昨日に続いて
RAISONDETRE さんからいただいたコメントを
さらに論じるつもりだったのですが・・・
なんのこれしきささにしきさんから面白い質問が来たので
そちらへの返答を優先いたします。
「なんのこれしき」などというと、1980年代後半、
人気アイドルだったころの南野陽子さんがやっていたラジオ番組
「ナンノこれしき」を連想しますが、
まあ、それはともかく。
質問こちら!
私はSakuraSoTVの「異変?日本文化の現在」を視聴しているのですが、
35分31秒に司会(注:水島社長)が
「政治家で今まで、そんなマトモな奴、いたの?」と佐藤さんに質問していました。
私はこの質問を発する司会の振る舞い等から、
司会の質問には「怒り」が内在していたと推測しております。
そこで佐藤さんに伺いたいことがあります。
お答え頂けたら幸いです。
Q1.この質問には「怒り」が内在していましたか?
Q2.この「怒り」(または「怒り」と誤解している別の何か)の正体は何ですか?
(明らかな誤記を一ヶ所修正。
なお「35分31秒」とは、厳密には「討論第一部の35分31秒」)
これについては、本ブログ「メディア関係」カテゴリーに収録された
以下の記事をまず読んできて下さい。
メニューバーの「BLOG」にカーソルを当てると
カテゴリーの一覧が下りてきますので
そこから「メディア関係」を選べば、簡単に検索できます。
「伸びる舌、増える舌」(7/14)
「残念な司会者」(7/15)
「残念司会を擁護する!」(7/18〜7/22、全5回)
「水島社長に、冷徹な愛をこめて」(7/26〜7/27、全3回)
さて。
以上すべてを読んだことを前提にお答えしましょう。
Q1:もちろん内在していたに決まっています。
ただし、当の怒りを私にたいするものと考えるのは早計。
あれはじつのところ、自分自身にたいする怒りなのです。
Q2:これも明らかじゃないですか。
(1)安倍政権への失望
(2)「戦後体制からの脱却」など結局不可能ではないかという不安
そして
(3)立場上それを言えない自分への苛立ちですよ。
「政治家で今まで、そんなマトモな奴、いたの?」
この発言をもう一度、よく読み返してみましょう。
水島社長は、安倍政権の言葉遣いがいい加減だという私の批判にたいして
今までの政治家だって(言葉の使い方が)いい加減だったから
安倍政権の言葉遣いがいい加減で何が悪いんだ!
と反論したわけです。
しかし、こういうレベルの反論をしてしまった、
より正確に言えば、せずにいられなかった時点で
水島社長の負けは確定しているのですよ。
なぜか。
社長は安倍総理にたいして、
戦後体制からの脱却(ないし戦後体制の解体)
という巨大な期待を託している。
当たり前の話ですが、
これをなしとげた政治家は戦後日本にまだ一人もいません。
よって安倍晋三氏、ないし安倍政権は、
今までの政治家、ないし内閣と同レベルであってはいけないのです!!
かりに安倍氏、ないし安倍政権がその程度の代物でしかないとするなら
戦後体制からの脱却だの、戦後体制の解体だのは、
即刻、あきらめたほうがよろしい。
ところが水島社長、
今までの政治家だって(言葉の使い方が)いい加減だったから
安倍政権の言葉遣いがいい加減で何が悪いんだ!
と言ってしまった。
そんな低レベルの理屈(戦後体制からの脱却を本気で期待しているならば、です)以外
反論を思いつけなかった!
自分に腹が立って当たり前だと思いませんか?
ついでに、
この程度の理屈で弁護するしかない安倍政権にも
腹が立って当たり前でしょう。
怒りに駆られる者の心には、強い不安が宿っている。
ロバート・アンソニーという人の言葉です。
ただし、ここで一言。
水島社長が私のことをどう思っているかは
ご本人に確かめていただくとして、
私は今なお、水島社長のことが好きです。
弱いところや脆いところまで含めて、いい男だと思っています。
だとしても、最近の社長の言動に賛成するわけにはゆかないのですよ。
最後にちょっと宣伝を。
7月にPHP研究所から刊行された「コモン・センス完全版」が、
10月3日、 Kindle版でも発売されました!
ハイ、この本です。
アメリカでは11月に中間選挙が行われますが、
あの国の本質は何なのか、
ぜひこの機会に探求して下さい。
それから次の水曜、10月15日には、
KADOKAWA より「ちょく論」の2回目が配信されます。
今回のテーマはこれ!
