7月3日配信の記事で、
「私の好きなやりとり」と題し、
エド・ウッド監督の代表作
「プラン9・フロム・アウタースペース」に登場するやりとりを紹介しましたが。
今度は宝塚最大のヒット作「ベルサイユのばら」から、
必殺のやりとりをご紹介しましょう。
この作品のヒロインは、
女でありながら軍人として活躍する
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェですが、
彼女の乳母の孫にあたる
アンドレ・グランディエという青年がいます。
オスカルとアンドレは幼なじみ。
で、じつはアンドレ、オスカルのことが大好き。
しかしオスカルは貴族の娘で、
アンドレは平民の息子。
身分違いということで、恋心を打ち明けられずにいました。
ところが、であります。
民衆の不満が高まり、政情が騒然とする中、
アンドレは衝撃的な話を耳にする。
オスカルの副官であるジェローデル(こちらも貴族)が、
彼女に結婚を申し込んだと!!
どうもこのプロポーズの背後には、
オスカルを結婚退職させることで、革命騒ぎに巻き込まれないようにする
という配慮があったらしいのですが、
そんな理屈はアンドレには通用しない。
恋は盲目であります(残念司会®さん、聞いていますか〜っ)。
オスカルを他の男に取られてたまるか!
そんなことを許すくらいなら・・・
許すくらいなら・・・
いっそ、この手でオスカルを殺してやる!!
短絡的な発想で困りますが、そこはそれ、恋は何とやら。
こうしてアンドレは、酒に毒を盛って
オスカルに飲ませようとする。
ところが彼女が飲もうとすると、罪の意識に耐えきれず制止してしまうんですね。
ついでに自分が何をしたか、洗いざらい白状する!!
これがホントの「毒を食らわば皿まで」(笑)。
そして仰天するオスカルの前で、彼はこう叫ぶのです。
「二度とこんなことはしない、神かけて誓う!!」
──当たり前だろうが、アンドレ!
殺人未遂をやらかして、またやると言うヤツがどこにいる?!
しかしアンドレの深い愛(?)を感じ取ったオスカルは、
ただ一言、
「アンドレ・・・」
とつぶやくのでありました。
こういうやりとりが成立してしまう宝塚って、
やっぱりスゴいと思いませんか。
ではでは♬(^_^)♬
1 comment
メイ says:
7月 27, 2014
子供の頃、「ベルサイユのばら」読みました。池田理代子さんのコミック。舞台を観た事はないのですが。確かに原作にもこういう場面、ありましたね。
アンドレの独占欲・・、どこか切なさと、いとおしさがあります。
当時のフランスはきっと、私が想像するよりも、身分の垣根を超えるのが大変だったのでしょうね?だから、アンドレは気持ちの出口が無いような気がして、極端な行動に走ってしまったのでは・・・。
オスカルは、殺されかけた事に驚きはしても、アンドレがこんなに苦しんで、思いつめていた事に気づいて、彼女の心も非常に痛んで、自分を責める気持ちになったかもしれませんね。
もし、自分が当時のフランスの庶民で、貴族の誰かを深く好きになってしまったら、その人が、安全にこの国で生きていくためには、今のレジームを維持する事が必要で、革命に賛成はできないと思いますが、それは今の自分が「革命」を好まないから、そう思うのかもしれません。
自分個人の気持ちが報われたい、とか、見返りを求めたりすると、アンシャン・レジームが揺らぐ事に繋がってしまう気がして、その方(架空のフランス貴族。笑)を、守れないから、そういう事を望めない。好きな人には、幸せで、明るく笑ってほしい。この世に存在してくれる事が嬉しいのですし、そうでないと、とても辛いでしょうから・・。
オスカルとアンドレは、自分たちを「光と影」「ふたご座のカストルとポルックス」に喩えて、お互いが必要で、一対の存在だ、と感じていますが、そう思えるほどの方に巡り合えた事そのものが幸せで、幸運な事ですね。