかにした。

元の記事はこちら。

 

テリー専任研究員いわく。

 

昨年6月のシンガポールでの米朝首脳会談後に

金正恩(は)老朽化したミサイル試験場の廃棄と核実験中断など

非核化に向けた見かけだけの措置だけ取ったが、

米国は韓米合同軍事演習を中断した。

 

北朝鮮が事実上の核保有国と認められるならば

途轍もない波紋を生みかねない。

韓国に保守政権が発足する場合、

核能力を発展させる可能性を念頭に置くことができる。

 

つまりは朝鮮半島で核拡散競争が始まるということです。

 

だいたいトランプは

史上最長の政府機関一部閉鎖やら

根拠薄弱な国家非常事態宣言やらで

内政では相当にケチをつけている。

外交で得点を稼ぎたいと思って当然なのです。

 

テリー専任研究員、

アメリカは北朝鮮の非核化実行措置への見返りとして

1)朝鮮戦争の正式終結宣言

2)外交樹立の布石となる連絡事務所設置

に応じる準備をしていると見ていますが

問題はこの「実行措置」なるものが

具体的に何を意味しているか。

 

最初のステップを踏み出しただけでも

それは実行措置ですからね。

非核化をまるで達成することなく、非核化の実行措置を取る

ということは可能なのです。

 

そして。

2016年2月から2018年1月まで

FBIの副長官を務め、

2017年の5月から8月までは

長官代行でもあった

アンドリュー・マッケーブ

最近、驚くべき発言を。

 

北朝鮮の軍事力に関して

情報機関からの報告を受けているとき

トランプはこう反応したというのです。

(※)ただしマッケーブ自身は、この報告の席にいなかったそうです。

 

And, essentially, the president said

he did not believe that the North Koreans

had the capability to hit us here with ballistic missiles

in the United States.

And he did not believe that

because President Putin had told him they did not.

President Putin had told him that

the North Koreans don’t actually have those missiles.

 

要するに大統領は

北朝鮮がアメリカ本土を攻撃できる

弾道ミサイルを持っているとは思わないと発言したんだ。

なぜか?

プーチンがそう言ったからだと。

プーチンはトランプにたいして

北朝鮮はそんなミサイルを持っていないと言ったようなんだ。

元の記事こちら。

 

情報機関関係者は

「それはわれわれが持っているどんな情報とも合致しない」

と反論。

するとトランプはどう応じたか?

 

I don’t care. I believe Putin.

知ったことか。オレはプーチンのほうを信じるね。

 

どうしてわが国の保守派は、こういう人物を支持したがるのかねえ。

 

マッケーブ氏、

トランプがロシアに内通している可能性は否定できない

ともコメントしています。

関連記事こちら

 

2月3日の記事

「北朝鮮はアメリカをナメているようだが、それにも相応の根拠があるのかも知れない。」

でも紹介したように

ロシアは目下、

中国と連携してアメリカに対抗する戦略を取っています。

 

おまけにロシアは昨年秋、

非核化への具体的なロードマップを提示すれば

原子力発電所を提供しよう

とまで北朝鮮に持ちかけた。

関連記事はこちら。

 

そのロシアがトランプを

北朝鮮の脅威は大したことがない

と思わせる方向に誘導したがっているとしたら?

 

そしてトランプが何らかの理由で

自国の情報機関(!)よりもロシア大統領の言葉を

信じることにするとしたら?

 

アメリカが北朝鮮を核保有国として(事実上)認めるのではないか

というテリー専任研究員の懸念が

がぜん現実味を帯びてくるではありませんか。

 

金正恩が列車で中国をゆっくり南下しているのには

本当に深い意味があるかも知れないのです。

 

しかるに韓国では、

なんと62.1%の国民が

今回の米朝会談を肯定的に展望しているとか。

「大きな成果がある」と答えた人は25.3%、

「ある程度の成果がある」は27.2%だそうです。

 

ちなみに「成果がない」は35.1%。

「特に成果がない」は20.8%、

「全く成果がない」は14.3%とのことでした。

関連記事こちら。

 

そしてわが日本は・・・

 

米朝会談前に安倍首相 トランプ氏に“拉致”協力要請へ

 

9日、自民党本部で開かれた会議で、安倍首相は

「2回目の米朝首脳会談を生かして、

核問題、ミサイル問題、

何よりも大切な拉致問題の解決につなげていきたい」

と述べたうえで、

「わたし自身が金正恩(キム・ジョンウン)委員長と向き合い、

解決していかなければならない」と決意を語った。

元の記事こちら。

 

世界には現実を直視して行動している国と

爽快なまでに現実を否認している国とがあるんですね。

日本も韓国も、

いがみ合いつつ手を取り合って末路へと進んでゆくのではないでしょうか?

 

「真実に直面しなさい! でないと後になるほどツライわよ!」(※)お姉さまのお言葉です。

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ではでは♬(^_^)♬