さてさて、
例の討論番組
「安倍政権への進言・諫言(かんげん)・提言」
ついに放送されました。
この討論、ネットでは評判がよろしくないようです。
「DANCING WRITER」にも、
KAVACH さんより次のコメントが来ました。
いわく、
件(くだん)の桜討論、一応目を通しましたが…。
自分にはまさしく非実在総理®を語り合う会に見えてしまいました。
残念どころじゃねぇな。
コメント全文をご覧になりたい方は
8月2日配信の記事
「アヴェンゲリオン解題・補足」をどうぞ。
たしかに、そういう見方もあるでしょう。
しかし、
本当のことを言えば
私は非常に面白いものを感じました。
水島社長の勇気を
大いに讃えたいと思います。
で、
何が面白かったか、ですが。
これを理解していただくには、
福田恆存さんの次の言葉を紹介しなければなりません。
われわれが自他の言動について
その真偽正邪を判断する唯一の基準は
力強い明快さということです。
それがいかに正しい内容を持っていたとしても、
もしもそこに明快とは反対なもの、
すなわち鈍重で陰鬱なひびきがあるならば
それはどこかで必ず間違っているのです。
もっとも必要なことは、
語調と表情の美を感じるだけの
耳と目を持つことです。
信じうるのは、自分の目と耳だけではありませんか。
(「青年について」より。『平和論にたいする疑問』収録)
つまり、いかなる発言であろうと
言葉の内容だけを見るのではなく
発言者がどのような語調と
どのような表情で語っているかに
注目しなければならない。
発言の場の雰囲気にも
むろん注目する必要があります。
どんな雰囲気のもと、
どんな顔と
どんな口調で語っているか。
それによって、発言の意味は変わってくるのです。
そしてこの視点から見るとき、
こんなに面白い討論も珍しい!
期待以上!!
この話、まだ続きます。
ではでは♬(^_^)♬
3 comments
こみつる says:
8月 3, 2014
こんばんは。
佐藤さんの注目点のうち、場の雰囲気と私の感想のみに絞らせてもらいました。
・場の雰囲気(進行具合、と言った方が適切でしょうか)
①明確な論点が提示されていない(いつものことと言えばそうなのですが)
②ゆえに、多くのメンバー共通の分野である外交と国際情勢を中心に各々の専門分野話が主
③それに対し、主に西部氏と水島氏による突っ込みと応対
各論はいろいろと面白いのですが、①のせいでまとまりがありませんでした。②のような進み方で、③のように引っ掛かった人が横やりを入れる。まとまりがないので、聞く側として印象に残りにくい討論だったと思います。佐藤さんはよく発言冒頭で「○○について問題提起したいのですが」等、論点を明確にしてくれるのですが。
ここから討論内で気になったことをピックアップします。
まず、司会から佐藤さんの問題提起(「【中継】討論番組と陽性かくにん♡」より)について全く論点にすることがなかったので、「草莽はいよいよ桜に失望」するのではないかと思います。
しかし討論では、言葉についての言及をされた方がいました。
2限目に富岡氏が「首相に歴史認識を明確に表明してほしい」との提言がありました。それに対しては「認識はしっかりしているけど、言えない状況じゃないの?(水島氏)」「白人国家が言わせない(高山氏)」と反論を受けていました。
また3限目には、「表現上ある種の文学的センスが必要(西部氏)」「唯物論者をたたくために、安倍さんが気の利いた一言を世界に発信すれば、世界は日本に注目する(馬渕氏)」という旨の発言をしました。「安倍さんはあまり文学的なセンスはないと思う」とは水島氏の発言です。
また水島氏は、「優先順位」という言葉も使っており、結局「言葉のセンスなんて優先順位は下部。何をやったか(やろうとしているか)が大事だ」ということに変わりはないことがうかがえます。言葉の大切さについては佐藤さんに全面同意なので省略します。
佐藤さんが先の討論で突っ込んだ「デフレ」や「日本経済の悪魔」についての言葉遣いは、上記のような「他国への配慮、圧力のため曲げた表現」でないことは明らかです。この2点についてはこちらが配慮する必要やどこかの団体が圧力をかける必要がないですからね。「言葉のセンスが必要」と西部氏と馬渕氏が発言された時に、なぜそれが必要ないのか、なぜ優先順位が低いのか、を水島氏はあたらめて説明するべきだったと思います。
最後に。
水島氏が3限目の最後に、わざわざ「側近いわく、安倍氏が2年後のダブル選挙のときに憲法改正を本気で狙っている」という発言をしました。討論参加者の富岡氏が「自分の目の黒いうちは憲法改正なんてないだろう」と言っていたのに、です(この目測のほうが強いのではないでしょうか)。これ、2年後に実現しなかったとき、水島氏が「そんなに単純じゃないんだよ。簡単にいくもんじゃないんだよ」と説教する姿とそれに呆れる人たちがちらと頭をよぎりました。言わなきゃよかったのに、と思いました。
無駄に長くなってしまい申し訳ありません。
カインズ says:
8月 3, 2014
「安倍政権への進言・諫言(かんげん)・提言」、安倍政権の功罪の検証という点からすれば踏み込み不足と言わざるを得ない内容でしたが、「日本人は優秀だ」、「日本人には底力がある」という現状を容認するぬるま湯のような空気に対して、瀑布のごとき冷や水を「力強い明快さ」をもって浴びせかける言論人の姿を見せたという点においては意義があると感じました。
めだか友 says:
8月 4, 2014
チャンネル桜は安倍擁護と言う点では民放以上の偏向報道をしていますね。
安倍総理の「瑞穂の国、日本!」と、水島さんの発する「草莽!」も同じくらい空しい響きです。
佐藤さんがご指摘のように、言葉使いのいい加減さはその人物の不誠実さに通じます。上が典型例です。
やはり言葉の響きから受ける印象について、その人物を評価するうえで重要な要素となり得るという主張は、とても説得力を持ちますね。