「憲法九条がノーベル平和賞を取る日」。
文字による議論(メルマガ)+声による議論(音声ファイル)という、
かつてないスタイルの立体言論メディアです。
1回目「朝日に塩を送る保守派」ともども
ぜひご覧下さい。
ではでは♬(^_^)♬
13 comments
マゼラン星人二代目 says:
10月 12, 2014
>「憲法九条がノーベル平和賞を取る日」。
先生のtweetから。
>かりに9条がノーベル平和賞を(今年でなくとも)取ったとしましょう。 そして首相が日
>本国民を代表して授賞式に出たとしましょう。 開口一番、「まあ、平和賞は政治的なもの
>ですから・・・」
ノーベル平和賞なるものが多分に政治的な性格を持つことは、一般的にも、比較的よく知られている。
それが、安倍さんならびに安倍政治に対する、痛烈な当てつけ嫌がらせとして機能するのはまさに「それ故にこそ」なのだ、ということに気づかなのだとしたら、それこそ政治家として失格です。
マゼラン星人二代目 says:
10月 12, 2014
指示語を多用し過ぎた。念のため、指示関係を明示しておく。
>それが、
=ノーベル平和賞(を憲法九条が受賞すること、またはその候補に挙がること)
>まさに「それ故にこそ」
=ノーベル平和賞なるものの政治性が一般にも認知されているからこそ
マゼラン星人二代目 says:
10月 12, 2014
それに、件の「政治的なものですから」という発言には「政治的なるが故に大した価値はない」という含みがあると思われますが、だとすると、安倍さんは、ご自身の価値について、一体どうお考えなのだろうかと訝しまずにはいられない。
クリオネの踊り食い says:
10月 12, 2014
動画の問題箇所を見てみると、社長の質問後に小川さんが冷笑しているのが確認できます。
私はこの冷笑に希望を見出しました。この冷笑は社長の脆弱性に向けられたものだと思うからです。
きっと小川さんは既に社長にこの点を指摘していて、反省を促しているのではないでしょうか。
SATOKENJI says:
10月 12, 2014
心温まるコメントをありがとうございます。
ご指摘の箇所、はたしてそのような意図で編集されたものかは
正直言って疑わしいものの、
結果的にそう受け取られているということで・・・
太平洋 says:
10月 12, 2014
問題の箇所の動画を、全く討論の内容もメンバーの素性も知らない人に見てもらいました。
すると、佐藤さんの最初の安倍政権の言葉の発言を聞いて、何だかこの人すごい感情的になって
早口でまくし立ててるけど、こんな物言いされたら普通気分悪いよねって感想を述べられました。
先入観のない人から見るとはそう感じるのかと思いました。
SATOKENJI says:
10月 12, 2014
(↑)「真実はあなたを解放する。ただしその前に、腹立たしくてたまらなくなることを覚悟せよ」(グロリア・スタイナム)
ついでにあのような理屈で反論することが正しいかどうかは、まったく別の話です。
「戦後体制からの脱却」をめざしているのであれば、なおさらのこと。
ところで討論をご覧になった方は、瀬戸内海にお住まいのご主人ですか?
じつによく出来た感想をありがとうございます。ぜひよろしくお伝え下さい。
今度は太平洋に引っ越されたご様子、
次はインド洋あたりからのコメントをお待ちしています。
KATO says:
10月 12, 2014
先入観というよりも、どの程度予備知識が備わって居たのでようかね?その辺が気になりますね。
安倍総理の発言と現政権の来歴を全く知らなければ、<こんな物言いされたら気分悪いよね>との感想も持つかも知れませんが。いや、そもそも何の話をしてるのか分からなかった事デショウ。他に考えつくのは、その「先入観の無い人」が博愛精神の持ち主で、誰であれ率直な表現で批判されるべきでは無いとの持論をお持ちという事なのだろうか?そうでなければ、関係者でも無いのに、気分を害すというのは考えづらいですね。
また、安倍総理の発言等について分っていて、感情的にまくし立てられたと感じたのであれば、その人物が持ち合わせていないのは、先入観ではなく、当事者意識の方ではないだろうか?とそう思いました。
そう感じる人も居るとお伝え下さいね♪
SATOKENJI says:
10月 12, 2014
もう一つ、太平洋さんに忍術の心得があって
「分身の術」を使っている可能性もどうぞ。
文句をつけたいけど論破されそうだというときに
「第三者の素朴な感想」なる形式を取りたがるのは、
珍しいことではありません。
ただしこれ、伝統的には左翼の得意技。
純真な子供がテレビで太平洋戦争の映像を見て、
「戦争って怖いね」
「今の日本は平和でいいね」
「また戦争になることはないよね」
と、つぶやいた。
だから自衛隊はいけない!! というアレでございます(笑)。
太平洋さんのコメント、
この話と論理構造がまったく同じことにご注目。
どうも最近は、保守の左翼化がいちじるしいようですな。
もっとも、KATOさん
承知の上で書いているでしょう?
最後の♪はその表れと見ました。
クリオネの踊り食い says:
10月 12, 2014
お化け屋敷に電気がついてしまったようですね
SATOKENJI says:
10月 12, 2014
(↑)この表現の的確さにしびれます。
太平洋 says:
10月 14, 2014
ごく普通に遭遇した話を紹介したに過ぎないのに、瀬戸内在住とか、分身の術とか、保守の左翼化とか、過剰過ぎる反応に驚きました。
この過剰な反応と、私が紹介しました佐藤さんへの動画の指摘、またここで水島さんへの執拗な欠席裁判が見事に繋がりました。
保守であろうと左翼であろうと、言論人として人に聞く耳を持ってもらうのには、性格は大事ですね。
SATOKENJI says:
10月 15, 2014
(↑)このコメントの内容を、10月10日のブログ
「愛国とご都合主義」と比較してみましょう。
肝心なところを、一部修正のうえ抜粋しておきます。
(ご都合主義に陥った者は)
重大な含みを持つ言葉を、本当は真剣な意味合いで使っておきながら
都合が悪くなると「あれは軽い気持ちで使ったものだから、そう真剣に受け止められても・・・」
と逃げようとする場合がある。
下手をすると「そこまで過剰反応するほうがおかしい」
と開き直る、なんて話にもなりかねない。
ハイ、そっくり同じですね。
私の指摘の正しさを
ここまで身をもって示してくださったことには
ただ感謝あるのみです。
ついでに「水島さんへの執拗な欠席裁判」には大笑い。
彼のことは今でも好きだって、書いてあるのにねえ。
失礼ながら太平洋さん、よほど被害者意識が強いのでは?
それから最後に一つ。
「ごく普通に遭遇した話」という表現は、
「討論の内容もメンバーの素性も知らない人に見てもらいました」
という、前のコメントの表現と矛盾します。
遭遇は受動。
見てもらうは能動。
文章にはこうやって、書いた人の内実が出るのです。
ご注意を。